愛しいヒューマノイドの心臓は動いている。

野中にんぎょ

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パーティーはあなたのエスコートで(美広視点)

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「周防佳澄様のお連れ様ですね。どうぞ」
 どっくん、どっくん、どっくん……。美広は右手を握りしめて立ちつくした。「どうされましたか?」不審に思われたのか、スタッフの一人が近づいて来る。
「ヒロ」
 視線を上げると、ゲートの向こうには一足先に会場入りした佳澄がいた。
「マスター!」
 身体が軽くなって、勝手に佳澄へと向かって行く。……ブザーは、鳴らなかった。
「ご協力ありがとうございました。セレモニー中はこのチョーカーをご利用ください。身に着けられると会場の出入りが正面の扉からも可能になります。次の方、どうぞ」
 勢い余って飛び込んでしまった佳澄の胸。顔を上げれば佳澄の丸くなった瞳と視線がかち合った。良かった、通れた、間に合ったんだ。ほっとしている美広とは対照的に、佳澄は浮かない表情をしていた。
「お前……。いや、なんでもない……」
 佳澄らしくもない歯切れの悪い物言い。心配になって顔を覗き込むと、無防備な額にデコピンが落ちてきた。
「お前、遅い」
「これは、案内されて、それで……」
「ほら、それ着けてやるから、貸して」
 コード付きのチョーカーを首に巻かれ、美広は口元をむずむずさせた。
「主人を待たせるヒューマノイドなんて聞いたことないけど」
「だからそれはっ」
 腰に手を当てている主人と口答えしている自称ヒューマノイドの傍へ一人の男がやって来る。佳澄の視線が上がったのにつられ、美広もそちらに視線を向けた。美広の頭の中は、一瞬で真っ白になった。
「佳澄、来てくれたんだな。わざわざありがとう!」
 背後に大輪の薔薇と後光を背負って登場した紳士。ダークブラウンのツーピースジャケットにジレ、サックスブルーのシャツに、ボルドーのネクタイとポケットチーフ。さすがはモデル出身の役者、ランウェイを駆けるが如く佳澄と美広の前へ。他でもない、間宮倫太郎その人だ。
「この子を連れて来てくれるなんて。仲がいい所を見せてくれて嬉しいな。……やあ。マスターとの生活には慣れた?」
 憧れの間宮倫太郎から手を差し出され、美広はフリーズした。実物を見るのはこれで二度目。画面の中で何度も見てきたのに、目の前にするとそれ以上にかっこよくて美しくて眩しくて……!震える手を伸ばすと、間宮はにこやかに握手をしてくれた。
「間宮さん。こいつ、間宮さんのファンなんですよ」
 何を言い出すんですか!美広は非難めいた視線を佳澄に送った。どこか意地悪な顔つきの佳澄。対して間宮は「え?私の?それは本当?」と破顔した。
「ええっ、アッ、お目にかかれて心から嬉しいです……。この度は出版おめでとうございます……!」
 伝えたいことが山ほどあるのに、絞り出せる言葉はこれが限界。美広は深く頭を下げたまま唇を噛みしめた。そんな美広の肩に置かれる間宮の手。
「ありがとう、嬉しいよ。春のスペシャルドラマも是非観て欲しいな。君のマスターも出ているしね?」
 美広はウインクから飛んで来た星に胸を射抜かれた。足元まで狂わせ始める美広に「ちょっと飲み物取って来て。俺と間宮さんの分」とのたまう主人。「う、あ、はい……」美広は間宮とケータリングとを交互に見つめながらウェルカムドリンクを取りに行った。
 画面の中からそのまま出て来たような……いや、それ以上のあでやかさを纏って同じ空間に存在している間宮。お礼を言いたい。間宮の演技に自分がどれだけ救われていたかと伝えたい……!けれどまだ、そのタイミングには来ていない。今の自分は「ヒロ」で、「佐藤美広」ではないのだから……。
 談笑している二人の元へ、美広がウェルカムシャンパンを手に戻って来た。
「どうもありがとう」
 間宮に礼を言われ、美広は頬を染めた。佳澄はグラスを受け取ると、やけに芝居がかった仕種で美広に向き直った。
「俺は運転あるから。乾杯終わったらお前が飲んで」
「承知しました」
 返事をすると、なぜか佳澄の隣に居た間宮がこちらをまじまじと見やった。驚きの漲ったようなその瞳に疑問を抱きながら会釈を返す。
