どうやら異世界ではないらしいが、魔法やレベルがある世界になったようだ

ボケ猫

文字の大きさ
上 下
63 / 426

63 ヒロキ:テツとの遭遇まで24時間前・・・冒険の始まり!

しおりを挟む






「・・ヒロキはん・・マジでっか?」

ユウジはもはや恐怖を通り越して、何やらおかしさが湧いてきた。

「・・ははは・・凄いっすね?

全員っすか・・

凄いっすね・・」

ユウジはその言葉の繰り返しだ。



「ユウジ・・それでな・・生き物を倒すと経験値を獲得しましたって声が聞こえるんだ・・・もう言ってたっけ?」

ユウジは聞いたかどうか忘れていた。

「・・それって、天の声ってやつっすよ。

ほんまに異世界みたいっすね・・

凄いっすよ・・」

ヒロキは生きてるって、こういうことなんだろうと思った。



すぐにこのテンションの高さを戻し、ユウジの方を向いて聞いた。

「ユウジ・・異世界ものとかゲームとかなら、これからどうするんだ?」

ユウジは、ヒロキの切り替えの早さに驚きながらも、

「・・そうっすねぇ・・

まずは仲間でパーティ組んで、それから冒険の始まりっすね」



冒険の始まり!!



ヒロキは腑に落ちるものがあった。

そうだ、これだ!

「・・ユウジ・・お前、いいね!

冒険の始まりか・・

そうだよ。

俺達の冒険が始まるんだよ・・・」



ユウジはモヤモヤした感じが起こっていた。

この人についていっても大丈夫だろうか?

でも、こんなゲームや異世界のようなことが現実に起きている。

ステータス画面なんて、ありえない。

・・・

・・・

やっぱ、異世界みたいな世界になったんだ。

ユウジは、あまり深く考えれそうにない。



「ユウジ・・パーティって・・どうすれば・・」

ヒロキのステータス画面に、パーティを申請しますか?と表示されていた。

ユウジにパーティを申請してみた。

「・・うわぁ・・ヒロキはん、頭ん中に声が聞こえたっすよ!」

そういうとヒロキとパーティを組んだ。



「そういえば、ユウジ・・あいつら・・

下ッパーズの連中、呼んで一緒にパーティを組もうぜ」

下ッパーズ・・ヒロキのチームの仲間で、いわゆるパシリ的な連中だ。

「・・・それなんすけど、さっきから携帯がつながらんのですよ・・」

ユウジがそういうのを見て、ヒロキも自分の携帯を確認してみた。



圏外。



故障してんのかな?

