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106 少し、友人の様子を見に行きたいと思うのだが・・・
しおりを挟むいや、フレイアさん。
本当にありがたいのです。
「フレイア・・それに、ミノタウロスの時に助けてくれたお礼・・
まだしてなかったな。
何かしてほしいこととかあるかな?」
俺は聞いてみた。
優が少しピクッとしていた。
「テツ・・お礼なんていらないぞ。
十分もらったよ。
御父上に打ち直してもらったレイピア・・
あれで十分すぎるお礼だ。
むしろ、こちらが何か差し上げたいくらいだ」
じいちゃん・・ありがとう!!
「そうか・・・すまないな、フレイア。
そして、ありがとう」
「い、いや、別にいいって・・・」
・・フレイア、かわいいな。
優が何か言いたそうだが・・
「どうした優?」
フレイアから視線を動かして優をみた。
「・・おっさん・・ミノタウロスって・・・
そんな魔物がいたのか?
・・強かったの・・」
どうやら討伐に興味があるようだ。
「あぁ・・強かったな。
フレイアがいなければ、ほんとうに死んでいたかもしれない」
正直な感想だ。
「・・そんなに・・でも、俺もレベルアップしてみたい気がする・・」
優がつぶやく。
「そっか・・・じゃあ、少ししたら、また討伐に行ってみるか?」
俺はそう提案してみた。
優は喜んでいた。
椅子から立ち上がって2階へ行って、準備してくるそうだ。
即行か!!
ばあちゃんがそれらを見ながら言う。
「・・テツ・・あんまり無理しないように・・・。
どんな状況になっても、身体だけは大事だから・・・」
ありがとう、ばあちゃん。
「うん・・わかってるよ」
俺がそういうと、フレイアがばあちゃんに近寄って行って、おまかせくださいと力強くばあちゃんの手を握っていた。
フレイア・・やけに懐いてるな。
じいちゃんが何か打ちたいような仕草をするが、たまには休んでくれ。
フレイアに、俺も2階に挨拶してくると言ってその場を離れた。
2階にあがると、優は準備完了だった。
!!
そうだ。
じいちゃんに、優の刀も新しく打っておいてもらおう。
嫁とお義母さんに、少し出てきますと言ってみた。
嫁は何も言わなかった。
・・・・
そういえば、いつからだろう・・・。
俺は必ず誰かが出かけるときに挨拶はする。
この嫁・・
いつからだろう・・・
挨拶もなくなったな・・
俺の稼ぎが少なくなってからか。
なるほど・・・
女の人は、お母さんになると、金の量=愛情表現の量になるのだろうか。
・・・・
嫁のお義母さんが、気をつけてと声をかけてくれた。
嫁の代わりか!
この人・・まだ住人でいるみたいだな。
1階に下りて、ばあちゃんに行ってきますと伝えた。
じいちゃんには優専用の刀をお願いしますと、俺と同じトロウルのメイスを手渡しておいた。
魔石もいくつか置いておく。
適当に選んで作ってみるそうだ。
よろしくお願いします。
優は何かワクワクしてる感じがする。
・・・わからないでもないぞ。
こんな美人と一緒だからな・・。
フレイアも一緒について来てくれている。
俺と優の移動はかなりの速度だと思う。
フレイアはポーン、ポーンと軽く跳ねるように移動する。
妖精のようだな・・・。
淡路島も10分もかからずに移動できる。
明石大橋を通過して、移動を歩行に変えた。
辺りを索敵してみる。
オーガくらいの魔物がいるだけだ。
高いレベルの魔物はいないな・・・。
やっぱ、大阪市内の方がいいかな・・・。
・・・いや、北京都の友人のところに1度行ってみよう。
そう思った。
藤岡という友人。
自衛隊の時の同期だ。
入隊して3年ほどで退職し、ワーキングホリデイなどで海外を回り、今は自営業をしている。
嫁さんが地方公務員だから、食べるのには困らないそうだ。
近くの海に、琴引き浜という海岸があって、鳴き砂、踏むとキュキュと音がする砂浜のある海岸が記憶に残っている。
明石大橋を渡り終えて、優に言ってみた。
「優・・・藤岡のところへ行きながら、魔物を倒していこうと思うんだが・・それでいいかな?」
「藤岡さんのところ?
別にいいけど・・・」
・・まぁ、反対ではないわけだ。
フレイアがいるから、どこでもいいのかもな。
「フレイアはそれで構わないか?
藤岡っていうのは俺の友人なんだが、少し様子を見ておきたいと思って・・・」
「私は別に構わない。
ついていくよ」
「・・そうか、ありがとう、フレイア」
「・・テ、テツ・・いちいちお礼などいらないからな!」
フレイアが慌てて返答した。
ツンデレタイプか?
ここからだったら、高速道路に沿いつつ、一直線で移動した方が速いだろうな。
俺たちのレベルも結構あると思うし・・。
そう思って移動をした。
魔物もレベル30前後を意識して移動しているが、都市部と言えないところを移動なわけで、それほど高いレベルの魔物がいない。
ほぼ無視だな。
20分ほどで現地に到着できた。
確か宮津市に住んでいたはずだが・・
記憶があいまいだからな・・・
この辺りはあまり建物も壊れてないな。
俺のところ同じような感じだ。
古い記憶を頼りに移動していた。
段々と記憶と一致する景色が現れてきた。
「あぁ、そうそう・・このビジネスホテルあったよ・・」
そう思いつつ、記憶を確かめていた。
あった、あった。
このマンションを曲がったところの、スーパーがあったと思ったが・・・
あった!
そうそう、このスーパー・・確かユアーズだったっけ?
このスーパー・・・壊れてないな・・
人の往来はほとんどないけど、たまに見かけるが、普通の生活の感じがする。
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