 ほどなくしてはじまるセレモニー。出版社側の代表者が乾杯の音頭を取る。佳澄が掲げて飲むふりをしたシャンパンを、美広はクーッと飲み干した。
 著者の挨拶が始まり、その後のトークセッションのため、間宮はその場から去って行った。去り際にもさりげなく佳澄と美広を気遣う素振り。美広はうっとりと間宮の後ろ姿を見つめた。
「トークセッションのお相手は、金城匡役の間宮倫太郎さんです!」
 間宮の登場に会場が色めく。壇上の間宮は先ほどよりもずっと輝きを放っていた。「間宮さん、舞台の上の方が楽しそうですね」美広が耳打ちすると、佳澄は笑みを返してくれた。
 即売に併せた手渡し会が別室で始まり人もはけて、佳澄と美広はケータリングに手を伸ばした。
「ヒロ、サブレに乗ってるのなんだと思う?チーズとトマトと……何かのムース?」
「なんでしょうね?食感はツブツブしてますけど、さっぱりした味わいで。クリームチーズと混ぜてムース風にしてありますね」
 しばし瞼を閉じていた佳澄が思いついて「カリフラワーかな?」と美広に尋ねた。「ああ、それです!それ!」美広はエビとマッシュルームのピンチョスを手に取りながら笑った。
「マスター、牛肉ありますっ」
「こら、スーツではしゃがない。……どこ?俺も食べたい」
 二人で隣合い牛のアリアータにありつく。
「何の部位でしょうね?柔らかくて美味しい」
「イチボじゃないの?」
「イチボってどこですか?」
「尻の方の肉だよ。一応はもも肉になるのかな」
「へえ、マスターって物知りですねえ」
 佳澄は「まあね」と言いながら項を掻いた。主人の口元からこぼれる物憂げな溜め息。
「あれ?どうしたんです?お腹いっぱいですか?僕はもうちょっと食べられそうです!」
 佳澄は困ったように笑った。その表情の真意が読めず顔を覗き込もうとすると、宥めるように頭を撫でられてしまった。
「俺はちょっと席外そうかな。出版社側にも売り込まないと。一人で大丈夫?」
「はい。僕はここで食べて待ってますね」
「そーして」
 ほぐれて額に落ちてしまった美広の前髪に触れ、佳澄は去って行った。
 間宮も勿論かっこいいが、佳澄には特別惹きつけられてしまう。美広は佳澄の触れてくれた前髪に指先を添えて頬を熱くした。皿いっぱいに盛られた美味しそうな料理も、今は手をつけようと思えない……。
「ここ、空いてるかな?」
 声をかけられ視線を上げる。招待客の一人だろう、ロマンスグレーが印象的な初老の男だった。「どうぞ」美広は笑みを浮かべて隣の椅子を引いた。
「そのチョーカー。君はヒューマノイド?最近のものはよく出来てるな。ヒューマノイドが出たばかりの頃など一目見れば機械と分かるそれだったのに」
 荷物が置けるくらいには離れていた椅子が、美広のすぐ傍に寄ってくる。至近距離で見つめられ美広は冷や汗をかいた。「君は本当に人のようだな」男の手が料理でなく美広へ伸びてくる。
「もしよければ、触れても?ヒューマノイドに興味があってね」
 ヒューマノイドの返事など待つ必要はないと思われているのだろうか。美広の頬に男の指先が触れた。緊張しきった美広の表情からは一切の感情が漏れない。気を良くしたのだろう、男の指は次第に躊躇いをなくして、美広の首に巻かれたチョーカーに落ちていった。
「このチョーカーはどういう仕組みになっているんだろうか?」
「あの、それには触れないでもらえますか……。セキリュティー上、必要なものみたいで……」
 逆らったつもりなどない。だのに男は美広を睨みつけた。三週間近くヒューマノイドを演じてきて初めてのことだった。男は相手が機械だからと気ままに触れて、自身の眼差しに浮かぶ情欲を隠そうともしない。
「では、どこに触れればいいのかな?」
 男の手が……肩に触れ……腕に落ちて……そのまま、美広の腰に。
 美広は抵抗も出来ないまま固まってしまった。
 どうしよう。美広はフォークを持ったまま手を震わせた。どうしよう、どうしたらいいの。
「失礼。私のヒューマノイドが何か粗相でも?」
 美広の背広の下に入っていた男の手が離れていく。美広は声の主に視線をやった。冷たい目をした佳澄が、美広と男の間に割って入り、不埒な手を掴み上げていた。
「い、いや、すまない。ちょっとこういう機械に興味があってね」
