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33話
しおりを挟む「ありがとう綾乃。……でもさ、どうしよっか?私あんまり伝わってないからさ、綾乃のせいでまた不安な思いしたんだけど」
さぁ、どうする?どうすると言っても私のしたいように事を進めるけど。綾乃は困ったような顔をした。
「うん。それはごめんねナギちゃん。私、ナギちゃんがしてほしい事何でもする。何でもやるから言ってくれれば…」
「だからさぁ……そうじゃないんだけど…!」
「んっ!ごめんなさい!ごめんなさいナギちゃん!!」
髪を鷲掴んで顔をベッドに押し付けてやれば酷く泣き出した綾乃に興奮する。ねぇ、なんでそんなに弱いの?すぐ泣いて謝って、マジで可愛いなぁ……。もっと私に媚びてよ綾乃。疼くくらい興奮するからさぁ。
「ねぇ、どうする綾乃?」
「な、何でもする!ナギちゃんの言う事何でも聞くから許してナギちゃん……!」
「私じゃなくて綾乃はどうすればいいと思う?ちゃんと考えてよ?怒るよ?」
「う、うん!考える!考えるから……!」
泣いている綾乃は恐怖を感じているのに私の言う事に忠実で愛らしい。おまえは私だけ考えて一生懸命になってるのがお似合いだよ。そうしてる綾乃が一番可愛いくて愛らしいよ。
「考えた?」
少し黙ってから尋ねると綾乃は泣きながら答えた。
「うん……。考えた……」
「じゃあ、教えて?」
「……今まで以上に、ちゃんと、ナギちゃんに……気持ちを伝える……。ナギちゃんにちゃんと伝わるように、沢山好きって言って、行動でも……伝える」
「ふーん。じゃあ、今までと対して変わんないじゃん。私はその程度なんだね綾乃」
髪を引っ張って顔を寄せれば綾乃は必死に否定した。
「ち、違う!違うよ?!ナギちゃんは私の中で一番だもん!そんなんじゃないよ?」
「じゃあ、ちゃんと考えてよ?私が好きなんでしょ?私が一番ならちゃんと考えられるでしょ?」
「う、うん……。でも、でも…………」
涙を溢し続ける綾乃にぞくぞくする。困ってんだね綾乃?私が今まで誘導してたからできないんだよね?
……それじゃあ、やる事は一つだよね?できるよね散々躾たんだから。早く可愛くやってみて?
私は優しく聞いてやった。
「泣いてたら分かんないよ綾乃?でもなんなの?」
「ナギちゃんの事考えてると、ナギちゃんの気持ちを一番優先したいから……私じゃなくてナギちゃんの考えてる事、したい……。私、ナギちゃんがしたい事とかナギちゃんが喜ぶ事だけしたい。ナギちゃんがしたい事も喜ぶ事も私は一緒だから。私はナギちゃんと全部一緒だから……だから、ナギちゃんがしてほしい事とか、頑張ってやるから、教えてほしい……。一生懸命、頑張るから…」
「そっか。綾乃は教えてほしいんだ?」
「うん……。私、ナギちゃんの言う事、何でも聞くし、何でもやりたい……」
ちゃんと無様にすがれた綾乃に私の心が満たされていく。あぁ、気持ちいい……。よくできたね綾乃?綾乃は犬だから私と一緒だもんね。今日は本当によく犬として行動できたじゃん。飼い主としてこんなに嬉しい事はない。
「じゃあ、もっとキスしたり好きって言ったりできる?」
引っ張っていた髪から手を離して綾乃の頬を優しく撫でながら尋ねる。私の機嫌が取れたご褒美に命令してあげる。綾乃はしっかり頷いた。
「うん。できるよ」
「じゃあ、私の言う事ちゃんと聞ける?綾乃がそう言うなら教えてあげないとだし」
「うん!聞けるよ?ちゃんとナギちゃんの言う事聞く。絶対逆らわない」
「そっ。じゃあ、不安だったけど許してあげる。約束破っちゃダメだよ綾乃?」
「うん。破らないよ。許してくれてありがとうナギちゃん」
虐げていたのにお礼を言う綾乃に愛しさを感じる。バカだね本当に。そのバカなとこがたまんないけど。
「ううん。私こそごめんね綾乃?こっちおいで?」
「うん」
寄ってきた綾乃を抱き締めれば綾乃も抱き付いてくる。私は愛しい綾乃の頭を撫でてやった。
「さっきはごめんね?痛かった?」
「ううん。大丈夫だよ」
「ふふ……綾乃こっち向いて?」
「うん……」
嬉しそうに私を見つめる綾乃に笑ってキスをする。舌を絡めれば綾乃からも舌を絡めてくる。さっきまで泣いていたくせに綾乃は気持ち良さそうに声を漏らしながら強く抱き付いてきた。
「大好きだよナギちゃん……。愛してるよ」
「うん。私もだよ」
「嬉しい。もっとキスしてもいい?」
「ん?いいよ」
嬉しそうにキスをしてくる綾乃は私のために頑張っているのが伝わってきてにやけてしまいそうになる。今日は綾乃のおかげで興奮しちゃったからもっと遊んでやろう。夢中でキスをしている綾乃の背中を撫でながら私は綾乃の中に指を入れた。さっきまでしていたら綾乃は入れただけで気持ち良さそうによがった。
「あぁっ、ナギちゃん……なか……」
「いっぱいしたいって言ってたじゃん。いっぱいしながら私に気持ち伝えて綾乃?」
「う、うん……。分かった……」
「ふふふ。可愛い綾乃。大好きだよ」
「わ、私も……んっぁ、好き……大好き」
腰を自ら動かす綾乃はさっきの事なんか忘れたみたいに快楽を求めだした。だけどさっきよりも何度も何度も好きだと言ってくる綾乃が可愛らしくて私は命令をしながら楽しんだ。
