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ご対面 3
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流石百貨店だけあり、品揃えが豊富である。
がしかし、高級なブランドの服は見るだけで袖を通す気にはなれない。
色んなショップでお互いが、ああでもないこうでもないと言い合いながら、一緒に洋服を選ぶのはとても楽しくて、時間があっという間に過ぎてしまう。
そして、最終的に二人が納得して選んだ洋服は、Aラインで膝丈の、シンプルな淡いブルーのワンピースだった。
でも裾はアシンメトリーで、動くととても可愛いデザインだ。
ノースリーブだったので、手持ちのベージュのボレロやカーディガン、シャツ等羽織れば露出も低くて、着回しも出来る。値段も、丁度バーゲンの時期と言う事もあり、手頃だ。これはもう、即決で購入するしかない。
そう思っていたら、何と直哉さんが買ってくれた。
「これからは、俺好みにカスタマイズするから先ずはこれ。
里美の好みも何となく分かったし、またプレゼントさせてくれよ?」
びっくりして言葉が出て来なかった。これは素直にありがとうでいいのだろうか。
「これは十二年分のプレゼント第一弾だと思ってて。気にする事はないから」
いや、それは逆に気にしてしまうんですが……。
それを伝えても、直哉さんは頑として受け付けてくれない。
「それなら、向こうに帰ったら、うちにお泊りして夕飯と朝飯作って」
何気にグイグイと来る人だ。私は返事に困ってしまい俯くと、直哉さんは焦って言い繕う。
「無理させたい訳じゃないんだけど……。
ご両親にも挨拶して、一緒に暮らす許可貰ったから、出来るだけ早く一緒に暮らしたいんだ」
直哉さんの気持ちはわかるけど、展開が余りにも早過ぎて、私の気持ちがついて行かない。
「俺は十二年前の後悔があるから、もう、里美の事に関しては遠慮しない。
やっと捕まえたんだ。片時も離れたくないんだ。俺のワガママだって言うのは分かってるけど、俺を、里美の傍に居させてくれないか?」
そんな風に言われると、断れる筈がない。
「きっと外見の事や、内向的な性格も、俺のせいでこうなったんだろう……?
昔の里美に戻るなら、自信を取り戻せるなら、耳にタコが出来る位、毎日何度でも好きだって言うから。
里美は、本当に可愛いから」
直哉さんの言葉が、私の心の中のしこりを少しずつ解していく。
ねえ、本当に愛されてるって思っていい? こんなに甘やかされて、直哉さんなしでは居られなくなってもいい……?
その後一度ホテルに戻り、先程買って貰ったワンピースに着替えて、直哉さんのご両親からの連絡を待つ事にした。
時間より少し早く連絡があり、ホテルの近くにあるレストランにいるから一緒に食事をしようと誘われて、二人で向かう。
レストランですんなりと席に案内され、改めてご両親とご対面だ。
この時の私は緊張しすぎていて、何を喋ったか正直言って覚えていない。
ただ、この場も直哉さん主導で何とか和やかに過ごしたのは覚えている。
そしてやはり、同棲する事もご両親に宣言し、私の祖父の了承を得たら、日を改めて帰省する事を伝えて、ご両親も喜んでくれていた。
大学時代一緒に住んでいたお兄さんは、現在県立高校の教員として東予地区に住んでいるけど、私達の急な帰省の為、部活の指導があり松山に帰れなかったそうだ。
取りあえずは歓迎ムードだった事に一安心だ。後は明日の祖父次第だろう。
ご両親と別れ再びホテルに戻り、交代でシャワーを浴びて、やっと一息入れた所で、直哉さんが私の髪の毛に触れた。
「……髪の毛、乾かさなくていいのか?」
先にシャワーを使わせて貰ったので、タオルドライだけの状態だった。
「熱風でまた汗を掻くと嫌なので、この時期はいつもタオルドライだけなんです」
「髪の毛、傷まないか?」
「特に気にした事はないけど……」
「あっ! それ! もう敬語なしで話をしないか?」
言われてみれば、まだ私は直哉さんに敬語使いだ。
「……うん、努力しま、じゃなかった。努力する」
そう言うと、直哉さんも満足した様だ。そして自身の荷物の中からドライヤーを取り出して、私の髪の毛を乾かし始めた。
「え? ちょっと、直哉さん?」
