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雨夜の密会
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十五年前の春、北山組と仁楼会の間で立て続けに事件が起こった。
慈雨は、両親の巻き込まれた交通事故と、仁楼会の元若頭・桂慶市の射殺事件は、ほぼ同時に起こったことだと思っている。
が、ほぼタイムラグのない二つの事件を、北山組側は「北山組が桂慶市殺害の疑いをかけられ、組長の血縁が報復を受けた」と考え、仁楼会側は「北山雷の息子夫婦殺害の疑いをかけられ、会長の実子である慶市が報復を受けた」と考えた。
慈雨の父は極道から足を洗っており、また、桂慶市は人望を集める好青年だった。「報復する相手を違えるな」仁義を重んじる二組は怒りに燃えた。事態は一触即発、色子市の裏社会は県警でさえ手を付けるのを躊躇うような緊張状態に陥った。
けれど一向に首謀者や実行犯は見つからず、総勢五百名を超える仁楼会は遂に統制が効かなくなった。事態を静観していた県警も、一般市民に被害が出るや否や仁楼会の事務所を家宅捜索し、結果として当時会長を務めていた桂喜重が出頭する一大事にまで発展した。
混乱の余波を沈めるためにも北山組は選択を迫られた。北山組組長である北山雷は、当時右腕として重宝していた若頭補佐・北山悟を出頭させることで、仁楼会との抗争を手打ちとした。
「慈雨、遅かったね」
漆黒のセダン。その後部座席で脚を組んだロマンスグレーの紳士が慈雨へ微笑みかける。
「ごめん、じいちゃん。ネクタイを締めるのに時間がかかって……」
慈雨は祖父・雷の隣に乗り込み、視線を助手席へ投げた。ハンドルを握る望の隣には、先日の美しき獣が座っていた。
「じいちゃん、なぜこの子がいるの?」
断っても構わないから必ず顔を合わせるように、という雷の願いに筋を通したというのに。慈雨は助手席に座るイヌから目を逸らし眉を顰めた。
「いいじゃないか。美しいイヌはその場にいるだけで華がある」
雷は慈雨の不満には取り合わず、手振り一つでセダンを出した。
せめてもの抵抗と口を噤んでいた慈雨だったが、目的地に到着し車を出ると開いた口が塞がらなくなった。店に横付けされたバンから六匹ものイヌが出て来て、自らを盾にするかのように雷と慈雨を囲み始めたからだ。
「たかが会食にやりすぎだ」
「相手が現れれば何匹かは車に戻すさ」
四方八方をイヌに囲まれ、慈雨はたまらず店内へ逃げ込んだ。すると、慈雨を追ってか、静も暖簾をくぐってしまった。
「あのね、おまえ……、」
ぎょっとして声を上げれば、静は広い肩を震わせた。その瞳がまんまるになっていたものだから、慈雨は「いい子だから外で待っていて」と語気を潜ませた。慈雨の唇が動けば静の耳がそばだつ。静は頷き、暖簾から身体をひっこめた。
「あんなふうに追い返してしまうのは、よくないな」
肩を強張らせている慈雨を見て、雷は苦笑した。「そう固くなるな」そう言われても、慈雨はこの会食自体に緊張していた。なぜなら、今夜の会食の相手は――。
「待たせてしまったか?」
濡れ羽色のお召し着物に紫の羽織、山吹色の角帯を身に纏ったその男は、つい先日まで刑務所にいたとは思えない清涼な笑みを浮かべ、二人の前へ現れた。
「おつとめ、ご苦労様でした」
雷はすっくと立ち上がり、深々と頭を下げた。男は「いい、いい。私とおまえの仲だろう」と言って雷の肩を親しげに叩いた。男のまろみがかった大きな瞳が、やがて慈雨へ向けられた。
眼差しが柔らかなのに対し、唇はきりりと結ばれている。
この男が、桂喜重――。
「会うのは初めてだったね」
差し出された手に応じ、慈雨は喜重と握手を交わした。喜重の手は洗練された外見に反して武骨だった。
「北山慈雨です。お会いできて光栄です」
慈雨が頭を下げると、喜重は頬を緩めて雷の勧めた席へ腰を下ろした。
「一杯目はどうする」
「酒はいいよ。長く断っていたからか、飲むと頭がくらくらしてたまらん。それに、この子は十八になったばかりだろう?」
喜重に指を差され、慈雨は硬直した。
