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お見舞い 3
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「ワシは構わん。早く曽孫が見たいから、何なら保証人欄書いてもいいぞ」
直哉さんも、祖父の言葉に驚きを隠せない様だ。
「入籍する時、本籍地以外の場所で出すなら書類もその役場と本籍地とで必要になるんだろう?
もう、こっちで籍だけ入れて帰りなさい」
いやいや、印鑑持って帰ってないし。てか、何故祖父がここまで私の結婚を急ぐのか…。
「出来れば五十嵐の戸籍に入ってくれたら、ワシも安心してあの世に行ける」
祖父の一言で、直哉さんは笑顔になる。
「僕は構いませんが、婿養子として両親には話をしておりませんので、少しお時間頂けますか?」
そう言って直哉さんは病室を後にした。まさか、ご両親に電話で了承を得るつもり?
「あの子は本当に里美にべた惚れなんだな……。婿養子なんて普通嫌がるのに、あの笑顔。……いい子を見つけたな」
祖父は病室の入口を見つめながら、ポツリと呟いた。
婿養子は冗談だと笑いながら言う祖父を、呆れた表情で見つめる私。
少しして直哉さんが病室に戻り、ご両親に了承を得たと、私達に報告した。
私は先程の祖父の発言は冗談だと伝えるも、本人は既にその気になったらしく、「五十嵐直哉って響き、いいだろう?」と言い出す始末。
それを聞いた祖父が破顔したのは言うまでもなく……。
私も、メールで祖父も納得してくれて、直哉さんが五十嵐姓を名乗る気でいる事を伝えた。(祖父が今日にでも入籍を勧めている事は流石に伝えなかった)
結婚話がトントン拍子に進んで、もう本人同士の会話だけではなく、両家の両親も交えて一気に決めようと言う事になり……。
お互いの両親、私達の都合を調整して、近く再度こちらへ帰省する事となったものの、私一人、相変わらずみんなのテンポについて行けずにキャパオーバーしている。
確かに好きな人と一緒になれる喜びはある。でも、展開が余りに早過ぎて、ついて行けない。
……もう、既にマリッジブルー状態だ。
しばらく病室で祖父の話に付き合い、病室を出たのは十一時少し前。
今回の帰省の目的を果たし肩の荷は降りたものの、外堀を用意周到に埋められている感が否めない。
直哉さんもだけど、まさか祖父まで私の結婚にまで話を進めて行くとは思っても見なかった。
荷物を持って病院を出ると、ジリジリと焼け付く日射しとまとわりつく暑さで一気に汗が吹き出してくる。
「なあ、里美。バス止めてタクシー使おうか」
直哉さんも暑さにやられたらしく、私も素直に頷くと、病院入口付近にあるタクシー会社直通の電話で一台配車手配をした。
しばらくしてタクシーがやって来た。
羽田行きの飛行機は十四時2二十分発。まだ時間は十分ある。
直哉さんは道後にあるホテル名を告げた。
そこは、屋上露天風呂がある所で、ランチ付きで日帰り温泉を楽しむ事が出来るそうだ。
ランチ付きだから入浴はのんびり出来ないかもだけど、折角だから温泉を楽しもうと提案された。
ホテルのフロントで、日帰り入浴プランの申し込みをして、レストランへ案内された。
朝、ロクに食べる事が出来なかっただけに、美味しい食事を五感で堪能し、心身共に満たされた。
昨日からの緊張もやっと解け、温泉に浸かるため、最上階へと向かう。
エレベーターの中で、直哉さんが呟いた。
「俺さ、松山に住んでたくせに、道後温泉って入った事ないんだよな」
地元民あるあるだ。
そんな私も、子供の頃から松山には夏休みに遊びに来ていたクセに、道後温泉に入浴目的で来た事がない。
私もそう告げると、やっぱそうだよなとお互いが納得してウンウンと頷く。
最上階に到着すると、十三時にここでと約束を交わし、男湯と女湯に分かれてお互いが入浴する。
最上階の露天風呂は、やはり気持ちがいい。
金土日の夕方から、露天バラ風呂があるそうで次に来る機会があれば、是非それも入ってみたい。
のんびりと露天風呂に浸かりながら松山市内を高台のホテルの屋上と言う最高の立地から見下ろす形で堪能する。
時間さえあれば、この後エステとかも体験したい所だけど、残念ながら飛行機の便は変更不可だ。
