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90 直感だ!
しおりを挟むまずは1体のトロウルめがけてダッシュした。
すれ違いながら、両腕を切り落とす。
そのまま次のトロウルに向かって、この1体は確実に仕留めた。
3体目に向かおうとすると、優が最初に腕を切り落としたトロウルに向かっていった。
トロウルの胸辺りを突いていた。
・・・
なるほど・・・そこが急所だな。
でも、やっぱりスキルがないとわからない。
俺なんてめった突きだからな。
変に言葉をかけなくても、優はきちんと連携できる。
そんなことを考えながら、残りのトロウル1体の片腕だけを切り落とした。
こちらはスピードで動いているので、切り返して残りの腕を切り落とそうとしたら、優がトロウルに止めをしていた。
・・・・
やっぱ、きれいに狩るよなぁ・・。
さて、残すはゴーレムだが・・・大丈夫か?
トロウル・・メイスを振る暇なかったな・・。
後で回収しておこう。
おそらく今のでレベルは結構上がっただろう。
しかし、ゴーレムはどうかな?
あのパワーだからな・・・。
再生するにしても腕を切り落としておくか・・。
そう思い、ゴーレムに向かう。
優も一緒に向かっていった。
俺が右腕を落としたときに、優はゴーレムの額のところから突きを入れていた。
ゴーレムはそのまま崩れて砂になっていった。
・・・やっぱり急所がわかるんだ・・・。
「優・・・よく急所がわかったな?」
俺はそう声をかけた。
「うん、頭がやけに光ってる感じがしたんだ。
急所というより、おっさんが言ってた核が光ってたのかな?」
・・・なるほど・・・
俺もハンターになりたいな・・・
「そうか・・何にせよ、無事倒せたな。
・・・レベル・・かなり上がっただろう」
うれしい反面、ちょっと悔しくもある。
・・子供じゃないんだからと、思ってみるが・・・。
優はステータス画面を見ていた。
「・・おっさん・・本当にありがとう」
お礼を言われた。
どうしたんだ?優・・熱でもあるんじゃないか?
「・・どうしたんだ?」
「・・・いや、素直にうれしかったんだよ」
「それで、変化はあったか?」
俺はあまり深くは聞かないようにしようと思っている。
親しき中にも礼儀ありだろう。
俺も、探られるのは嫌だしな・・
隠し事とは違うと思う・・・。
「おっさん・・・レベルは30になってるよ。
それよりも職が・・・」
レベル30ですか・・・
それはすごいな。
もう、普通のベテランクラスじゃないの?
え?
職って言ったよな・・
何かあったのかな?
「職がどうした?優・・」
「うん、上位職が選べるんだが・・2つあるんだ」
優がそう言って教えてくれた。
ハンターの上位職に「レーンジャー」と「コマンダー」というのがあるという。
レーンジャーは本当にハンターの上位版のようだ。
コマンダーは攻撃力が優位になるようだった。
どちらにすればいいのか迷っているという。
「・・俺もわからないな・・・」
優が俺をチラっとみるが、こればかりは余計なバイアスを与えるわけにはいかないと思う。
俺が一言いえば、それが優の直感を無意識に迷わせるかもしれない。
俺が経験したことなら、言ってやれるが、未知数だ。
それに、この選択で今後が関わってくるかと思うと、余計な言葉はかけれない。
「・・おっさんはどっちがいいと思う?」
・・やっぱり聞いてきたか。
でも、答えないぞ。
「優・・・俺には答えられないよ。
俺の考えが、お前の選択を左右するかと思うと・・重すぎる」
俺は正直に答えた。
「それに、ゲームじゃないからリセットできないしな・・・」
俺がそういうと、少し優が考えてから聞いてきた。
「・・おっさんは、今の上位職をどうやって選んだの?」
「・・・俺は・・・直感だ!!」
強く答えた。
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