抗争にまで発展した二組の長が膝を突き合わせて季節の美味に舌鼓を打っているなどと、誰が想像するだろうか。慈雨の脳裏には否が応でも血濡れた車窓がちらつき、けれどこの場から逃げることなど許されない。一枚戸を引けば合わせて十匹の獣人が互いを牽制し合っている。障子越しにネコの尻尾が揺れ動いているのを見てしまい、慈雨はこみ上げる吐き気に眉を歪めた。
「ずいぶん後で知ったことだが……。あの子のことは、残念だった」
雷の勧めに負けてお猪口を傾けた喜重が溜息を吐く。「生きていれば今頃、こちらに戻って北山組の看板を背負っていただろうに」
「悟のことは、私も忘れられない」
雷は唸り、瞼を下ろしたまま首を振った。
「誰よりも真っ直ぐで、誰よりも優しい男だった」
手打ちのために出頭させた北山悟は、三年前に獄中死した。生まれ持った心臓病が原因だった。
北山組組員は総勢でも七十名程度。けれど、その結束は血の繋がりよりも堅い。悟の訃報を受けた雷は、孫の慈雨から見てもひどく落ち込んでいた。
「生きていれば今年、数えで四十二歳だ。……大厄か」
「彼は十分に役目を果たした。獄中ではあるが、北山組の兵隊としては華々しい最期だったろう」
雷の拳がひくりと震えたのを、慈雨は見逃さなかった。
十五年前の事件で、雷は実の息子と盃で結ばれた息子を失った。「慈雨が生きていることが、せめてもの救いだよ」雷自身に言い聞かせるようなその呟きを、慈雨はこれまで何度聞いただろうか。
「今夜は雨になるそうだ」
喜重の一言で、会食はデザートを待たずしてお開きになった。
個室の戸が引かれれば、ネコの獣人が五匹、イヌの獣人が五匹、ずらりと並んでいる。先に個室を出た喜重に続き、ネコたちは店を出た。
喜重の言った通り、外は雨が降っていた。ベントレーを見送る雷と慈雨にイヌたちが傘を差す。慈雨の隣には静が立っていた。
「慈雨様」
喜重の乗った車を見送ってすぐ、静は慈雨に呼びかけた。
「靴紐が緩んでいます」
静は持っていた傘を他のイヌに預け、濡れた地面に膝をついて慈雨の革靴へ手を伸ばした。傘から伝う雫が静の背や尻尾を濡らす。静の手は大きくて、慈雨は自分の靴がやけに小さくなったように感じた。
縦になった蝶々結びに慈雨の目元が緩む。このイヌは躾こそ行き届いているが、手先は不器用らしい。
「ありがとう」
静の肩に落ちた雨粒を払いながらそう言えば、静は瞳を瞬かせた。
慈雨は、両親の巻き込まれた交通事故と、仁楼会の元若頭・桂慶市の射殺事件は、ほぼ同時に起こったことだと思っている。
が、ほぼタイムラグのない二つの事件を、北山組側は「北山組が桂慶市殺害の疑いをかけられ、組長の血縁が報復を受けた」と考え、仁楼会側は「北山雷の息子夫婦殺害の疑いをかけられ、会長の実子である慶市が報復を受けた」と考えた。
慈雨の父は極道から足を洗っており、また、桂慶市は人望を集める好青年だった。「報復する相手を違えるな」仁義を重んじる二組は怒りに燃えた。事態は一触即発、色子市の裏社会は県警でさえ手を付けるのを躊躇うような緊張状態に陥った。
けれど一向に首謀者や実行犯は見つからず、総勢五百名を超える仁楼会は遂に統制が効かなくなった。事態を静観していた県警も、一般市民に被害が出るや否や仁楼会の事務所を家宅捜索し、結果として当時会長を務めていた桂喜重が出頭する一大事にまで発展した。
混乱の余波を沈めるためにも北山組は選択を迫られた。北山組組長である北山雷は、当時右腕として重宝していた若頭補佐・北山悟を出頭させることで、仁楼会との抗争を手打ちとした。
「慈雨、遅かったね」
漆黒のセダン。その後部座席で脚を組んだロマンスグレーの紳士が慈雨へ微笑みかける。
「ごめん、じいちゃん。ネクタイを締めるのに時間がかかって……」
慈雨は祖父・雷の隣に乗り込み、視線を助手席へ投げた。ハンドルを握る望の隣には、先日の美しき獣が座っていた。
「じいちゃん、なぜこの子がいるの?」
断っても構わないから必ず顔を合わせるように、という雷の願いに筋を通したというのに。慈雨は助手席に座るイヌから目を逸らし眉を顰めた。
「いいじゃないか。美しいイヌはその場にいるだけで華がある」
雷は慈雨の不満には取り合わず、手振り一つでセダンを出した。
せめてもの抵抗と口を噤んでいた慈雨だったが、目的地に到着し車を出ると開いた口が塞がらなくなった。店に横付けされたバンから六匹ものイヌが出て来て、自らを盾にするかのように雷と慈雨を囲み始めたからだ。
「たかが会食にやりすぎだ」
