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あの日の約束 5*
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幸成は翠の背中に手を回し、ブラジャーのホックを外すと、かろうじで片方だけ胸元に引っかかっていたカップ部分をずらし、その柔肌に触れた。日に当たらない場所だけあり、肌は白く、触れると幸成の汗ばんだ手のひらに吸い付くように収まっている。
「痩せたから、胸もだいぶ小さくなっちゃった……おまけに垂れちゃうし、お腹や太ももも皮もたるんじゃってて、なんか恥ずかしいよ……」
翠は恥ずかしそうに身を捩じらせるも、幸成はそれを許さない。
「じゃあ、また肉がつけば元に戻るかな。これから俺の手作りスイーツを毎日食べて、ここを育てないと。身体つきも毎日チェックしようかな」
幸成はそう言って、翠の乳房を両手で掴むと、やわやわと揉み始めた。指の間に突起部分を挟むものだから、刺激で思わず声が出てしまう。
「あっ……」
幸成の手の動きに、翠はそれまで我慢していた声が漏れた。その声は、さっきと同様に今まで自分が発したことのないものだ。翠は自分でも聞いたことのない声に恥ずかしくなるけれど、幸成はその声を聞きたいがために、翠の身体の至るところに触れていく。翠の身体の全てを慈しむようにキスをすると、その度に翠の身体は大なり小なり跳ね上がり、艶めいた声を上げた。
急激に体重を落としたせいで、結婚式の日に再会時、鶏がらみたいだと幸成が例えた翠の身体は十年前に比べたら見る影もなく痩せ細っていた。先ほど翠が口にしたように、太っていた頃の名残りで全体の皮膚が少したるんでいる。運動をしながらの食事制限だったから、まだそこまでひどくはないけれど、やっぱりお腹の皮は、ちょっと人には見られたくない。相手が幸成だから尚更だ。こう思う翠の乙女心を幸成も少なからずは理解していても、そんなことを気にする翠を丸ごと包み込むだけの度量はあると自負している。
こうして素肌を曝け出して恥ずかしがる翠を、幸成はとても愛おしく思った。
幸成の優しい愛撫は、ガチガチに緊張していた翠の警戒心を徐々に解かしていく。その証拠に、言葉では照れもあって抵抗していても、身体は次第と幸成に触れられるたびに順応している。そして時々、幸成の指の動きに腰も動いている。きっと翠は無自覚だ。今ここでそのことを口にすると、きっと恥ずかしがって理性を取り戻すに違いない。幸成はそのことを言葉にせず、翠への愛撫に集中した。
幸成の愛撫の手が下半身に伸びて、ストッキングを破らないように、慎重に、丁寧に脱がされた。次いでスカートにも手が伸び、ウエスト部分のボタンとファスナーを外されると、足元まで引き下ろされた。翠にはもう、ショーツしか身に纏っているものがない。
幸成は改めて翠の全身を見つめると、生唾を飲み込んだ。十年間、ずっと好きだった人が、こうして自分の目の前で横たわっている。煽情的な翠の姿に、潤んだ瞳で幸成のことを見つめるさまを目の当たりにして、ギリギリまで張りつめていた理性の糸が切れそうだ。幸成はただ、翠の初めてが痛くないように、最悪な黒歴史にならないように、精一杯の愛情をかけて優しく触れた。
ショーツのクロッチ部分は翠の蜜ですでに潤んでいる。これ以上下着が濡れないようにそっと右足から脱がせると、翠の大切な場所が露わになった。翠は両足をくっつけて足が開かないように最後の悪あがきをしている。幸成はそんな翠をかわいいと思いながらもそろそろ自分の理性の限界を感じている。
(早く翠と一つになりたい)
焦る気持ちを抑えながらそっと太腿に触れると、翠の身体が硬直した。きっとこれから先の行為への恐怖があるのだろう。女性の初めては痛みを伴うとよく耳にする。できることなら痛みなんて感じて欲しくない。翠の初めてが『よかった』と思って貰いたい、ただそれだけだ。
「スイ、力抜いて。……俺が相手なんだから、怖くなんかないだろう? 痛かったら引っ掻いても叩いても噛みついてもいいから」
幸成はそう言うと、改めて太腿に触れた手とは反対の手で翠の頬に触れた。幸成の言葉とそのてのひらの感触に、翠はそれまでの緊張がふと解けた。自分だけが緊張しているわけではないと理解したのだ。頬に触れたてのひらは、手汗で濡れていた。パティシエは、焼き菓子の上に繊細な細工を施す腕が命だ。その手がここまで手汗で濡れているのは、緊張しているからこそだ。
