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25 スーパーへの買い出しに出かけたものの・・・
しおりを挟むこれまでの概要を少し簡単に。
突然のステータス画面が現れて、外に出てみればいきなり魔物との戦闘。
昨日までとは全く違った世界になったことを自分に言い聞かせた。
レベルが上がれば強くなることを知ったテツは、家族とともにレベル上げを決意する。
レベル5になれば、職を選べるようだ。
職業の選択は、どうやら生きてきた経験が反映されるらしい。
スキルなども個性バイアスがかなりあるようで、はっきりとしたことはわからない。
何度か戦闘を重ね、家族とともにパーティとして成長し、生産職と回復職を選べる家族が存在する。
早速スキルと使って武器を新調。
それを身に着けて、食料の調達に行こうと決意。
まずはスーパーへ長男の優と向かうのだが・・・
また、同時期に新宿に現れたアニム王の転移や世界情勢など知る由もない。
◇◇◇◇
俺と優は外へ出た。
索敵には今のところ引っかかるものもない。
でも、さっきもほぼ1時間ほどで魔物が出てきてた。
ゲームだとリポップするタイミングだったりするが・・・。
そう思うと、優に話してみた。
「優、さっき外へ出てから1時間くらいが経過している。
俺が初めに出たときも、1時間くらいして同じような魔物が出てきたんだ」
そこまで言ってると優は理解したようだ。
「・・ということは、また同じように出てくるってことだね。
じゃあ、そいつらをやっつけてからスーパーエイトへ行けばいいんじゃない?」
軽く答えてくれた。
家の周りの脅威というか、不穏分子というか、極力排除したいしな。
そんなことを思っていたら、索敵にひっかかった。
優の索敵範囲にはまだ引っかかってないようだ。
「優・・やっぱり魔物が来たようだ。
ロンリーウルフだな・・レベルは3だ・・」
「俺の方にはまだ引っかかってないよ。忍者って・・・チートやな」
もう、言い返す言葉もない。
いや、じいちゃんやばあちゃんの方がすごいぞ・・たぶん。
優も忍び足があるし、レベルが低くても見つかりにくいだろう。
一番初めに引っかかったロンリーウルフへと近づいていく。
俺も優も音はしない。
移動速度もかなり早くなっているようだ。
アッという間にロンリーウルフまで近づいた。
全体的なマップが把握できた。
正面のロンリーウルフの左側に3体、右側に1体。
つまり全部で5体のロンリーウルフがいる。
その後方はゴブリン5匹の単位だ。
全部で5単位の編成だな。
ワーウルフはまだ見えない。
前方のロンリーウルフまで30メートルほどだ。
今度は気づかれていない。
ここで即断した。
「優・・・右の1単位を頼めるか?」
レベル的には問題ないだろう。
武器も刀を持っている。
油断しなければ、優でも大丈夫だろう。
しかし・・心配だな。
だが、杞憂だった。
優は頼られたのが余程うれしかったのか、目を大きくして、力強くサムズアップしてくれた。
「任せてよ、おっさん!」
・・・こんなに大きくなってたのか。
俺が過保護だったんだな。
うぅ・・泣けてきたぞ。
いや、泣くところじゃないな。
歳取ると、涙腺が脆くなるってほんとだな。
さて、俺は目の前の1単位を狩ったらすぐさま左へ移動しようと思った。
優も1単位を片づけたら、すぐに援護に向かうと言って行動を開始した。
まさか、こんなところで、こんなに感動するとは思わなかった。
ロンリーウルフ!ありがとう。
お前を捧げます!
刀を手に取り、移動。
すれ違いざま一閃。
一撃で倒れた。
じいちゃん、凄い切れ味だぞ。
蒸発して石が出るまで待つ時間が長い。
あ、そういえば、優に石を拾って来いって言ってなかったな。
・・・まぁ、いいか。
ロンリーウルフの石を回収してゴブリン5体へ向かって移動。
50メートルほど離れてるが2秒とかかってないだろう。
そのままの移動速度を保って蹂躙。
刀の扱いがうまくなってる感じがする。
忍者の恩恵か?
しかし、ゴブリンを5体倒すにも一瞬だったな。
石が取れるまでの時間が長い。
石を回収してマップ上での左の3単位に向かって移動する。
やはりロンリーウルフへ向かった方がいいだろう。
少し遠回りだが、今の身体能力なら1秒もタイムラグはないはず。
その移動速度のままロンリーウルフを薙ぎ払った。
ロンリーウルフにしてみれば、何が起こったかわからなかったんじゃないか?
やっぱ、石が取れるようになるまでの時間がもったいない感じがする。
そう思っていたら、優がかなりの速度で移動してくる。
そのままゴブリン5体に向かった。
すぐにゴブリンの反応が消えた。
残すところ後2単位だ。
ゴブリンの反応が消えてもしばらく動かないところを見ると、優も石を回収してるようだ。
さすがだ。
やっぱりゲーム的なのは子供の適応早いな。
・・・でも、優が刀でゴブリンを切ってるんだろう?
精神衛生上、大丈夫か?
でも、そういう世界じゃなくなったしな・・・
気にしないようにしよう。
さて、移動するか。
ここで奇妙なことがマップ上でわかった。
左端の1単位のゴブリンの反応が消えていってるのだ。
一気に消えるわけではなく、1匹ずつ消えていってる。
誰か、戦ってるのだろうか。
それしか考えれないが、俺たち以外に、早々に切り替えができた人たちがいるのだろうか。
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