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第三章
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「真冬に悪い虫が付かないように、真冬の一番近くにいる人間のそばで見守っていた。今だから言えるけど、瑠璃を含め、当時噂になっていた女の子たちとは付き合っていなかったよ」
そんなことを言われて、はいそうですかと信じられるはずがない。
「そんな……、信じられないよ。大学に入ってからも、私が親しくなった女の子と……」
私の言葉に、玲央は即座に言葉を重ねた。
「うん。だからそれも、真冬に彼氏ができないよう見張ってもらうために言い寄っていた。中には、本気で俺と付き合おうって言ってきた子もいたから、その時点でその子とは切れたけど、基本的に俺はだれとも付き合っていたつもりはない」
そんなこと……
私は信じられない思いで、首をずっと横に振っていた。
言葉なんて出てこない。
あんなに陰キャに徹していた私のどこが、玲央の心を掴んだのか……
「出会った頃から、ずっと『自分』っていうものをしっかり持っている、ブレない真冬のことが好きだった。だから就活で、俺の手の届かないところに行ってしまうんじゃないかって、気が気じゃなくて、親父の会社のバイトを紹介したんだ。本命の会社に内定もらったって聞いて、最後の賭けだった。もしこれで、そっちを蹴ってうちに来てくれたなら、絶対に真冬を手に入れるって心に決めて。真冬に認めてもらえるよう、仕事を死ぬ気で頑張った」
玲央の言葉が心に沁みる。
ちゃんと私のことを見ていてくれた。そのことに心を打たれた。
決して私のことを見てくれない、私のことを付き合う彼女の引き立て役にしている悪い男だとずっと思っていた。
そう思わないと、私の心は壊れてしまいそうだった。
玲央のことが好きだと認めてしまうのが怖かった。
自分の予想していなかったことを次々とカミングアウトしていく玲央に、私はパニックを起こしそうだ。
そんな私に玲央は、信じられないかもしれないけれどと前置きをして、爆弾発言をした。
「出張の時、思わぬハプニングで一夜を共に過ごすことになったけど、俺、真冬以外にあんなことしたことないから」
あんなこととは、一夜の過ちだと思っていたあの出来事のことだろう。
思い出しただけで、私の顔が一気に熱くなる。
「真冬にとって、俺は『最低な男』のイメージしかないかもしれない。あの夜、気持ちを伝えず先に身体を繋げてしまったことは、本当に申し訳なく思っている。本当にごめん。でも、俺はいい加減な気持ちで真冬のことを抱いたんじゃない」
玲央はそう言うと、私の手を握った。そうしてその手を自分の胸に押し当てる。玲央の心拍が、直に私のてのひらへと伝わってくる。
その鼓動は、恐ろしいくらいに速い。私の鼓動と変わらないくらいのスピードで脈打っている。
「……お……こ……、す……よ」
私も玲央のことが好きだよと呟いたつもりが、声が上擦って上手く言葉にならない。
玲央はそんな私に優しく微笑んだ。
「真冬、俺のことどう思ってる?」
その言葉を聞いて、私の眼から涙がこぼれ落ちる。
「玲央……、私も学生の頃から、ずっと好きだよ」
私の言葉を聞いた途端、玲央は私の腕を強く引っ張った。そしてあっという間に私は玲央によって抱きしめられていた。
「やっと……、やっと捕まえた」
私たちはしばらくの間こうしてお互いの存在を、お互いの体温を確かめ合った。
そんなことを言われて、はいそうですかと信じられるはずがない。
「そんな……、信じられないよ。大学に入ってからも、私が親しくなった女の子と……」
私の言葉に、玲央は即座に言葉を重ねた。
「うん。だからそれも、真冬に彼氏ができないよう見張ってもらうために言い寄っていた。中には、本気で俺と付き合おうって言ってきた子もいたから、その時点でその子とは切れたけど、基本的に俺はだれとも付き合っていたつもりはない」
そんなこと……
私は信じられない思いで、首をずっと横に振っていた。
言葉なんて出てこない。
あんなに陰キャに徹していた私のどこが、玲央の心を掴んだのか……
「出会った頃から、ずっと『自分』っていうものをしっかり持っている、ブレない真冬のことが好きだった。だから就活で、俺の手の届かないところに行ってしまうんじゃないかって、気が気じゃなくて、親父の会社のバイトを紹介したんだ。本命の会社に内定もらったって聞いて、最後の賭けだった。もしこれで、そっちを蹴ってうちに来てくれたなら、絶対に真冬を手に入れるって心に決めて。真冬に認めてもらえるよう、仕事を死ぬ気で頑張った」
玲央の言葉が心に沁みる。
ちゃんと私のことを見ていてくれた。そのことに心を打たれた。
決して私のことを見てくれない、私のことを付き合う彼女の引き立て役にしている悪い男だとずっと思っていた。
そう思わないと、私の心は壊れてしまいそうだった。
玲央のことが好きだと認めてしまうのが怖かった。
自分の予想していなかったことを次々とカミングアウトしていく玲央に、私はパニックを起こしそうだ。
そんな私に玲央は、信じられないかもしれないけれどと前置きをして、爆弾発言をした。
「出張の時、思わぬハプニングで一夜を共に過ごすことになったけど、俺、真冬以外にあんなことしたことないから」
あんなこととは、一夜の過ちだと思っていたあの出来事のことだろう。
思い出しただけで、私の顔が一気に熱くなる。
「真冬にとって、俺は『最低な男』のイメージしかないかもしれない。あの夜、気持ちを伝えず先に身体を繋げてしまったことは、本当に申し訳なく思っている。本当にごめん。でも、俺はいい加減な気持ちで真冬のことを抱いたんじゃない」
玲央はそう言うと、私の手を握った。そうしてその手を自分の胸に押し当てる。玲央の心拍が、直に私のてのひらへと伝わってくる。
その鼓動は、恐ろしいくらいに速い。私の鼓動と変わらないくらいのスピードで脈打っている。
「……お……こ……、す……よ」
私も玲央のことが好きだよと呟いたつもりが、声が上擦って上手く言葉にならない。
玲央はそんな私に優しく微笑んだ。
「真冬、俺のことどう思ってる?」
その言葉を聞いて、私の眼から涙がこぼれ落ちる。
「玲央……、私も学生の頃から、ずっと好きだよ」
私の言葉を聞いた途端、玲央は私の腕を強く引っ張った。そしてあっという間に私は玲央によって抱きしめられていた。
「やっと……、やっと捕まえた」
私たちはしばらくの間こうしてお互いの存在を、お互いの体温を確かめ合った。
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