「幸成も緊張してるの……?」
「痩せたから、胸もだいぶ小さくなっちゃった……おまけに垂れちゃうし、お腹や太ももも皮もたるんじゃってて、なんか恥ずかしいよ……」
翠は恥ずかしそうに身を捩じらせるも、幸成はそれを許さない。
「じゃあ、また肉がつけば元に戻るかな。これから俺の手作りスイーツを毎日食べて、ここを育てないと。身体つきも毎日チェックしようかな」
幸成はそう言って、翠の乳房を両手で掴むと、やわやわと揉み始めた。指の間に突起部分を挟むものだから、刺激で思わず声が出てしまう。
「あっ……」
幸成の手の動きに、翠はそれまで我慢していた声が漏れた。その声は、さっきと同様に今まで自分が発したことのないものだ。翠は自分でも聞いたことのない声に恥ずかしくなるけれど、幸成はその声を聞きたいがために、翠の身体の至るところに触れていく。翠の身体の全てを慈しむようにキスをすると、その度に翠の身体は大なり小なり跳ね上がり、艶めいた声を上げた。
急激に体重を落としたせいで、結婚式の日に再会時、鶏がらみたいだと幸成が例えた翠の身体は十年前に比べたら見る影もなく痩せ細っていた。先ほど翠が口にしたように、太っていた頃の名残りで全体の皮膚が少したるんでいる。運動をしながらの食事制限だったから、まだそこまでひどくはないけれど、やっぱりお腹の皮は、ちょっと人には見られたくない。相手が幸成だから尚更だ。こう思う翠の乙女心を幸成も少なからずは理解していても、そんなことを気にする翠を丸ごと包み込むだけの度量はあると自負している。
こうして素肌を曝け出して恥ずかしがる翠を、幸成はとても愛おしく思った。
幸成の優しい愛撫は、ガチガチに緊張していた翠の警戒心を徐々に解かしていく。その証拠に、言葉では照れもあって抵抗していても、身体は次第と幸成に触れられるたびに順応している。そして時々、幸成の指の動きに腰も動いている。きっと翠は無自覚だ。今ここでそのことを口にすると、きっと恥ずかしがって理性を取り戻すに違いない。幸成はそのことを言葉にせず、翠への愛撫に集中した。
幸成の愛撫の手が下半身に伸びて、ストッキングを破らないように、慎重に、丁寧に脱がされた。次いでスカートにも手が伸び、ウエスト部分のボタンとファスナーを外されると、足元まで引き下ろされた。翠にはもう、ショーツしか身に纏っているものがない。
幸成は改めて翠の全身を見つめると、生唾を飲み込んだ。十年間、ずっと好きだった人が、こうして自分の目の前で横たわっている。煽情的な翠の姿に、潤んだ瞳で幸成のことを見つめるさまを目の当たりにして、ギリギリまで張りつめていた理性の糸が切れそうだ。幸成はただ、翠の初めてが痛くないように、最悪な黒歴史にならないように、精一杯の愛情をかけて優しく触れた。
ショーツのクロッチ部分は翠の蜜ですでに潤んでいる。これ以上下着が濡れないようにそっと右足から脱がせると、翠の大切な場所が露わになった。翠は両足をくっつけて足が開かないように最後の悪あがきをしている。幸成はそんな翠をかわいいと思いながらもそろそろ自分の理性の限界を感じている。
(早く翠と一つになりたい)
焦る気持ちを抑えながらそっと太腿に触れると、翠の身体が硬直した。きっとこれから先の行為への恐怖があるのだろう。女性の初めては痛みを伴うとよく耳にする。できることなら痛みなんて感じて欲しくない。翠の初めてが『よかった』と思って貰いたい、ただそれだけだ。
「スイ、力抜いて。……俺が相手なんだから、怖くなんかないだろう? 痛かったら引っ掻いても叩いても噛みついてもいいから」
幸成はそう言うと、改めて太腿に触れた手とは反対の手で翠の頬に触れた。幸成の言葉とそのてのひらの感触に、翠はそれまでの緊張がふと解けた。自分だけが緊張しているわけではないと理解したのだ。頬に触れたてのひらは、手汗で濡れていた。パティシエは、焼き菓子の上に繊細な細工を施す腕が命だ。その手がここまで手汗で濡れているのは、緊張しているからこそだ。
「幸成も緊張してるの……?」
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