46 / 53
帰宅 1
しおりを挟む
松山発の飛行機は定刻通りのフライトで、羽田空港に到着した。
昨日からの気疲れもあり、飛行機の中で少し眠ってしまったけれど、そのおかげで到着した時には頭がスッキリしている。
そして羽田から公共機関を乗り継いで、ようやく帰宅するも、明日の荷物を纏めて直哉さんの部屋へ向かう事に。
自分の部屋に入り、取り敢えず洗濯物だけは荷物から取り出して洗濯機の中に放り込む。
一人分の洗濯なので、いつもはある程度溜まってから洗濯をするのだが、今投入した物で洗濯をしないといけない量になってしまった。
直哉さんも部屋に戻って片付けをするとの事だったので、私も洗濯をしてから行くと連絡し、洗濯機を回しながらお泊まりの準備を進める。
下着、どうしよう……。色気のあるセクシーな物なんて、ないんだけど……。
下着を収納している引き出しを開けて、しばし悩む。
……こう言う時って、それだけの為に下着を用意するものなの?
特にショーツなんて、濡れてしまったら次の日に履くなんて嫌だしなぁ。
かと言って、おりものシート貼り付けておくなんて出来ないし……。
念の為、2セット用意した。『その時』用には私が持っている中で、一番お気に入りの、ラベンダーカラーでレースも沢山使われている物を。
翌日仕事の時に着用する、服の下に着ても色が透けないベージュの可愛くない物と。
アウターに響かない様に、汗取り用のキャミソールとストッキング、通勤用の服にそれから……。
用意していると、松山に帰省した以上の荷物になって行く。
でも、どうせ近々引っ越しするなら持って行ける物は持って行こうかな。
向かいのマンションだから、業者さんに頼まなくてもある程度は自分で運べそうだ。
家電製品は、今日直哉さんの部屋の中をチェックして、要らない物はリサイクルショップに引き取って貰えばいいか。
そんな事を考えながら、荷作りをして行く。
洗濯機の洗濯終了を知らせるアラームが鳴るまで、部屋に掃除機をかけたり窓ガラスを拭いたりと、掃除に励んでいたら、スマホからメッセージ受信のアラームが鳴った。
『夕飯、コンビニ弁当で悪いけど用意してます』
夕飯を作ってと言われていたのに、わざわざお弁当を用意してくれた直哉さんの気遣いに感謝の言葉を返信すると、またすぐに返信が届く。
『早くおいで』
洗濯物を干してから行くと返信して、掃除道具を片付けた。
玄関に荷物を運び終えると、脱水が終わり洗濯終了のアラームが聞こえたので、洗面所へ向かい、洗濯物を取り出した。
窓際の陽の当たる場所のカーテンレールに、洗い終えた洋服を掛けたハンガーを引っ掛けて、つっかえ棒を棚と壁の間に渡している所に、ハンガーに引っ掛けたタオルや下着を干した。
洗濯かごを洗面所に戻すと、荷物を持って部屋を後にした。
……いよいよだ。
緊張して、表情が強張っているのは自覚している。どうか、直哉さんに嫌われませんように……。
深呼吸をして気持ちを落ち着かせると、直哉さんの待つ向かいのマンションへ向かった。
オートロックのマンションなので、直哉さんから部屋番号と暗証番号を教えて貰い、それを入力してマンション内に入った。
エントランスの奥にあるエレベーターに乗って、直哉さんの部屋のある7階ボタンを押す。
エレベーターが動いている間に改めて深呼吸をする。ドキドキが止まらない。
こんな状態で、私は大丈夫なのかな。女の子の初めてって、凄く痛いって聞くし。
行為自体も、AVなんて観た事もないし、テレビドラマや映画を観る程度の知識しかない。
どうすればいいかなんてわからないし、ましてや上手く出来る自信なんてない。
どうしよう……。
不安なまま、エレベーターは七階に到着した。
直哉さんの部屋は七〇三号、エレベーターを降りて一番奥だ。
ドアの前に立ち、もう一度だけ深呼吸して覚悟を決めると、インターフォンを押した。
中から直哉さんの声と足音が聞こえ、ドアがすぐに開かれた。
「下のオートロック、無事に解除出来た?」
直哉さんの問いに、頷く私。
「ちゃんと自分で解除出来たよ。あと、お弁当ありがとう。晩ごはん作る約束だったのにごめんね。
明日の朝ごはんは食材あるの? ないなら、荷物置いて買いに行ってくるよ?」
照れ隠しで、少し饒舌になる。
そんな私の事をお見通しな直哉さんは、優しい笑顔で迎え入れてくれる。
昨日からの気疲れもあり、飛行機の中で少し眠ってしまったけれど、そのおかげで到着した時には頭がスッキリしている。
そして羽田から公共機関を乗り継いで、ようやく帰宅するも、明日の荷物を纏めて直哉さんの部屋へ向かう事に。
自分の部屋に入り、取り敢えず洗濯物だけは荷物から取り出して洗濯機の中に放り込む。
一人分の洗濯なので、いつもはある程度溜まってから洗濯をするのだが、今投入した物で洗濯をしないといけない量になってしまった。
直哉さんも部屋に戻って片付けをするとの事だったので、私も洗濯をしてから行くと連絡し、洗濯機を回しながらお泊まりの準備を進める。
下着、どうしよう……。色気のあるセクシーな物なんて、ないんだけど……。
下着を収納している引き出しを開けて、しばし悩む。
……こう言う時って、それだけの為に下着を用意するものなの?
