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86 優・・レベル上げに行こう!
しおりを挟む話したいことがいっぱいあるが、半日の経過をいろいろと聞いていた。
腹立たしさよりも、不安の方が大きくなってきた。
ご近所さんが、レベル10前後になってきたという。
もう、ワーウルフ討伐もほとんど作業となりつつあるようだ。
後は、それぞれの家族のレベルを効率よく上げることが中心となってきているとか・・。
情報提供者の俺の嫁などは、邪険にされることはないが、積極的に参加させてもらえないような雰囲気を作っているという。
優に至っては、初めはとても持ち上げてくれたが、そのうち学生にもしものことがあったらいけないとかで、ほとんど参加させてくれなくなったみたいだ。
風吹君と一緒に、ゴブリンやロンリーウルフの討伐ばっかりだという。
・・・なるほど・・・
結構しんどい思いをしたな・・・半日なのに・・・。
これからどうするつもりなんだろう・・・。
そんな不安が大きくなる。
俺はもう、今までの社会ルールなんてどうでもいい・・とまではいかないけれど、
人としての最低限のモラルだけは確保された社会でありたいと思っている。
それがあれば、どこで暮らしてもいい。
むしろ、こんな連中がいるような社会からは離れたい。
まぁ、それはそのうち話していければいいだろう。
こちらの報告もしなきゃ。
アニム王に会えたこと。
そして、何をしているのか。
途中の都市部の情報などをいろいろ伝えた。
今の地域の状況とも合わせてみると、驚きの方が強かったようだ。
ただ、颯はゴーレムってテイムできるのかな?なんて、前向きなことを言っていた。
ゴーレム・・・あまり出会いたくはないが・・・。
あ、じいちゃんに魔石とメイスを見せてみよう。
「じいちゃん、これ見てくれる?」
そういって、アイテムボックスからバジリスクの魔石とトロウルのメイスと取り出した。
!!!!
みんなの注目を浴びた。
「「「「何?今の?」」」」
「何にもないところから出たよ」
「テツ・・何それ?」
「おっさん!!それって、チートか!」
あ、そうか・・
アイテムボックスね。
それから転職をして、運び屋になった時に取得できたスキルだと説明した。
一番に飛びついてきたのは、優だった。
「転職って、レベル上がったのかよ、おっさん!!」
俺は答えにくかった・・・
「・・うん・・アニム王に手伝ってもらって・・・経験値を稼がせてもらいました・・」
「うっわ!
ずるいぞ~」
ごもっともです、優さん。
「ずるい~、パパずるい~」
凛・・・、お前、意味わかってないだろ。
颯は・・・ゴーレムのことを考えているな・・・。
嫁はお義母さんと何か話してるし・・興味ないようだ。
ばあちゃんは、ニコニコして孫たちを見ている。
そんな状態の中、じいちゃんが声をかけてきた。
「・・・テツ・・・
これは、ワシには扱えないな・・・
持った瞬間に、何か違うって感じがあるぞ・・・」
・・・・なるほど・・レベル差だな・・。
「そう・・ありがとう、じいちゃん。
まぁ、腐るものじゃないし、俺がまた持ってるよ。
・・・たぶん、じいちゃんのレベルが上がったら扱えるようになると思うから・・」
俺はそういうとアイテムボックスに魔石とメイスをしまった。
またしても、注目を浴びた。
チートや、チート!
消えた空間のところを凛が撫でていた。
優に言わなきゃいけないことがあった。
レベルのことだ。
「優・・・明日の朝にでもレベル上げに行ってみるか?」
優の顔がパッと上がって目が生き生きと輝きだした。
「マジ?
でも・・・あ、そうか!
都市部へ行くんだね」
俺と優はニヤッと笑いあった。
後、この半日の間に、嫁と優はやや暇になってきたので、スーパーエイトに行ってきたみたいだ。
じいちゃんと、ばあちゃん以外、みんなで散歩がてら行ったようだ。
颯もウルフ、スライムと散歩だ。
スーパーエイトは営業できるようになってたみたいで、電力は自家発電で行っているという。
ドラム缶に燃料も結構あるみたいで、1週間くらいは大丈夫みたいだった。
店長さんはレベル6になったという。
優のことを覚えていたらしく、レベルのことも教えてくれたとか・・。
職業もまさしく「商人」で、そのままじゃないか!と、思わず突っ込んだそうだ。
ご近所さんつながりで、みんなレベルが上がり移動範囲も広がって、俺らの家付近を中心に、情報の共有化が広がっていってるみたいだな。
いいことだ。
都市部のような魔物が現れない限り、死ぬことも少なくなるだろう。
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