そんなことを考えていたら、ファミレスの電気が消えた。

どうやら停電みたいだ。

すぐに、店員が声をかけてきた。

「店内のお客様。

大変ご迷惑をおかけしております。

すぐに自家発電システムに移行しますので、しばらくお待ち下さい」

そう言い終わる前に、電気が復旧していた。



「きゃあ!!!」

店員が叫び声を上げた。

「て、店長!窓、窓に・・・」

その声に合わせて、ヒロキとユウジ、他の客も窓を見た。

「うわぁ」

「おお・・・」

「おわぁぁ・・」

ほとんどの人がその場に立ち上がり、店の奥へと移動しだした。

窓の外には、狼のような顔の背の高い、全身が毛で覆われた人みたいなものがこちらを見ていた。

ロンリーウルフ、レベル3。



だが、店内の誰一人相手のレベルはわからない。

ヒロキもレベル5、盗賊になっていたが、相手のレベルや名称を知ることはない。



その犬のような大きな生き物は、ガラスに体当たりをしている。

なかなか壊れないようだ。



頑丈なファミレスだな。

ヒロキはそんなことを思っていた。

「・・ヒロキはん・・あれって・・たぶんやけど、魔物っすよ・・」

ユウジがその場で立ち上がりながら口にした。

「・・ああいうやつら倒しながら、レベルアップしていくんすよ」

そう言ってるうちに、ファミレスの自動ドアが開いたようだ。

停電していたのなら、開かなかっただろう。



ドアが開いたのに、閉まる気配がない。

誰もいない・・・



目線を下に落とすと、レジの横を子供くらいの大きさだろうか。

小汚い鼻の大きな生き物が数匹入ってきていた。

手にはナイフを持っている。

店員は、叫んでいた。

「きゃあぁああ!」

その声に反応してゴブリンが襲いかかろうとしていた。



ヒロキ達も自動ドアが開いたときから見ていた。

「・・ゴブリンっすね」

ユウジがそうつぶやきながら、やや緊張する。

「ユウジ・・・あいつらを倒せば、経験値が手に入るんだな?」

ヒロキは聞いた。

「・・ええ、そうっす・・ゲームや異世界なら・・」



そこまで聞くと、ヒロキはそのままゴブリンに向かった。

店員の叫び声が聞こえるが、どうでもいい。

ゴブリンが動こうとしたところにヒロキのナイフが刺さる。

続けざま、隣のゴブリンと次々に刺していく。



ほぼ、一撃で致命傷みたいだった。

戦い慣れているという感じだ。

頭の中では経験値を獲得しましたの連呼だ。



5匹のゴブリンを倒していると、入り口に先ほどの狼の顔をした大きな生き物がいた。

入ってくるようだ。



いきなりヒロキに襲いかかってきた。



ユウジが叫んでいた。

「ヒロキはん、危ない!!」



ヒロキはその声を聞きつつ、それほど速い動きでもないなと思った。



レベル差があるからだ。

だが、それを知るすべはない。

落ち着いて、ロンリーウルフの攻撃をかわし、そのまま胸から首にかけてナイフを切りつけていた。



ヒロキにすれば、簡単に狩れた感じだ。

ゴブリンもそうだが、ロンリーウルフもしばらくして蒸発した。



後には石、魔石が残った。






しおりを挟む
感想 12

あなたにおすすめの小説

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

せっかくのクラス転移だけども、俺はポテトチップスでも食べながらクラスメイトの冒険を見守りたいと思います

霖空
ファンタジー
クラス転移に巻き込まれてしまった主人公。 得た能力は悪くない……いや、むしろ、チートじみたものだった。 しかしながら、それ以上のデメリットもあり……。 傍観者にならざるをえない彼が傍観者するお話です。 基本的に、勇者や、影井くんを見守りつつ、ほのぼの?生活していきます。 が、そのうち、彼自身の物語も始まる予定です。

異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした

高鉢 健太
ファンタジー
 ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。  ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。  もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。  とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!

なんでもアリな異世界は、なんだか楽しそうです!!

日向ぼっこ
ファンタジー
「異世界転生してみないか?」 見覚えのない部屋の中で神を自称する男は話を続ける。 神の暇つぶしに付き合う代わりに異世界チートしてみないか? ってことだよと。 特に悩むこともなくその話を受け入れたクロムは広大な草原の中で目を覚ます。 突如襲い掛かる魔物の群れに対してとっさに突き出した両手より光が輝き、この世界で生き抜くための力を自覚することとなる。 なんでもアリの世界として創造されたこの世界にて、様々な体験をすることとなる。 ・魔物に襲われている女の子との出会い ・勇者との出会い ・魔王との出会い ・他の転生者との出会い ・波長の合う仲間との出会い etc....... チート能力を駆使して異世界生活を楽しむ中、この世界の<異常性>に直面することとなる。 その時クロムは何を想い、何をするのか…… このお話は全てのキッカケとなった創造神の一言から始まることになる……

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

異世界で穴掘ってます!

KeyBow
ファンタジー
修学旅行中のバスにいた筈が、異世界召喚にバスの全員が突如されてしまう。主人公の聡太が得たスキルは穴掘り。外れスキルとされ、屑の外れ者として抹殺されそうになるもしぶとく生き残り、救ってくれた少女と成り上がって行く。不遇といわれるギフトを駆使して日の目を見ようとする物語

処理中です...