特にショーツなんて、濡れてしまったら次の日に履くなんて嫌だしなぁ。
かと言って、おりものシート貼り付けておくなんて出来ないし……。
念の為、2セット用意した。『その時』用には私が持っている中で、一番お気に入りの、ラベンダーカラーでレースも沢山使われている物を。
翌日仕事の時に着用する、服の下に着ても色が透けないベージュの可愛くない物と。
アウターに響かない様に、汗取り用のキャミソールとストッキング、通勤用の服にそれから……。
用意していると、松山に帰省した以上の荷物になって行く。
でも、どうせ近々引っ越しするなら持って行ける物は持って行こうかな。
向かいのマンションだから、業者さんに頼まなくてもある程度は自分で運べそうだ。
家電製品は、今日直哉さんの部屋の中をチェックして、要らない物はリサイクルショップに引き取って貰えばいいか。
そんな事を考えながら、荷作りをして行く。
洗濯機の洗濯終了を知らせるアラームが鳴るまで、部屋に掃除機をかけたり窓ガラスを拭いたりと、掃除に励んでいたら、スマホからメッセージ受信のアラームが鳴った。
『夕飯、コンビニ弁当で悪いけど用意してます』
夕飯を作ってと言われていたのに、わざわざお弁当を用意してくれた直哉さんの気遣いに感謝の言葉を返信すると、またすぐに返信が届く。
『早くおいで』
洗濯物を干してから行くと返信して、掃除道具を片付けた。
玄関に荷物を運び終えると、脱水が終わり洗濯終了のアラームが聞こえたので、洗面所へ向かい、洗濯物を取り出した。
窓際の陽の当たる場所のカーテンレールに、洗い終えた洋服を掛けたハンガーを引っ掛けて、つっかえ棒を棚と壁の間に渡している所に、ハンガーに引っ掛けたタオルや下着を干した。
洗濯かごを洗面所に戻すと、荷物を持って部屋を後にした。
……いよいよだ。
緊張して、表情が強張っているのは自覚している。どうか、直哉さんに嫌われませんように……。
深呼吸をして気持ちを落ち着かせると、直哉さんの待つ向かいのマンションへ向かった。
オートロックのマンションなので、直哉さんから部屋番号と暗証番号を教えて貰い、それを入力してマンション内に入った。
エントランスの奥にあるエレベーターに乗って、直哉さんの部屋のある7階ボタンを押す。
エレベーターが動いている間に改めて深呼吸をする。ドキドキが止まらない。
こんな状態で、私は大丈夫なのかな。女の子の初めてって、凄く痛いって聞くし。
行為自体も、AVなんて観た事もないし、テレビドラマや映画を観る程度の知識しかない。
どうすればいいかなんてわからないし、ましてや上手く出来る自信なんてない。
どうしよう……。
不安なまま、エレベーターは七階に到着した。
直哉さんの部屋は七〇三号、エレベーターを降りて一番奥だ。
ドアの前に立ち、もう一度だけ深呼吸して覚悟を決めると、インターフォンを押した。
中から直哉さんの声と足音が聞こえ、ドアがすぐに開かれた。
「下のオートロック、無事に解除出来た?」
直哉さんの問いに、頷く私。
「ちゃんと自分で解除出来たよ。あと、お弁当ありがとう。晩ごはん作る約束だったのにごめんね。
明日の朝ごはんは食材あるの? ないなら、荷物置いて買いに行ってくるよ?」
照れ隠しで、少し饒舌になる。
そんな私の事をお見通しな直哉さんは、優しい笑顔で迎え入れてくれる。
1
お気に入りに追加
483
あなたにおすすめの小説
ウブな政略妻は、ケダモノ御曹司の執愛に堕とされる
Adria
恋愛
旧題:紳士だと思っていた初恋の人は私への恋心を拗らせた執着系ドSなケダモノでした
ある日、父から持ちかけられた政略結婚の相手は、学生時代からずっと好きだった初恋の人だった。
