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14 じいちゃん、すごいな!!
しおりを挟むさて、食料を確保しに、スーパーエイトまで行こうかと考えてることを伝えてみた。
「危ないんじゃないかい?」
母さん、心配ばかりしてくれてるな。
ありがとう!
「ばあちゃん、大丈夫だと思うよ。俺も優もそれなりに動けるし・・」
優もすかさず援護射撃してくれる。
「ばあちゃん、大丈夫だよ。
忍び足っていって、相手に気づかれずに移動できるんだよ。
それに気配察知って、相手がどこにいるかわかるから・・」
「な、優と俺だけで行って来るから大丈夫だと思うよ。
危なくなったら、すぐに帰ってくるから」
そういって、やや強制的に承諾を得た。
「それと、ばあちゃん。
早速、俺と優を回復してみてよ」
俺は心配そうな母さんに言ってみた。
「どうやってするんだい?」
ばあちゃんは当然の質問をする。
「・・・わからん・・・だが、ゲームなら相手に手をかざして、治るイメージでヒールとか唱えるといいんだが・・
イメージが大事だから、回復しろって言ってもいいかも・・・
いや、イメージができればいいんだと思うよ・・・」
頭に浮かぶまま口にしてみた。
「ごちゃごちゃ言うね・・わからないよ。
でも、治るイメージを持てばいいんだね」
ばあちゃんはそういうと、優に手をかざしてみた。
するとばあちゃんの手のひらのあたりが緑色にほんのりと光った。
「・・ん、ばあちゃん・・・なんか楽になった気がする」
優が、ばあちゃんに言っていた。
「そうかい。そりゃよかったよ」
俺もしてくれ、母さん。
俺にも同じようにしてもらった。
ステータスで見ていると、すぐにHPが回復した。
自動回復とはえらい違いだ。
「ばあちゃん、ありがとう。一気に元気になったよ」
マジだ。
そういうと、ばあちゃんはご機嫌になったようだ。
「頭の中で経験値を獲得しましたって、聞こえたよ」
ばあちゃんが俺の方を見ながら言った。
「マジですか・・それって、いいな。
回復すればするほど経験値が稼げるってことだろ」
思わずそう口走ってしまった。
でも、実際そうだしな。
「何にせよ、役に立てて良かったよ」
母さんは、表情にはあまり出さなかったが、とてもうれしそうだった。
もしかして、回復系の職って、レベル上がりまくりじゃないのかな?
凛がブーブー言ってるのが聞こえる。
「・・・凛も・・凛も・・」
いやいや、凛、お前・・疲れてないだろ。
そうだ!
じいちゃんにも聞いてみよう。
早速、なんか作れるかな。
「じいちゃん・・なんか作れそう?」
これは唐突だったか・・・。
「・・・わからんな・・・何を作っていいか・・・イメージがわからないな」
そうか・・イメージ誘導してやれば作れるのかも・・。
「じゃあ、刀みたいなのを作ってみてよ」
じいちゃんが俺の方をみて、
「どうやって作るんだ?」
そうだ。
どうやって作るんだ?
・・・いろんなスキルや魔法・・イメージだよな・・。
だったら、刀をイメージして、なんか素材を打ってればいいんじゃないか?
そう思うと、道具箱を取りに玄関横の倉庫まで取りに行った。
ついでに家庭菜園用の金属の棒を3本持ってきた。
「じいちゃん・・・俺もよくわからんけど、この棒を金づちかなんかで、刀をイメージしながらたたき続ければいいんじゃないかな・・・
これでダメだったらまた考えようと思う」
思ったまま言ってみた。
じいちゃんは横の居間に移動した。
ちょっと見てから行こう。
棒を並べて金づちを振り下ろそうとした。
「あ・・このままじゃ、畳が傷む・・」
そりゃそうだ。
棒を乗せる台が必要だ。
要らない机と1畳用のじゅうたんを倉庫から持ってきた。
たたみの上にじゅうたんを敷き、その上に机を乗せた。
机も高さ40センチくらいだろうか、作業するには座る椅子もいるんじゃないか。
そう思ってたら、またじいちゃんが倉庫まで行って椅子を持ってきた。
なかなか始まらないな・・。
ようやく作業ができそうな雰囲気だ。
でも、ほんとにこれで刀みたいなのが作れるのか?
ただの金属の棒と、金づちだけだぞ。
お、始まった。
じいちゃんが金づちを振り下ろす。
キーン・・カーン・・。
いい音するじゃないか。
みるみる棒が変形していく。
みんなが声を上げた。
「おお・・。
じいちゃんすごいな」
「うん、じいちゃんすごいね」
「かっこいいな・・じいちゃん」
みんな勝手に口走っていた。
なんかじいちゃん、気合が入ってきたみたいだぞ。
キーン、キン、キーン・・・!!
・・・・・
・・・
金づちを止めて、先ほどまで棒だったものを見せてくれる。
わおお!!
パチパチパチパチ・・・。
自然とみんなから拍手が出た。
凄いな、じいちゃん。
形は刀になってるぞ!!
さて、切れるのかな?
新聞を持ってきてもらった。
刃の部分を上にして新聞を落としてみる。
刀にかぶさった。
「・・・・・・・」
ま、当然といえば当然か。
どっかの妖刀みたく紙が切れるわけもないだろうし・・・。
でも、新聞を引っ張ったら軽く切れた。
「じいちゃん、凄いな」
俺は思わずつぶやいた。
凄い技術だ!
「うん、じいちゃんすごい」
優も同じ意見だ。
その他も、じいちゃんかっこいい、凄いの喝さいが降り注いだ。
じいちゃん、70歳を超えて絶賛されてるな。
この世界は、年寄りにも理想なのか?
じいちゃんのモチベーションが上昇したのは間違いないな。
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