どうやら異世界ではないらしいが、魔法やレベルがある世界になったようだ

102 やっぱ、嫁は怖ぇぇ・・・何でなんだろうな。

「ただいま～」

玄関に入って靴を脱いだ。



フレイアにも、家では靴を脱ぐものだと伝えた。

エルフの靴・・ブーツみたいだが、大丈夫か？

・・まさか、強烈なにおいとか・・引くぞ・・・



何のことはない。

普通のきれいな足だった。



フレイアが生活魔法で自分の身体をきれいにしていた。

俺も自分の身体に魔法をかけた。

それでも、手洗いうがいはするぞ。

なんか気持ち悪いからな。



ぞろぞろと１階のばあちゃんのところへ行った。

嫁には後で２階へ行くと言った。

まずは、ばあちゃんに挨拶だ。

「ばあちゃん、ただいま～」

「あ、おかえり～。

あれ、そのきれいな人は誰だい？」

ばあちゃんはド直球で聞くよな。



「フレイアです」

と、普通に答える。

あれ？

俺の時には、きれいと言ったら剣を抜いたぞ。



「俺の母です。

それと父です」

じいちゃんも紹介した。



じいちゃん、相変わらず無言だな。

軽く会釈をした。



「ばあちゃん、フレイアはアニム王の知り合いなんだ。

ほんの少し前にこっちに来たんだって・・」

「そうかい・・・それは大変だったね・・」

・・・ばあちゃん、ほんとにわかってるのかな？

フレイアもニコニコしてるだけだ。





「あ、そうだ。

じいちゃん、剣を修理してもらってもいいかな？」

じいちゃんはこちらをみた。

いや、俺のじゃないから・・・。



フレイアにレイピアを出してもらった。



それをじいちゃんに手渡してみる。

「どう・・できそう？

何なら魔石も渡すけど・・どれがいいかな・・」

そういって、魔石を並べてみた。

じいちゃんはレイピアを手に持ちながら、魔石を選んでいた。

１つの魔石を手にして、何とかなりそうだという。



「よろしくお願いします」

フレイアが頭を下げていた。



ばあちゃんがお茶でも飲む？といってお茶を入れてくれた。

俺は一口飲むと、とりあえず上に行ってくると言って２階へ行こうとした。



フレイアはお茶が気に入ったらしく、飲んでから行くという。

「じゃあフレイア、また呼びに来るよ」

そういって、ばあちゃんに頼んだ。



じいちゃんのいい音が聞こえるな。





２階へ上がると雰囲気が違っていた。

時間は午前１０時３０分頃だろう。



なんか妙にピリピリしてるな・・・

俺のせいなのか？



「・・パパは自分の好きなようにウロウロしてるわね」

嫁のプレッシャーが、早速始まった。

「・・・・」

颯と凛、それからスラちゃんはリビングの方で遊んでいる。

優はその中間辺りで椅子に座っている。

嫁のお義母さんも優の隣でコーヒーを飲んでいた。



「こっちは近所の人たちと一緒に、周辺の魔物の討伐したりしてたのに・・・」

嫁はグチグチ言いたいみたいだ。

「・・いや、俺も行くときには言ったよな・・・」

「言ってても、聞こえなければ言ってないのと同じよ！」



・・始まったよ。

嫁の勝手な理論。

女の人には言葉では勝てないと、何かに書いてあったな。



「・・魔物の討伐っていっても、ご近所さんだけで大丈夫だろう。

それに買い物も普通にできてるんじゃないのか？」

「それよりもあの女の人は誰？」

おいおい、俺の言うこと聞いてるのか？

「あぁ、あの人はフレイアといって、アニム王の知人らしいよ。

そんでもって、エルフだそうだ」



！！



「エルフ？

何アニメみたいなこと言ってるのよ」

「・・いや、アニメって・・今の状況だって普通じゃないだろ」

嫁は少し考えていた。

・・・
こっちの世界で誰も知り合いもいない。　それにアニム王の知り合いなのは確実だ。
だから少し保護してやってもいいだろうと、軽く説明をしながら先に俺が話してみた。

「・・まぁ、俺が勝手に動いてるように見えるかもしれないけど、その分、優のレベルとか上がってると思うし、優も明るくなっただろ？

それに家の安全度も上がったと思うぞ」

「それはそうだけど・・・・」



俺は続けた。

「まぁ、後はボチボチでいいんじゃない？

それに、嫁さんのレベルとかが、ご近所の人と同じくらいだから、会話もかみ合うでしょ？

まさか、レベルを上げたくなったとか・・・」

「・・・そりゃ、レベルが高いのに越したことないけど・・・」



なるほど・・この嫁はレベルを上げたいわけだな。