でも彼は来る縁談の全てを断っている。初恋を実らせたい私は副社長である彼の秘書として働くことを決めた。けれど、何の進展もない日々が過ぎていく。だが、ある日会社に忘れ物をして、それを取りに会社に戻ったことから私たちの関係は急速に変わっていった。
彼を知れば知るほどに、彼が私への恋心を拗らせていることを知って戸惑う反面嬉しさもあり、私への執着を隠さない彼のペースに翻弄されていく……。
思い出さなければ良かったのに
田沢みん
恋愛
「お前の29歳の誕生日には絶対に帰って来るから」そう言い残して3年後、彼は私の誕生日に帰って来た。
大事なことを忘れたまま。
*本編完結済。不定期で番外編を更新中です。
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
隠れ御曹司の手加減なしの独占溺愛
冬野まゆ
恋愛
老舗ホテルのブライダル部門で、チーフとして働く二十七歳の香奈恵。ある日、仕事でピンチに陥った彼女は、一日だけ恋人のフリをするという条件で、有能な年上の部下・雅之に助けてもらう。ところが約束の日、香奈恵の前に現れたのは普段の冴えない彼とは似ても似つかない、甘く色気のある極上イケメン! 突如本性を露わにした彼は、なんと自分の両親の前で香奈恵にプロポーズした挙句、あれよあれよと結婚前提の恋人になってしまい――!? 「誰よりも大事にするから、俺と結婚してくれ」恋に不慣れな不器用OLと身分を隠したハイスペック御曹司の、問答無用な下克上ラブ!
隠れドS上司をうっかり襲ったら、独占愛で縛られました
加地アヤメ
恋愛
商品企画部で働く三十歳の春陽は、周囲の怒涛の結婚ラッシュに財布と心を痛める日々。結婚相手どころか何年も恋人すらいない自分は、このまま一生独り身かも――と盛大に凹んでいたある日、酔った勢いでクールな上司・千木良を押し倒してしまった!? 幸か不幸か何も覚えていない春陽に、全てなかったことにしてくれた千木良。だけど、不意打ちのように甘やかしてくる彼の思わせぶりな言動に、どうしようもなく心と体が疼いてしまい……。「どうやら私は、かなり独占欲が強い、嫉妬深い男のようだよ」クールな隠れドS上司をうっかりその気にさせてしまったアラサー女子の、甘すぎる受難!

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
あいにくですが、エリート御曹司の蜜愛はお断りいたします。
汐埼ゆたか
恋愛
旧題:あいにくですが、エリート御曹司の蜜愛はお受けいたしかねます。
※現在公開の後半部分は、書籍化前のサイト連載版となっております。
書籍とは設定が異なる部分がありますので、あらかじめご了承ください。
―――――――――――――――――――
ひょんなことから旅行中の学生くんと知り合ったわたし。全然そんなつもりじゃなかったのに、なぜだか一夜を共に……。
傷心中の年下を喰っちゃうなんていい大人のすることじゃない。せめてもの罪滅ぼしと、三日間限定で家に置いてあげた。
―――なのに!
その正体は、ななな、なんと!グループ親会社の役員!しかも御曹司だと!?
恋を諦めたアラサーモブ子と、あふれる愛を注ぎたくて堪らない年下御曹司の溺愛攻防戦☆
「馬鹿だと思うよ自分でも。―――それでもあなたが欲しいんだ」
*・゚♡★♡゚・*:.。奨励賞ありがとうございます 。.:*・゚♡★♡゚・*
▶Attention
※この物語はフィクションです。登場する人物・団体・名称等は架空であり、実在のものとは関係ありません。
ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます
沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる