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*番外編*side悠太
希望
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同窓会の打ち合わせて言う事で、授業が終わってから少しの時間、仕事を抜けさせて貰い、指定されたコーヒーショップに向かうと、窓際の席に座る永木の姿を見つけた。
店の中に入り、俺はカフェオレを注文すると、支払いを済ませて永木の座る席へと向かった。
これから永木のジャッジが下されるのだ。
緊張しない訳がない。
永木は俺に気付くと、目の前の席に座る様に促された。
永木は多分ブラックのコーヒーを飲んでいる。
俺はコーヒーの匂いが好きだ。
でも味の違いとか分からないし、実はブラックコーヒーは苦手だ。
いくら良い豆だと言われても、あの苦味は得意ではない。
なので牛乳が入って胃に優しいカフェオレをいつも注文する。
「呼び出してごめんね。
私も今から出張で大阪に行くから手短に済ませるからすぐ終わる」
永木は開口一番にそう言って、一枚のハガキとメモ用紙を取り出した。
そこには既に印刷されている同窓会のお知らせとあった。
まだ具体的に日程や場所なんて決まってない筈だが、どう言う事だ……?
俺が訝しんでいると、永木が再び口を開いた。
「事情はよく分かった。
でも多分、現時点で普通に結衣を呼び出しても、あんたの顔を見たら逃げる可能性大よ。
でも、お互いあの件についてはずっとしこりが残ってるんだし、一対一で結衣と話をつけなさい。
同窓会を口実に呼び出したらいい。
十年目の節目の年だから強制参加って、結衣には後でダメ押ししてあげる。
ハガキはこれね。内容は後で改めてメッセージ送るから、あんたは中学校、この日入れる様に手を回しなさい。
で、結衣の住所はここにあるから、私の目の前で書いて。
この住所も個人情報だから、写真撮ったりしないでね。
これ以上の個人情報は結衣に直接聞きなさいよ。
あんた今、港北中で先生してるんでしょう?
結衣のトラウマ、解消出来るのはあんただけなんだから、頑張んなさいよ」
永木に後光が射して見えるのは気のせいだろうけど、でも俺にとって、永木は救いの神だ。
永木にお礼を言うと、永木の目の前で、差し出されたハガキに、メモ用紙に書かれてある住所と名前を丁寧に書いた。
そこに書かれていた住所は、以前西田が住んでいた地区にあるアパートだった。
あの地に愛着があるのだろうかと思ったけれど、職場が駅に近い場所と聞いていたから、通勤や買い物に便利なのだと気づいた。
ハガキに宛名を書き終えると、永木はそれらを回収する。
「これは十二月に入ってから投函する。
ハガキが届く日前後に結衣には連絡入れて、全員集合の強制参加って言っておくから。
後は上手くやりなさいよ。
それと、浅田聡子にも自分の口からきちんと言って、今度こそ邪魔されない様にね。
じゃあ、私はそろそろ行かなきゃ間に合わないから」
永木はそう言って立ち上がると荷物を持って店を後にした。
俺はそんな永木の後ろ姿を見送った。
ありがとう、永木。
今度こそ、西田に気持ちをきちんと伝えるよ。
俺は、テーブルの上に置いているカフェオレを飲み干すと、真っ直ぐに前を見つめた。
この視線の先に、いつか西田が居ます様に……。
ー終ー
店の中に入り、俺はカフェオレを注文すると、支払いを済ませて永木の座る席へと向かった。
これから永木のジャッジが下されるのだ。
緊張しない訳がない。
永木は俺に気付くと、目の前の席に座る様に促された。
永木は多分ブラックのコーヒーを飲んでいる。
俺はコーヒーの匂いが好きだ。
でも味の違いとか分からないし、実はブラックコーヒーは苦手だ。
いくら良い豆だと言われても、あの苦味は得意ではない。
なので牛乳が入って胃に優しいカフェオレをいつも注文する。
「呼び出してごめんね。
私も今から出張で大阪に行くから手短に済ませるからすぐ終わる」
永木は開口一番にそう言って、一枚のハガキとメモ用紙を取り出した。
そこには既に印刷されている同窓会のお知らせとあった。
まだ具体的に日程や場所なんて決まってない筈だが、どう言う事だ……?
俺が訝しんでいると、永木が再び口を開いた。
「事情はよく分かった。
でも多分、現時点で普通に結衣を呼び出しても、あんたの顔を見たら逃げる可能性大よ。
でも、お互いあの件についてはずっとしこりが残ってるんだし、一対一で結衣と話をつけなさい。
同窓会を口実に呼び出したらいい。
十年目の節目の年だから強制参加って、結衣には後でダメ押ししてあげる。
ハガキはこれね。内容は後で改めてメッセージ送るから、あんたは中学校、この日入れる様に手を回しなさい。
で、結衣の住所はここにあるから、私の目の前で書いて。
この住所も個人情報だから、写真撮ったりしないでね。
これ以上の個人情報は結衣に直接聞きなさいよ。
あんた今、港北中で先生してるんでしょう?
結衣のトラウマ、解消出来るのはあんただけなんだから、頑張んなさいよ」
永木に後光が射して見えるのは気のせいだろうけど、でも俺にとって、永木は救いの神だ。
永木にお礼を言うと、永木の目の前で、差し出されたハガキに、メモ用紙に書かれてある住所と名前を丁寧に書いた。
そこに書かれていた住所は、以前西田が住んでいた地区にあるアパートだった。
あの地に愛着があるのだろうかと思ったけれど、職場が駅に近い場所と聞いていたから、通勤や買い物に便利なのだと気づいた。
ハガキに宛名を書き終えると、永木はそれらを回収する。
「これは十二月に入ってから投函する。
ハガキが届く日前後に結衣には連絡入れて、全員集合の強制参加って言っておくから。
後は上手くやりなさいよ。
それと、浅田聡子にも自分の口からきちんと言って、今度こそ邪魔されない様にね。
じゃあ、私はそろそろ行かなきゃ間に合わないから」
永木はそう言って立ち上がると荷物を持って店を後にした。
俺はそんな永木の後ろ姿を見送った。
ありがとう、永木。
今度こそ、西田に気持ちをきちんと伝えるよ。
俺は、テーブルの上に置いているカフェオレを飲み干すと、真っ直ぐに前を見つめた。
この視線の先に、いつか西田が居ます様に……。
ー終ー
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