どうやら異世界ではないらしいが、魔法やレベルがある世界になったようだ

ボケ猫

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125 シルビア・・・お前、面倒なやつだな・・

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俺の移動はひたすら走るのだが、ルナは飛んでいた。



背中の羽を広げて、羽ばたくことなく飛行している。

ウルダは俺と一緒に走ってくれていた。

シルビアは相変わらず、ポーン、ポーンと跳ねるように移動している。

それぞれが、軽く移動している感じだ。

周りからは相当な速度で移動してるように見えると思うのだが・・・。



俺も移動しながら、ルナに少し話しかけてみる。





「ルナさん、アニム王と念話してもいいですか?」

「おぉ、よろしく頼む」

ルナはそういうと何やら嬉しそうだった。



もしかして、二人はいい仲なのかな?

そんなことを思いつつもアニム王に念話を飛ばしてみた。



『アニム王、テツです』

アニム王からはすぐに返事が来た。

『やぁ、テツ。

何かな』

『・・ルナ王と出会い、今アニム王のところへ向かっています』

『・・・・・』

『・・あの・・アニム王・・・』

『・・わかっているよ、テツ。

それで、どれくらいで私のところへ到着できるだろうか・・・』

アニム王が言葉に詰まるなんて珍しいな。



『おそらく、3~4時間・・・いや、5時間くらいもあれば大丈夫だと思います』

『そうか・・・』

シルビアがいるのを忘れていた。



海の移動が遅くなるだろう。

そう思うと、海のところへ到着した。



魔物とは全然出会わない。



『・・テツ・・また近くまで来たら教えてくれたまえ』

『わかりました』



アニム王との念話は終わった。

俺はルナの方を見て、アニム王にルナのことを伝えたと言った。

ルナもうなずいてくれた。



「ルナさん、前に見える水ですが、海といってかなり広い幅があるのです。

シルビアは風精霊で漂うように移動してました。

私は海の上を走れるのでいいのですが、少し移動が遅くなってしまうと思います」



「・・心配ないぞ」

ルナはそう言う。

どうやらウルダも飛べるようだ。

そして、ウルダがシルビアを運ぶという。



「ウ、ウルダ様・・そのようなことをされては・・・」

シルビアが恐縮していた。

「しかしな、シルビア・・貴様の移動では速度がなぁ・・・・」

「うぅ・・・」

シルビアがチラッとこちらを見る。



・・・

はい。

わかりました。

「ウルダさん・・私がシルビアを背負います」



シルビア・・お前、アホな上に面倒だな・・・。

心の声です、はい。



「テツ、いいのか?

私なら問題ないのだが・・・」

ウルダは軽く答えてくれる。

「はい、私もシルビアを背負うくらい、問題ありません」

「そうか・・では、頼むか」

そういうと、シルビアはホッとしたような感じで俺の方へ来た。



何ホッとしてんだ、シルビア!!



「テツ・・すまないな」

シルビアはそういうと、俺の背中に身体を預けた。



!!!!



いや、これは、これで・・・

ごっつぁんです!!



何と強烈に背中にシルビアの胸が当たることか。

今までこれほどのプレッシャーが背中にあっただろうか?

・・ない!!

くぅ・・・・



「シルビア・・気にするな!」

俺はそう言いつつも、心では感謝、大感謝をしていた。

「シルビア・・・お前・・かなり軽いな」

そういうと、バカ!と言われ、頭を軽く殴られた。



くぅ・・・こういうテッパン・・・・

最高だ!!!

異世界、最高だな、おい!!

神様、ありがとう~!!!

・・・って、危うく違う世界に飛ぶところだった。



俺は海の上を走っている。

地上と変わらない速度が出ているはずだ。

ルナとウルダはその俺の速度に余裕でついてきている感じだ。





海の水平線のところに陸が見え、山のようなものが見えたときだ。

目の前の海が盛り上がった。



ザッパーーーーン!



海の中から、白い大きなイカのような足が1本出てきた。

続いて本体の頭の部分だろうか・・

イカだな・・・

海から顔を出していた。

こちらを眺めている。



クラーケン:レベル40



俺はそのレベルを見て驚いたが、焦ることはなかった。

ウルダとの手合わせの効果だろうか。

レベルは2つも上だが、脅威を感じない。





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