どうやら異世界ではないらしいが、魔法やレベルがある世界になったようだ

ボケ猫

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127 移動が楽だな・・・。

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そんなことを考えながら、移動を続ける。

すぐに大阪付近を通過し、名古屋辺りが近づいてきた。

移動しながらやや違和感を感じていた。

魔物が出てこない。



海の魔物はよくわからないが、陸での移動では出会っていない。

俺は上空のルナの方を見上げた。

その俺の動きに気づいたルナが声をかけてきた。



「どうしたのだ、テツ」

「はい・・実は不思議に思っていたのですが・・・

魔物と遭遇しないなと・・・」

「あぁ、魔物か・・・」

ルナがそういうと、ウルダが代わりに答えてくれた。



「ルナ様、私が説明いたします。

テツ、ルナ様の種族は知っているな」

ウルダが言う。

「はい、ヴァンパイアですね」



「そうだ。

そのヴァンパイアの王であるルナ様に、よほどのバカでもないかぎり、前に出てくる魔物はいないだろう」



!!!



・・・なるほど・・!

魔物たちが、いうなれば餌扱いになるわけだ。

それにレベルの高い魔物なら、なおさらおいしいだろう。

だが、下品にそんなことを口にすることもできないな。



「・・・・・ウルダさん!

わかりました」

俺はそう答えた。



ウルダもうなずき、また前を向いて飛んでいた。



富士山が見えてきた。

しかし、移動する時間感覚がわからなくなってきた。



まさか生身の身体の移動の方が、公共機関よりも速く移動できるなど、考えもしなかった。

時間を確認してみると、午後13時5分となっている。

う~ん・・・

本当に時間、合ってるのかな?

そんな疑問が起こってしまう。





アニム王に念話を飛ばしてみた。

『アニム王、テツです』

『・・テツ・・』

アニム王・・すぐに返事はくれるが、何か妙な間が・・・。



『間もなく、アニム王のところに到着すると思います』

『・・そうか・・・』

『・・アニム王・・何か具合悪いのですか・・・』

俺は恐る恐る聞いてみた。



『・・いや、そうではないよ。

ルナ・・・

ルナから聞いているかもしれないが、私とルナは形式的には婚姻関係なのだよ』



!!!!!

『・・・・・・』



俺は驚いてしまった。

これだけの美人の女を・・いや、それはいい。



『・・本当ですか・・アニム王!!』

『・・テツ・・何か嬉しそうだね・・・

ただ、王家同士が勝手に決め、詳細をこれから整えて行くところで転移となったからね・・・まだ始まってもいなかったところなのだよ』



なるほど・・・そりゃ言葉も見つからないな。



『・・・そうだったのですか・・・

何とも言えないですね・・』

『・・そうなのだよ、テツ。

言葉がないのだよ・・』



アニム王は困っているようだ。

『・・アニム王・・間もなく到着となりますが、会ってみてから考えるしかないのでは・・・』

俺はそう言ってみた。



その言葉が余程効果があったのだろうか。

『そうだね、テツ!

考えても始まらないなら、行動して始めるべきだね。

ありがとう』

アニム王はそう言うと、念話を切った。

・・・・

アニム王・・・いきなり切ったな・・・。



周りの景色も厚木付近に来ていた。



俺の様子を見ていた、ルナとウルダが微笑みながら話しかけてきた。

「テツ・・アニムとの念話は終わったか?」

ルナの笑顔がたまらないな。

・・・わかっていたのか。

まぁ、俺が黙って移動してたからかな。



「はい。

アニム王に間もなく到着すると伝えました」

俺は走るのをやめて歩き出した。

俺に合わせてルナたちも地上に降りて来た。

一緒に歩く感じになった。



シルビアがやや疲れてる感じだ。

ウルダがシルビアに声をかけた。

「シルビア・・大丈夫か?」

「・・は、はい。

大丈夫です・・・はぁ・・はぁ・・ふぅ・・・」



・・・・

シルビアさん、その呼吸法はラマーズ呼吸法に似てますが・・・。

出産のときにする呼吸法ですよ・・・

心の声です、はい。



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