「そういうことでしたら次回からは私に断りを入れて頂けます?私は潔癖なタチでして。自分のモノに勝手に赤の他人が触れるのは我慢ならない」
 自分のしていたことも忘れたのか、男はかっと顔を赤くして「ヒューマノイド風情が」と捨て台詞を残し去って行った。「ヒロ、大丈夫?」美広は主人の呼びかけに応えて立ち上がった。
「ああいう時は主人が厳しいとか適当に言って俺の傍まで逃げて来い」
「ごめんなさい、マスター、ご迷惑をおかけして……」
「他に嫌なことされてない?」
 腕に優しく触れられて、身体の力が抜けていく。
「されてないです……」
 消え入りそうな声で言えば、佳澄は静かに「目を離してごめん」と返してくれた。
 佳澄は優しい。優しくて素直で、真面目で一生懸命で。本当にこの人のヒューマノイドになれればいいのに。美広は佳澄の眼差しに抱かれてそんなことを願った。
 演技への誠実な姿勢が好きだ。頭を撫でてくれる手のひらが好きだ。「珈琲淹れて」と言ってくれるその声が好きだ。話を聞いてくれている時の表情が好きだ。自分を見つめてくれる眼差しが好きだ。……全部、大好きだ。
 思い至ると、蕾だとばかり思っていたそれがすでに花開いていることに気付く。胸が熱く苦しくなっていく。間宮に向ける好意とは違う。佳澄が、好きだ。マスターとしてじゃない。一人の男性として、佳澄が好きだ。
「今日はもう帰ろう。俺も疲れた。早く帰って風呂に入りたい」
 美広は頷き、差し出された佳澄の手を取った。
 締めの挨拶が終わって早々に会場を後にする。間宮は何があったのか察したのだろう、遠くから手を振ってくれた。
 佳澄に握られた手が熱い。佳澄の温度が美広の胸を切なく締めつけた。
「これ、取っとこうか」
 車の助手席に座ったところで佳澄の指がチョーカーに伸びてきた。男の手は嫌だったのに、佳澄の手で触れられるのはちっとも嫌じゃなかった。
「ちょっと下を見てて。取ってやるから……」
 言われた通りに俯く。佳澄の腕が左右から回ってきて、チョーカーの金具を取り外してくれた。整髪料と佳澄の匂いが色濃く香る。惚けているうちに、項に回っていた手のひらが美広の背を引き寄せて……。
 美広の頬に佳澄のスーツの肩口が触れる。抱き寄せられるとそこはすべすべして柔らかかった。そのうちにスーツの奥の肉体の存在が迫ってきて、美広の頭の芯が蕩けていく。
「ますたー……」
 甘えた声が出て、美広は佳澄の身体に縋りついた。あったかくて幸せで、泣きたいくらいに切ない。
 美広の額に柔らかな感触が落ちた。それがキスだと気付くのには時間が必要だった。
 マスターがキスをくれた。美広の胸に火が灯る。繰り返し額にキスされると、その火は狂おしく火の子を撒いた。
「ヒロ」
 一度でも名前を呼ばれると、胸が甘く疼く。
「……あ……、ま、」
 佳澄の唇が、美広の額から耳の傍、反らした顎の下、喉仏、襟の傍まで順にキスを降らせる。美広の身体は簡単に主人の唇の形を覚えて、受け入れた。僕も触れたい。美広は佳澄の頬に指先を伸ばした。
 触れて、美広は自分が抱えている熱を知った。佳澄の肌は赤みを帯びているのにひんやりして……。眼差しを確かにすれば、目の前の佳澄の瞳はたっぷりと光を抱えていた。
「……」
 目と目で語る。言葉に出来ない気持ちで相手の胸の奥を愛撫する。主人が自分を待っているのだということが分かって、美広は目の前の頬に唇を落とした。一度そこに唇で触れると離れがたくて。美広は努めてゆっくりと唇を離した。
「ありがとうございます、マスター」
 この言葉しか、思い浮かばなかった。愛しくて、満たされて、だから佳澄には思うままに生きて欲しい。そんな佳澄の人生の一部に自分がいられる幸せ。これ以上の幸せを、美広は知らない。
 視線は互いに離さないまま、佳澄の温度が離れていく。美広もそれに従って彼の身体から手を離した。見つめ合うと一本の糸で繋がって今にも引き寄せられそうになるけれど、美広はそれを堪えた。我慢は得意だ。
「帰ったら……珈琲淹れて」
 ハンドルを握った佳澄は呟く。
「承知しました」
 美広は主人の横顔を見つめてそう答えた。愛しい主人と同じ場所に帰れることが、こんなにも嬉しかった。
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