どうやら異世界ではないらしいが、魔法やレベルがある世界になったようだ

99 地球人の男って、絶対エルフに免疫ないぞ！！

しかし、アニム王って言ったよな。

ということは転移者だ。

あれ？

アニム王だけが転移してきたんじゃなかったっけ？



・・・、あ！。

そういえば、他に転移者も来るかもしれないって言ってような・・・。

ただ、タイムラグがあるかもしれないとか何とかとも・・・。

う～ん・・

ぼんやりの記憶だな。





「フレイアさん・・」

「な、なんだ？」

あれ、何かさっきと調子が違うぞ。

「フレイアさんは、いつ転移してきたのですか？」

「あぁ、それか・・つい先ほどだ」

「そうですか・・つい先ほどですか・・・

それでいきなり俺を助けてくれて・・・ありがとうございます」

俺は頭を下げた。

「・・い、いや、別に礼などいいのだ」



？？

この人って、人の好意に照れたりするタイプなのかな？

まぁ、そんなことはいい。

ただ、ミノタウロスに矢を刺し、しかもピンポイントでの狙撃。

凄いレベル高いんじゃないのか？

あらためてそう思った。



「あ、フレイアさん・・少しアニム王と念話してみますが、いいですか？」

「あぁ・・構わんよ」



俺はステータス画面を出して、アニム王のところをタッチし念話を飛ばした。



『アニム王、テツです』

すぐに返事が来た。

『やぁ、テツ。

どうしたんだい』

『今、お話は大丈夫ですか』

『問題ないよ・・・。

・・・もしかして、フレイアのことかな？』



なるほど・・さすがはアニム王。

すべてお見通しだな。

『はい、その通りです』



アニム王に聞いたところによると、本当に１時間くらい前に転移してきたらしい。



やはり、ほとんどスキルが失われた状態だったようだが、アニム王と同じように基本スキルは残っていたという。

念話はアニム王のように、いろんな人に語りかけることのできるものではないそうだ。

ただ、アニム王とのコンタクトだけは取れるようだった。



光の神が全能というか、すべての上位にあり、エルフなどの精霊族は直系属性らしく、エルフからも語りかけることができるという。

フレイアはそれで、アニム王にまずは語りかけたみたいだ。



いろいろと現状を話しするうちに、この星の状態を聞くのなら、この星の人間に聞けば早いということで、俺を紹介したそうだ。

アニム王から大体の位置を聞いて、魔素や力の大きさなどを感じつつ、また精霊達の力も借りて俺を探し当てたみたいだ。

おかげで俺は助かったわけだが・・



『・・そうですか。

ありがとうございます、アニム王。

それよりも、アニム王・・疲れてきたらいつでも来てくださいね』

俺は本気でそう言った。

『ありがとう、テツ。

また何かあったら念話を飛ばしてくれたまえ』





「フレイアさん・・お待たせしました」

フレイアに向き直ると、フレイアは瓦礫の上に腰かけ、片足を両手で抱えて優しく俺を見つめていた。

・・・このシーンだけでごちそうさまです・・

いや、いただきます！だな。



「終わったかな？

で、アニムはなんと言ってた？」



気になるのかな？

「つい先ほど転移してきて、俺に会いに行ってみればと伝えたと・・・」

「うん、そうなんだ。

この星のこと・・・何にもわからないからね。

それに、アニムの推薦もあったし・・・」

「俺は、そのおかげで助かりましたが・・・」

フレイアは微笑んでいた。



その姿は、どストライクなんだがなぁ・・。

「フレイアさん・・・」

「ん？何？」

やや首を傾けながらこちらを見る。

やめてくれ！

あまりにも仕草や雰囲気がかわいすぎる！

地球人はエルフに免疫ないぞ、絶対！



「・・いや・・その・・おそらく地球・・この星の住人はエルフというのは、見たことないはずです」

「そうなのか？」

「はい・・それに魔法も存在してませんでした」

「・・いったいどういうことなんだ？

テツは魔法を知っているようだったが・・・」

いや、それはヲタだからですよ。

妄想者だからですよ。

異世界、ラノベ、ゲームです。

・・・こんなのを説明もできないしなぁ・・・。