露天風呂を満喫して後にすると、脱衣所で着替えを済ませ、洗って濡れた髪の毛をドライヤーで乾かした。
八割くらい乾かした所でドライヤーを止め、日焼け止めを肌が露出する腕や首回りにもしっかりと塗って、改めて化粧をする。
本当なら、食後の入浴で癒されて、眠れるのなら眠りたい所だけれど、そうも行かない。
身支度を整えてロビーに出ると、直哉さんはスマホにイヤフォンを付けて動画でも見ているのだろうか。
私が出て来たのに気付いていない様子だ。
そんな横顔を見ていたかったけど、待たせてしまった罪悪感から、そっと近付き声をかけた。
「待たせてしまってごめんなさい」
私の声に気付いて直哉さんはイヤフォンを外した。
「いや、大丈夫。露天風呂どうだった?」
スマホの画面を閉じてイヤフォンと一緒にバッグの中に片付けながら、ペットボトルのお茶を差し出してくれる。
気遣いに感謝してそれをありがたく受け取ると、エレベーターへ向かう。
「もう見晴らしが良くて、また来たいって思っちゃった。
金曜日から日曜日の夜限定で、あの露天風呂はバラ風呂になるんだって。贅沢な気分になるだろうね」
珍しく私がはしゃいだ声をあげているのを見逃さない直哉さん。
「次にお互いの両親との顔合わせで帰省する時は、ここに泊まろう」
「え? いいの?」
「気に入ったんだろ? 里美が喜んでくれるなら、問題ない」
何とも甘やかされているものだ。私が頷くと、直哉さんも嬉しそうな顔になる。
エレベーターを降りてフロントにタクシーを一台手配して貰う間に、先程貰ったお茶を飲む。
温泉でかいた汗の分、きちんと水分を補給する。多分このまま空港へ向かうのだろう。
向こうに帰ったら、私は、直哉さんに抱かれる……。
そう考えると、急に胸が熱くなり、またまた汗が吹き出して来た。
「やっぱり温泉は冬の方がいいか?」
汗を拭う私を優しく包み込む直哉さんの言葉に、私は首を横に振る。
「一緒だったら、いつでもいい……」
恥ずかしくて、俯きながら小声での返事になってしまったけれど、直哉さんは聞き逃さない。
「うん、わかった。次はここ、予約しような」
そうこうしていると、手配して貰ったタクシーが到着したので、後部座席に乗り込み、一路松山空港へ向かった。
直哉さんも、祖父の言葉に驚きを隠せない様だ。
「入籍する時、本籍地以外の場所で出すなら書類もその役場と本籍地とで必要になるんだろう?
もう、こっちで籍だけ入れて帰りなさい」
いやいや、印鑑持って帰ってないし。てか、何故祖父がここまで私の結婚を急ぐのか…。
「出来れば五十嵐の戸籍に入ってくれたら、ワシも安心してあの世に行ける」
祖父の一言で、直哉さんは笑顔になる。
「僕は構いませんが、婿養子として両親には話をしておりませんので、少しお時間頂けますか?」
そう言って直哉さんは病室を後にした。まさか、ご両親に電話で了承を得るつもり?
「あの子は本当に里美にべた惚れなんだな……。婿養子なんて普通嫌がるのに、あの笑顔。……いい子を見つけたな」
祖父は病室の入口を見つめながら、ポツリと呟いた。
婿養子は冗談だと笑いながら言う祖父を、呆れた表情で見つめる私。
少しして直哉さんが病室に戻り、ご両親に了承を得たと、私達に報告した。
私は先程の祖父の発言は冗談だと伝えるも、本人は既にその気になったらしく、「五十嵐直哉って響き、いいだろう?」と言い出す始末。
それを聞いた祖父が破顔したのは言うまでもなく……。
私も、メールで祖父も納得してくれて、直哉さんが五十嵐姓を名乗る気でいる事を伝えた。(祖父が今日にでも入籍を勧めている事は流石に伝えなかった)
結婚話がトントン拍子に進んで、もう本人同士の会話だけではなく、両家の両親も交えて一気に決めようと言う事になり……。
お互いの両親、私達の都合を調整して、近く再度こちらへ帰省する事となったものの、私一人、相変わらずみんなのテンポについて行けずにキャパオーバーしている。
確かに好きな人と一緒になれる喜びはある。でも、展開が余りに早過ぎて、ついて行けない。
……もう、既にマリッジブルー状態だ。
しばらく病室で祖父の話に付き合い、病室を出たのは十一時少し前。