「やらせてくれよ、里美の髪の毛乾かすの、ずっとやりたかったんだ」
ドライヤーの音で、何を言っているかなかなか聞き取れないのでついつい声が大きくなる。
直哉さんはご機嫌で、鼻歌交じりで私の髪の毛を乾かしている。
何が楽しいのかさっぱりわからないけど、ご機嫌なので、一先ず良しとしよう。
自分では、結構雑に乾かしていたけれど、直哉さんはとても丁寧にドライヤーをかけてくれた。
ブラシで梳かしてくれる手付きは、ぎこちないながらも、絡まった毛先をを無理に梳かしたりはせず、私に痛みを感じさせない様に優しくブラッシングしてくれている。
髪を乾かして貰い、身の回りの世話をして貰った事を改めて自覚すると、思わず照れが出てしまう。
直哉さんはそんな事はお構いなしでベッドの上に座り、壁にもたれると、私に手招きをする。
荷物を角に寄せて、直哉さんの前に向かい合わせで座ると、ふわりと抱き寄せられた。
「今日はありがとう。明日、向こうに帰ったらお泊りだからな。今日は一日一緒に過ごして、少しは慣れてくれた?」
直哉さんの声が耳に直接響くのは、身体が密着しているから。ついでに直哉さんの鼓動まで一緒に聞こえる。
「全然慣れないよ……。みんな直哉さんを見てるし、こっちでも女の子の私を見る視線が怖いし」
そう、今日一日一緒に過ごして、直哉さんを見つめる女性の眼差しと、その後私を見て明らかに不釣り合いだと言わんばかりの蔑んだ視線を感じ、肩身が狭かった。
直哉さん自身、気付いていないのだろうか。
直哉さんは軽く溜息を吐く。
「……里美、外野の目線なんて気にしなくていいよ。
言っただろ? 俺はありのままの里美が好きだよ」
直哉さんの言葉は、まるで魔法の呪文の様だ。
荒くれた私の心の中をすっきりとさせる。まるで北風と太陽の童話の太陽の様な……。
私は頷いて、私を抱き締めている直哉さんの背中に腕を回し、抱き締めた。
一気にお互いの心拍数が上がっていくのがわかる。
うん、この鼓動を信じよう。
私は、聞こえるか聞こえないかくらいの声で呟いた。
「好き……」
途端、私を抱き締める直哉さんの腕の力が入り、その広い胸の中に閉じ込められる。
「俺も、里美が好きだよ」
この日は直哉さんの宣言通り、キス以上の事は何もされず、ただ私を抱き締めたまま狭いシングルベッドで眠りに就いた。
がしかし、高級なブランドの服は見るだけで袖を通す気にはなれない。
色んなショップでお互いが、ああでもないこうでもないと言い合いながら、一緒に洋服を選ぶのはとても楽しくて、時間があっという間に過ぎてしまう。
そして、最終的に二人が納得して選んだ洋服は、Aラインで膝丈の、シンプルな淡いブルーのワンピースだった。
でも裾はアシンメトリーで、動くととても可愛いデザインだ。
ノースリーブだったので、手持ちのベージュのボレロやカーディガン、シャツ等羽織れば露出も低くて、着回しも出来る。値段も、丁度バーゲンの時期と言う事もあり、手頃だ。これはもう、即決で購入するしかない。
そう思っていたら、何と直哉さんが買ってくれた。
「これからは、俺好みにカスタマイズするから先ずはこれ。
里美の好みも何となく分かったし、またプレゼントさせてくれよ?」
びっくりして言葉が出て来なかった。これは素直にありがとうでいいのだろうか。
「これは十二年分のプレゼント第一弾だと思ってて。気にする事はないから」
いや、それは逆に気にしてしまうんですが……。
それを伝えても、直哉さんは頑として受け付けてくれない。
「それなら、向こうに帰ったら、うちにお泊りして夕飯と朝飯作って」
何気にグイグイと来る人だ。私は返事に困ってしまい俯くと、直哉さんは焦って言い繕う。
「無理させたい訳じゃないんだけど……。
ご両親にも挨拶して、一緒に暮らす許可貰ったから、出来るだけ早く一緒に暮らしたいんだ」
直哉さんの気持ちはわかるけど、展開が余りにも早過ぎて、私の気持ちがついて行かない。
「俺は十二年前の後悔があるから、もう、里美の事に関しては遠慮しない。
やっと捕まえたんだ。片時も離れたくないんだ。俺のワガママだって言うのは分かってるけど、俺を、里美の傍に居させてくれないか?」
そんな風に言われると、断れる筈がない。
「きっと外見の事や、内向的な性格も、俺のせいでこうなったんだろう……?
