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74 オーガ・・・強ぇぇ・・・。
しおりを挟むあれ?
どれくらいレベル上がったっけ?
見る余裕ないな・・
視線を外すとやられる気がする。
テツのその考えは正しい。
オーガは、オークや空の目障りなガーゴイルを放り投げつけていた。
オークはともかくガーゴイルなどを投げるのは気持ちよかった。
初めは気づかなかったが、投げていると何か違和感を感じ始めた。
死体が消えるのはわかる。
だが、死にそうにないものまで消えている。
よく見えないが、何か動いている。
オーガはある程度暴れ、土埃を舞い上げて、観察していた。
土埃の動き方が違う。
オークやガーゴイルが落ちたときに舞い上がる土埃を、スパッと切るような動きが見える。
それをジッと追っていった。
そしてついに見つけた。
オーガは棍棒を両手で持ち、近づいてくる。
・・逃げれない。
ちくしょう!!
・・いや、もう考えても仕方ない。
切り替えろ!!!
ふぅ・・・。
刀を抜く。
シッ!!!
オーガは反応できていない。
テツの動きがかなり速い。
刀をオーガに当てつつ、切り抜けてみる。
どうやら傷はつけれるようだ。
そのまま速度をゆるめることなく、今度は棍棒めがけて切りつけてみた。
スパッ!!
オーガはやや驚いたようだ。
二つに割れた棍棒を捨てた。
テツの動きを追うが、なかなか追えそうにない。
速いのもあるが、見えにくい。
忍術スキルの恩恵だろう。
オーガは、近くにあった戦車の砲台を持ち、戦車ごとぶん回して放り投げてきた。
投げてくるものが大きいだけに、大きく動かなければいけない。
テツは少しバランスが崩れる。
その動きがオーガにわかるようだ。
オーガは喜んでそこら辺りの戦車や車を投げつけてくる。
テツも、もっと逃げながら対処すればいいのに、と思うのだが、同じような場所で動いている。
テツの周りに、結構な数の車や戦車が集まってきた。
テツの動きが制限される。
戦車などの瓦礫に背中が当たり、少し動きが止まったようだ。
!!
その瞬間をオーガは見逃さなかった。
一気にテツに向かってきた。
このタイミングを計っていた。
テツはバックステップしながらオーガに手のひらを向けた。
「ファイア!」
やや大きな火の塊がオーガと戦車や車の瓦礫のところへ向かっていった。
直後に大きな火の柱が上がると、大爆風が起こった。
ドッゴォォーーーーーーーーーン!!!!
テツは瓦礫の影に隠れたが、一緒に吹き飛ばされた。
50メートルくらは吹き飛ばされただろうか・・
しかし、怪我はしていない。
瓦礫が破片とかを防いでくれたようだ。
・・・結構、頑丈になったな・・
そんなことを思いながら、オーガのいた場所に近づいて行った。
もしこれでダメージを与えれなきゃ、逃げれるだけ逃げよう。
戦車や車の燃料だけじゃなく、砲弾も少しは残っていただろう・・
結構な爆発だったと思うが・・・
・・どうだ?・・
煙が薄らいでくる・・・
影が見えてきた・・・
!!!
オーガが立っていた。
テツはすぐに逃げようとしたが、オーガの左腕がない!
逃げようとしていた身体を一瞬でオーガへの突進に向けた。
そのままオーガに刀を向ける。
オーガはブスブスとした黒い煙を纏いつつ、よく見えていないようだ。
テツはそのままオーガの左わき腹を切った。
刀は普通に通るな・・そう思ったら、その場で足を固定して、思いっきり突きを放った。
オーガは左わき腹の違和感を感じた。
左わき腹を見ようとしたところへ、テツの突きが襲ってきた。
ドドドドド!!!!!!!!
すべての突きが当たった。
さすがにオーガもよろめいていた。
まだダメなのか!!
右腕を狙って刀を一閃!
オーガの右腕が飛ぶ!
オーガが叫んだ。
「ウオォオオオオオオオオ!!!」
テツの身体がビリビリくる。
ワーウルフの咆哮と同じだな。
だが、叫びそうな感じがあったので、耳を塞いでいた。
・・・動ける!
オーガの後ろに回って太腿に向かって突きを繰り出す。
オーガはたまらず膝をついた。
そこへテツが首めがけて刀を振るう。
1度では切り落とせなかったようだ。
引き抜き、もう1度振るう。
オーガの首が落ちた。
はぁ、はぁ、はぁ・・はぁ・・・。
「経験値を獲得しました」
「レベルが上がりました」
「レベルが上がりました」
しばらくして、紫色の魔石が残った。
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