今回の帰省の目的を果たし肩の荷は降りたものの、外堀を用意周到に埋められている感が否めない。
直哉さんもだけど、まさか祖父まで私の結婚にまで話を進めて行くとは思っても見なかった。
荷物を持って病院を出ると、ジリジリと焼け付く日射しとまとわりつく暑さで一気に汗が吹き出してくる。
「なあ、里美。バス止めてタクシー使おうか」
直哉さんも暑さにやられたらしく、私も素直に頷くと、病院入口付近にあるタクシー会社直通の電話で一台配車手配をした。
しばらくしてタクシーがやって来た。
羽田行きの飛行機は十四時2二十分発。まだ時間は十分ある。
直哉さんは道後にあるホテル名を告げた。
そこは、屋上露天風呂がある所で、ランチ付きで日帰り温泉を楽しむ事が出来るそうだ。
ランチ付きだから入浴はのんびり出来ないかもだけど、折角だから温泉を楽しもうと提案された。
ホテルのフロントで、日帰り入浴プランの申し込みをして、レストランへ案内された。
朝、ロクに食べる事が出来なかっただけに、美味しい食事を五感で堪能し、心身共に満たされた。
昨日からの緊張もやっと解け、温泉に浸かるため、最上階へと向かう。
エレベーターの中で、直哉さんが呟いた。
「俺さ、松山に住んでたくせに、道後温泉って入った事ないんだよな」
地元民あるあるだ。
そんな私も、子供の頃から松山には夏休みに遊びに来ていたクセに、道後温泉に入浴目的で来た事がない。
私もそう告げると、やっぱそうだよなとお互いが納得してウンウンと頷く。
最上階に到着すると、十三時にここでと約束を交わし、男湯と女湯に分かれてお互いが入浴する。
最上階の露天風呂は、やはり気持ちがいい。
金土日の夕方から、露天バラ風呂があるそうで次に来る機会があれば、是非それも入ってみたい。
のんびりと露天風呂に浸かりながら松山市内を高台のホテルの屋上と言う最高の立地から見下ろす形で堪能する。
時間さえあれば、この後エステとかも体験したい所だけど、残念ながら飛行機の便は変更不可だ。
露天風呂を満喫して後にすると、脱衣所で着替えを済ませ、洗って濡れた髪の毛をドライヤーで乾かした。
八割くらい乾かした所でドライヤーを止め、日焼け止めを肌が露出する腕や首回りにもしっかりと塗って、改めて化粧をする。
本当なら、食後の入浴で癒されて、眠れるのなら眠りたい所だけれど、そうも行かない。
身支度を整えてロビーに出ると、直哉さんはスマホにイヤフォンを付けて動画でも見ているのだろうか。
私が出て来たのに気付いていない様子だ。
そんな横顔を見ていたかったけど、待たせてしまった罪悪感から、そっと近付き声をかけた。
「待たせてしまってごめんなさい」
私の声に気付いて直哉さんはイヤフォンを外した。
「いや、大丈夫。露天風呂どうだった?」
スマホの画面を閉じてイヤフォンと一緒にバッグの中に片付けながら、ペットボトルのお茶を差し出してくれる。
気遣いに感謝してそれをありがたく受け取ると、エレベーターへ向かう。
「もう見晴らしが良くて、また来たいって思っちゃった。
金曜日から日曜日の夜限定で、あの露天風呂はバラ風呂になるんだって。贅沢な気分になるだろうね」
珍しく私がはしゃいだ声をあげているのを見逃さない直哉さん。
「次にお互いの両親との顔合わせで帰省する時は、ここに泊まろう」
「え? いいの?」
「気に入ったんだろ? 里美が喜んでくれるなら、問題ない」
何とも甘やかされているものだ。私が頷くと、直哉さんも嬉しそうな顔になる。
エレベーターを降りてフロントにタクシーを一台手配して貰う間に、先程貰ったお茶を飲む。
温泉でかいた汗の分、きちんと水分を補給する。多分このまま空港へ向かうのだろう。
向こうに帰ったら、私は、直哉さんに抱かれる……。
そう考えると、急に胸が熱くなり、またまた汗が吹き出して来た。
「やっぱり温泉は冬の方がいいか?」
汗を拭う私を優しく包み込む直哉さんの言葉に、私は首を横に振る。
「一緒だったら、いつでもいい……」
恥ずかしくて、俯きながら小声での返事になってしまったけれど、直哉さんは聞き逃さない。
「うん、わかった。次はここ、予約しような」
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