昔の里美に戻るなら、自信を取り戻せるなら、耳にタコが出来る位、毎日何度でも好きだって言うから。
里美は、本当に可愛いから」
直哉さんの言葉が、私の心の中のしこりを少しずつ解していく。
ねえ、本当に愛されてるって思っていい? こんなに甘やかされて、直哉さんなしでは居られなくなってもいい……?
その後一度ホテルに戻り、先程買って貰ったワンピースに着替えて、直哉さんのご両親からの連絡を待つ事にした。
時間より少し早く連絡があり、ホテルの近くにあるレストランにいるから一緒に食事をしようと誘われて、二人で向かう。
レストランですんなりと席に案内され、改めてご両親とご対面だ。
この時の私は緊張しすぎていて、何を喋ったか正直言って覚えていない。
ただ、この場も直哉さん主導で何とか和やかに過ごしたのは覚えている。
そしてやはり、同棲する事もご両親に宣言し、私の祖父の了承を得たら、日を改めて帰省する事を伝えて、ご両親も喜んでくれていた。
大学時代一緒に住んでいたお兄さんは、現在県立高校の教員として東予地区に住んでいるけど、私達の急な帰省の為、部活の指導があり松山に帰れなかったそうだ。
取りあえずは歓迎ムードだった事に一安心だ。後は明日の祖父次第だろう。
ご両親と別れ再びホテルに戻り、交代でシャワーを浴びて、やっと一息入れた所で、直哉さんが私の髪の毛に触れた。
「……髪の毛、乾かさなくていいのか?」
先にシャワーを使わせて貰ったので、タオルドライだけの状態だった。
「熱風でまた汗を掻くと嫌なので、この時期はいつもタオルドライだけなんです」
「髪の毛、傷まないか?」
「特に気にした事はないけど……」
「あっ! それ! もう敬語なしで話をしないか?」
言われてみれば、まだ私は直哉さんに敬語使いだ。
「……うん、努力しま、じゃなかった。努力する」
そう言うと、直哉さんも満足した様だ。そして自身の荷物の中からドライヤーを取り出して、私の髪の毛を乾かし始めた。
「え? ちょっと、直哉さん?」
「やらせてくれよ、里美の髪の毛乾かすの、ずっとやりたかったんだ」
ドライヤーの音で、何を言っているかなかなか聞き取れないのでついつい声が大きくなる。
直哉さんはご機嫌で、鼻歌交じりで私の髪の毛を乾かしている。
何が楽しいのかさっぱりわからないけど、ご機嫌なので、一先ず良しとしよう。
自分では、結構雑に乾かしていたけれど、直哉さんはとても丁寧にドライヤーをかけてくれた。
ブラシで梳かしてくれる手付きは、ぎこちないながらも、絡まった毛先をを無理に梳かしたりはせず、私に痛みを感じさせない様に優しくブラッシングしてくれている。
髪を乾かして貰い、身の回りの世話をして貰った事を改めて自覚すると、思わず照れが出てしまう。
直哉さんはそんな事はお構いなしでベッドの上に座り、壁にもたれると、私に手招きをする。
荷物を角に寄せて、直哉さんの前に向かい合わせで座ると、ふわりと抱き寄せられた。
「今日はありがとう。明日、向こうに帰ったらお泊りだからな。今日は一日一緒に過ごして、少しは慣れてくれた?」
直哉さんの声が耳に直接響くのは、身体が密着しているから。ついでに直哉さんの鼓動まで一緒に聞こえる。
「全然慣れないよ……。みんな直哉さんを見てるし、こっちでも女の子の私を見る視線が怖いし」
そう、今日一日一緒に過ごして、直哉さんを見つめる女性の眼差しと、その後私を見て明らかに不釣り合いだと言わんばかりの蔑んだ視線を感じ、肩身が狭かった。
直哉さん自身、気付いていないのだろうか。
直哉さんは軽く溜息を吐く。
「……里美、外野の目線なんて気にしなくていいよ。
言っただろ? 俺はありのままの里美が好きだよ」
直哉さんの言葉は、まるで魔法の呪文の様だ。
荒くれた私の心の中をすっきりとさせる。まるで北風と太陽の童話の太陽の様な……。
私は頷いて、私を抱き締めている直哉さんの背中に腕を回し、抱き締めた。
一気にお互いの心拍数が上がっていくのがわかる。
うん、この鼓動を信じよう。
私は、聞こえるか聞こえないかくらいの声で呟いた。
「好き……」
途端、私を抱き締める直哉さんの腕の力が入り、その広い胸の中に閉じ込められる。
「俺も、里美が好きだよ」
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