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73 やっぱ魔物って・・・アホなのか?
しおりを挟む・・ん?
あれ、俺の目って・・近眼じゃなくなってる!
回復してるんじゃないか?
そういえば、腰の痛みもないような・・
今更ながら気づいたが、このシステム・・・ありがたい。
おっと、それどころじゃない。
・・・・
さすが自衛官だな。
余計な奇声を上げてないぞ。
・・絶望的だと思うのだが・・・
!!
ありゃ、戦車のハッチを開けてライフルか・・。
余計にダメだろう・・。
・・・そうか・・人が走って来てたのか?
「助けてくれ~!!」
叫びながら走ってくる人が見える。
なるほど・・・
あの人たちを助けようとしてるのか・・
・・・無理だろう・・
俺は、出て行けない。
・・無理だ。
そんなことを考えているうちにオークが戦車を持ち上げた。
それを投げつける。
何体かのオークがそうやって投げたりしている。
ガーゴイルもやってきて、戦車を空中に持ち上げては落としていた。
・・・
なんか、無茶苦茶だな・・。
戦車って、あんなに軽かったか?
オーガが大きな石のような棍棒で戦車を叩きつけていた。
戦車が段ボールみたいな感じがするぞ・・
おっそろしいなぁ・・・。
このままここで居てもどうしようもない。
移動しようと思ったら、何やらオークの投げた車が他のオークの背中に当たった。
当てられたオークは振り向きざま、投げたオークに戦車を投げつけていた。
1体だったのが、2体、4体・・・
まるでオークの雪合戦のような感じになってきた。
投げる車や戦車がなくなってきたら、瓦礫を投げつけ始めた。
ガーゴイルも参加して・・・まるで戦争だな。
・・・・
・・・こいつら・・・アホなんだな、やっぱ・・・。
・・・
オーガがこの辺りではレベルが一番高いが、オークが他のオークを倒すと稀にレベルが上がったりしていた。
・・・なるほど・・・魔物って、こうやってレベルが上がったりするのか。
だったら、魔物の抗争もアリなのかもしれないな。
適当に減ってるし・・。
地響きを感じながら見ていた。
見てるだけってのは、なんかおもしろい感じがする。
ただ、中に入っていたら・・即死だろうな。
・・そりゃ、街が滅ぶわけだよ・・。
それにしても、こいつら・・手加減ってものがないんだな。
・・・全力だ。
・・やっぱ、アホだな。
さて、移動しよう。
動こうとしたら、上からオークが降ってきた。
ドーーーーーーン!
うわぁ!!
もう少しで声を出すところだった。
オークはプルプルしながらも、起き上がろうとしていた。
チャンス!!
俺はオークに突きを連打した。
ドドドドドドド・・・
「経験値を獲得しました」
赤い魔石を回収。
ありがたい。
こんな感じで経験値が手に入るなら、ラッキーすぎるぞ!
・・・・やっぱり、もう少しこの争いを見て行こう。
弱ってる奴等がいたら、いただいてしまおう。
そんな不埒な考えが頭に浮かぶ。
適当に土埃も舞ってるので、見つかりにくいだろう。
そんなチャンスは案外あるもので、ガーゴイルがやや多く倒れていた。
この刀はガーゴイルとは相性がいい。
ガーゴイルが落とされて倒れているところに近づいて、何体かを狩ることができた。
プス、プス、プス、プス・・・・。
やっぱり、軽く刺さるな。
・・結構おいしいぞ!
これはありがたい。
「レベルが上がりました」
!!
マジか・・・早いな・・
まぁ、レベルは俺と同じか、少し高い魔物もいるからな・・・
しかし、ステータスを確認できない。
それほど余裕があるわけではない。
吹き飛んでくるオーク。
落ちてくるガーゴイル。
それにしても多いな・・・
って、あいつか!
オーガ:レベル21。
棍棒を振り回しまくってるな。
そりゃ、ここら一帯の仲間というか、魔物はいなくなるんじゃないか?
それに、初めからレベルの低い魔物はいなかったしな・・・。
低い魔物は郊外にでも行くのかな?
結構な数の魔物をいただき、レベルも上がったことだし、そろそろ行くか。
そう思ったら、身体がゾクリとした。
忍術のスキルだろうか・・・
危険を察知したら感じるのか、本能なのか・・・
目の端で、オーガがジッと立っているを捉えた。
見たくないが見るしかない・・・
そっと、その方向に顔を向けていく。
・・・・
オーガが手にしていたオークをポトリとその場に落とす・・。
至近距離で初めてその姿や顔をみた。
豚ではない。
オークのような感じだと思っていたが、全然違う。
マッチョは間違いない。
牙が生えている・・口からはみ出しているぞ。
小さな角のようなものも見える・・
そこまでだった・・。
オーガがこちらに向かって歩いてくる。
逃げ出すことはできそうにない。
・・・調子に乗り過ぎた・・・
サッサと移動しておけばよかった・・
って、死亡フラグを立ててどうする!!!
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