どうやら異世界ではないらしいが、魔法やレベルがある世界になったようだ

ボケ猫

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78 神の祝福

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アニム王は喜んでくれた。



行動に移る前に、このあたりの魔物の説明をしてくれた。

バジリスクとスフィンクスは相手を石化させるスキル持っている。

どちらも睨まれると動けなくなり、石化が始まるそうだ。

ただ、2秒か3秒ほど静止する時間が必要で、動き回っていれば問題ないという。

石化を解くには魔法かアイテムが必要だが、どちらも今はないそうだ。



アニム王も転移した代償として、スキルがほとんど失われたらしい。

ただ、魔物との戦闘を重ねていくと、スキルが回復してきているという。

ガーゴイルは知っているのでパスして、ワイバーンについて教えてくれた。



ドラゴン並みの巨体で、そのカギ爪と尻尾に毒があるそうだ。

動き事態はそれほど速くないという。

個体差があるが、たまに超音波のような振動波を出すようだ。

それくらいが注意点で、後は力勝負みたいだ。



アニム王は少し疲れてるような感じがした。

「アニム王・・お疲れではないのですか?」

結界を出る前に聞いてみた。

「・・大丈夫だよ、テツ。

ありがとう」

そりゃ、疲れてるなんて言うわけないよな。



さて、この戦闘の前に職業を選択しておこうと思った。

もしかして、レベルの高い魔物なので、得られるものも大きいのかと、ふと思ったからだ。

とりあえず、時間がない。

パッと思ったのは、「運び屋」だ。

・・・アイテムボックス・・・欲しいよな。

アニム王は持っているみたいだったし、絶対あるよな・・

もし、なかったらどうしようかな・・

やっぱ、聞いてみよう。



「‥アニム王・・」

アニム王はいつでも出動できる感じだった。

「ん?・・何かな、テツ?」

「あの、実は・・職を先に転職させておこうと考えているのです」



!!!



アニム王は即座に理解したようだ。

「なるほど・・そうか。

レベル差のある魔物だ。

すぐに上がるよ!」



「・・いえ・・それもあるのですが、職業で運び屋というのがあるのです。

これって、異次元収納というか、アイテムボックスというか、そういうスキルはあるのでしょうか?」

「・・あぁ、当然あるだろうね。

ほら、私も持ってるが、こんな機能だよね」



そういってアニム王が見せてくれた。

何にもない空間に手が入って、物を出し入れしていた。



!!!

「そうです!

その機能です!!」

アニム王は微笑んでいた。



俺は即、転職を決意。

運び屋になった。



職業にタッチして上位職を選択せずに、スクロールするようにみれば、前の職が表示されていた。

「運び屋1」が表示されていた。

固有スキルは全部残っている。

・・ホッ・・。



「テツ・・気になっていたんだが、その刀・・いいものだね」



アニム王はそういうと刀に触れてもいいかと言ってきた。

無論、断る理由もないので、アニム王に手渡した。



アニム王はじっくり見ている。

「・・中級冒険者が持つようなものだね。

これ・・・作ってもらったのかい?」

「はい、私の父が鍛冶屋・・今では錬金術士になりましたが、作ってもらいました。

それでよく見ると☆の印が見えるのですが、1個だけなので、どんな程度かわからないのです。」



そういうと、アニム王は少し驚いたようだった。

「テツ・・君は☆の印が見えるのかい。

じゃあ、鑑定スキルを持っているね。

凄いことだよ。

それに、この付与は修繕・・って感じるね」



アニム王は、今度は俺の方をジッと見てきた。



え?

俺を鑑定してるのか・・

見ないでくれ~!!!

「・・なるほどねぇ・・・」



あれ?

もしかして鑑定されたのか?

「テツ・・君は、神に愛されているね」



え?

神・・ですか?

俺は言葉が出なかった。

いきなりの言葉だったからだ。



「いや、別に驚くことではないのだよ。

結構な数はいるからね。

ただ、ステータスに関係なく、祝福が与えられているんだよ。

その目安が鑑定などのレアスキルなんだ」

アニム王は続ける。

「いろんな場面で生き延びる確率が上がると思うよ」




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