私がやれと言えば素直に従う綾乃は玩具そのもので愉しくて仕方なかった。何を言っても受け入れる綾乃はもう完成していた。
それからは私の欲求が満たされる毎日だった。
私のために必死になる綾乃を脅せばすぐに泣いて顔を歪める。そして私の言う事を何でも聞いてやってしまう。
綾乃はもう考えられていなかった。全部言いなりでそれが正しい事だと思っているようで私に完全に依存してコントロールされている。私が笑うと綾乃も嬉しそうに笑うし、綾乃は私に愛情を向けるのが生き甲斐のように愛情を示してくる。
そんな綾乃を見ていると今まで以上に興奮した。
可愛くて可愛くてたまらない。
すぐに泣く綾乃に興奮して酷く虐めてしまう。
それでもすがる綾乃がたまんなく好きだから。
綾乃の受験が終わってからは夏休みのように時間が合えばずっとしていた。
虐げて泣かせてもてあそんで……。
高校を卒業するまで続けたその関係は卒業してからはもっと濃いものになった。
「ナギちゃん!会いたかったよ…」
「うん。私も」
綾乃の家に着いてからすぐに抱き付いてキスをしてきて綾乃に答える。綾乃は難関大学に合格してから大学近くのマンションで一人暮らしを始めた。そこはもう私と綾乃の遊び場でもある。
「大好きだよナギちゃん」
「うん。私も好きだよ?」
「うん。嬉しい。ナギちゃん今日泊まっていってくれる?バイト大丈夫だった?」
「うん。大丈夫だよ」
綾乃の腰を引きながら部屋に入ればもう玩具が何個か出ていて一人でやっていたのが窺える。私は笑いながらベッドに座った。
「今日は何で遊んでたの?」
「今日はバイブでやってたけどナギちゃん来るからローター入れて我慢してた…」
「今も入れっぱなし?」
「う、うん」
「もう……。でも、我慢して偉いね綾乃」
イクのを我慢してたんだろう。頭を撫でれば綾乃は嬉しそうな期待の籠った眼差しを向ける。今日も可愛らしく求め続けるんだろうなぁ。
「じゃあ、服脱いで?下着はそのままでいいから。ローター入れたままやってあげる」
「うん……!」
喜ぶ綾乃はすぐに服を脱ぐ。私は笑いながらそれを眺めていた。今日はどうしてやろうか。
「綾乃?今日はなにしよっか?」
私は綾乃に首輪をつけながら訊いた。下着姿の綾乃は首輪をつけた途端私の服を掴んでねだる。
「ナギちゃん……私、今日も玩具で遊びたい……」
「玩具?こないだもうやだって言ってたじゃん」
「でも、気持ちいいからしたい…」
自分の欲求に従う綾乃に笑ってしまう。昔はこんなんじゃなかったのに、今じゃ私に求めて離れないようになった。これも全部私がした事だけど綾乃の性欲を目の当たりにすると本当に楽しくて楽しくてたまらない。
「じゃあ、どれで遊びたい?」
私は綾乃に使っているアダルトグッズを出して見せた。バイブやディルド、目隠しから手錠まで綾乃を私のものにするために揃えた玩具は腐るほどある。綾乃は嬉しそうに見るもすぐに選んだ。
「ナギちゃんこれがいい」
綾乃が選んだのは気に入っている太い男性器の形をしたディルドだった。黒光りしているそれはよく作られていてグロテスクだが綾乃はこれが大好きだ。
「これだけでいいの?」
性に貪欲になってしまった綾乃に笑って尋ねると綾乃は照れながら答えた。
「あと、あと…今日は目隠しして、動けないようにしてほしい。それで、……いじめてほしい…」
「また?綾乃本当に犯されてる感じのシチュエーション好きだね。この変態」
綾乃の首輪についているリードを引きながらディルドで頬を軽く叩くと綾乃は熱っぽい眼差しで口を開く。
「確かに好きだけど、ナギちゃんが気持ちよくするからだよ?……私、ナギちゃん以外とはできないもん……」
「本当?言い寄られたらしちゃうんじゃないの?綾乃好みの啓太みたいな男とかに言われたら…」
綾乃の以前好きだったやつを思いだしてほくそ笑みながら試すように囁くと綾乃はすぐに否定した。
「しないよ。私の好みはナギちゃんだもん。男の人はやだし、興味なんかないよ」
「ふーん。そっか」
もう私にしか目が無くなってしまった綾乃は私にすがるように抱きついてキスをすると色っぽい顔をする。
「本当だよナギちゃん」
「うん。信じてるよ綾乃の事は。綾乃は私のだもん」
優しく笑いながら心では嘲笑っていた。あぁ、最高だ。色気も何もなくて地味だった綾乃は一年でこんなにも変わった。性を醸し出して、私に服従するように好意を示して私以外は考えもしなくなった。昔は黒かった髪も染めて綺麗にメイクをする私好みのいやらしくて可愛らしい女になった綾乃は嬉しそうな顔をする。
「うん。私はナギちゃんの親友で恋人だから嘘なんか言わないよ。ナギちゃんが大好きだもん」
「ふふふ。そうだね」
私は完全に私のものになった綾乃を抱き締めながら髪を撫でた。
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どうもありがとうございます。
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更新はコツコツやっていきますのでちょっとお待ちを~。
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