どうやら異世界ではないらしいが、魔法やレベルがある世界になったようだ

37 優のレベルアップの時間だ！

魔物が１時間おきに現れてきて、それを倒してレベルを上げてるなど、本当にゲームのようなことをしていると嫁が伝えたみたいだ。

お義母さんも完全には納得していなかったようだが、ステータス画面をみて納得するしかなかったらしい。

レベルは２のようだ。



さて、移動にしても荷物をまとめるのに時間がかかるみたいだな。

どうしようかな・・・

そういえば、この嫁と母。

出かけるのにいつも時間がかかったよなぁ・・。

出発予定を１時間くらい前に言ってても、ダメだったような気がする。

う～ん・・・。



やっぱ、俺が先に帰って優たちを支援しなきゃ。

「梓・・、俺、先に帰って優たちを支援するよ」

「え？」

え？って、何？

「いや、もうすぐ魔物が現れてくるだろうし・・・

颯と凛は連れて行くよ」

そういうと、嫁はやや不安そうに口を開いた。

「・・そう・・・こっちはどうなるの？」

そんなの知るか！

心の声です。



「う～ん・・・何とも言えないが、近所も家が荒らされてないし、家の中で居たら大丈夫じゃないか？

それに嫁のレベル、５になってるだろ。

とにかく、向こうを片づけたらすぐに来るよ」

俺はそういって、颯と凛に声をかけた。

颯はスライムのことで頭いっぱいだ。

凛もスライムが気になるのか、一緒に来るそうだ。

「じゃあ、いったん帰ってくるよ」



俺はそう言って、颯と凛を抱えて走り出した。

俺的にはゆっくりジョギングしてる感じだ。

３０秒位だろうか・・・。

家に到着。



家に入ると、優が外へ行く準備をしていた。

じいちゃんも行くみたいだった。

「ただいま～！」

そういって、颯と凛を下ろした。

「兄ちゃん、見て見て、これ！

スラちゃん」

颯はすぐ優に報告した。

「うわ、スライムだ。

テイムできたのか？」

優も興味があるようだった。

「うん！」

颯は本当にうれしそうだな。

「凛もね、ツンツンしたよ。

ぷにぷにしてて、気持ちいいよ」

凛も報告していた。

「マジで？」

優はそういって、スライムに触れてみた。

「わぁ・・気持ちいいな」

優が触っても文句は言わないんだな、颯よ。



「あ、ばあちゃん。梓はお義母さんのところで今いるから。

こっちがもう少ししたら、また魔物が出てくるでしょ」

ばあちゃんの方を見ながら言った。

「そうかい・・」

それだけをばあちゃんは言った。

「まぁ、こっちを片づけたら、すぐに迎えに行ってくるよ」

そう付け加えた。



もうすぐ１２時が来ようとしていた。

まだ索敵には引っかかってこない。

今回は、じいちゃんには家で居てもらうことにした。

俺と優とで対処する。

ばあちゃんは相変わらず心配してくれるが、レベル的には問題ないだろう。

優が苦戦するのはワーウルフだけだ。

そこで俺は優に提案してみた。



「優・・今回、俺は完全にサポートだけするよ。

危なくなるまで手を出さない。

優一人で、倒せるだけ倒してみな」

「・・・わかった。やってみるよ」

少し考えていたが、優は静かに答えた。

「それに、ワーウルフ・・俺が弱らせるから、止めをしてみたらいいんじゃないかな。たぶん職レベルが上がるぞ」

その言葉に反応した。

「・・俺も、忍者だな」

優はニヤッとした。

盗賊の職レベルは７になっていたようだ。



ばあちゃんもスライムを見て興味があるようだった。

というのは、ゴミでもなんでも食べるはずだから・・と、颯と話していたからだ。

ゴミの問題が解決するな。

ほんとになんでも食べてくれるならな・・・。



午後１２時１０分を過ぎたころ、やっぱり索敵に引っかかってきた。

ロンリーウルフ、レベル３。



優一人で大丈夫だろうか・・。

レベル的には何ら問題ないだろう。

さっきも嫁とかじいちゃんを率いて倒したみたいだし。

優はやる気満々だが・・・。

「優・・・いや、やっぱいいや」

「何？途中で気持ち悪いな・・」

優に叱られた。

「いや、パーティ編成を変えようかと思ったが、変えない方がいいかなって思ったりもして・・・」

「どういうこと？」



少しだけ考えて俺は決断した。

「いや、やっぱり変えよう。

優は単独で動く。

そうすれば、経験値が全部一人に入るだろ」

俺はそう言ってみた。



優はなんか申し訳なさそうな顔をして断ってきた。

「いいよ、今のままで・・・。

みんなで上がらないと・・・」



いい奴だな、お前・・。



「いや、お前が先に強くなってから、後でみんなが上がればいい。

一人でもレベルが高いと、みんなを守りやすいだろ。

均等に上げていってたら、強いのが来た時に、対処できないぞ。

それに今回だけ単独にすればいいから・・・」

俺はそういってみた。

優も納得してくれたようだ。



俺は、戦闘にはなるべく参加しない。

ワーウルフだけはダメージを与えるようにする。

俺のレベルのことはとても言えない。

さて、行くか。