「相手が現れれば何匹かは車に戻すさ」
四方八方をイヌに囲まれ、慈雨はたまらず店内へ逃げ込んだ。すると、慈雨を追ってか、静も暖簾をくぐってしまった。
「あのね、おまえ……、」
ぎょっとして声を上げれば、静は広い肩を震わせた。その瞳がまんまるになっていたものだから、慈雨は「いい子だから外で待っていて」と語気を潜ませた。慈雨の唇が動けば静の耳がそばだつ。静は頷き、暖簾から身体をひっこめた。
「あんなふうに追い返してしまうのは、よくないな」
肩を強張らせている慈雨を見て、雷は苦笑した。「そう固くなるな」そう言われても、慈雨はこの会食自体に緊張していた。なぜなら、今夜の会食の相手は――。
「待たせてしまったか?」
濡れ羽色のお召し着物に紫の羽織、山吹色の角帯を身に纏ったその男は、つい先日まで刑務所にいたとは思えない清涼な笑みを浮かべ、二人の前へ現れた。
「おつとめ、ご苦労様でした」
雷はすっくと立ち上がり、深々と頭を下げた。男は「いい、いい。私とおまえの仲だろう」と言って雷の肩を親しげに叩いた。男のまろみがかった大きな瞳が、やがて慈雨へ向けられた。
眼差しが柔らかなのに対し、唇はきりりと結ばれている。
この男が、桂喜重――。
「会うのは初めてだったね」
差し出された手に応じ、慈雨は喜重と握手を交わした。喜重の手は洗練された外見に反して武骨だった。
「北山慈雨です。お会いできて光栄です」
慈雨が頭を下げると、喜重は頬を緩めて雷の勧めた席へ腰を下ろした。
「一杯目はどうする」
「酒はいいよ。長く断っていたからか、飲むと頭がくらくらしてたまらん。それに、この子は十八になったばかりだろう?」
喜重に指を差され、慈雨は硬直した。
抗争にまで発展した二組の長が膝を突き合わせて季節の美味に舌鼓を打っているなどと、誰が想像するだろうか。慈雨の脳裏には否が応でも血濡れた車窓がちらつき、けれどこの場から逃げることなど許されない。一枚戸を引けば合わせて十匹の獣人が互いを牽制し合っている。障子越しにネコの尻尾が揺れ動いているのを見てしまい、慈雨はこみ上げる吐き気に眉を歪めた。
「ずいぶん後で知ったことだが……。あの子のことは、残念だった」
雷の勧めに負けてお猪口を傾けた喜重が溜息を吐く。「生きていれば今頃、こちらに戻って北山組の看板を背負っていただろうに」
「悟のことは、私も忘れられない」
雷は唸り、瞼を下ろしたまま首を振った。
「誰よりも真っ直ぐで、誰よりも優しい男だった」
手打ちのために出頭させた北山悟は、三年前に獄中死した。生まれ持った心臓病が原因だった。
北山組組員は総勢でも七十名程度。けれど、その結束は血の繋がりよりも堅い。悟の訃報を受けた雷は、孫の慈雨から見てもひどく落ち込んでいた。
「生きていれば今年、数えで四十二歳だ。……大厄か」
「彼は十分に役目を果たした。獄中ではあるが、北山組の兵隊としては華々しい最期だったろう」
雷の拳がひくりと震えたのを、慈雨は見逃さなかった。
十五年前の事件で、雷は実の息子と盃で結ばれた息子を失った。「慈雨が生きていることが、せめてもの救いだよ」雷自身に言い聞かせるようなその呟きを、慈雨はこれまで何度聞いただろうか。
「今夜は雨になるそうだ」
喜重の一言で、会食はデザートを待たずしてお開きになった。
個室の戸が引かれれば、ネコの獣人が五匹、イヌの獣人が五匹、ずらりと並んでいる。先に個室を出た喜重に続き、ネコたちは店を出た。
喜重の言った通り、外は雨が降っていた。ベントレーを見送る雷と慈雨にイヌたちが傘を差す。慈雨の隣には静が立っていた。
「慈雨様」
喜重の乗った車を見送ってすぐ、静は慈雨に呼びかけた。
「靴紐が緩んでいます」
静は持っていた傘を他のイヌに預け、濡れた地面に膝をついて慈雨の革靴へ手を伸ばした。傘から伝う雫が静の背や尻尾を濡らす。静の手は大きくて、慈雨は自分の靴がやけに小さくなったように感じた。
縦になった蝶々結びに慈雨の目元が緩む。このイヌは躾こそ行き届いているが、手先は不器用らしい。
「ありがとう」
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べろちゅーすらないキスだけの健全ピュアピュアなお付き合いをお楽しみください。
***
2024.10.18 第二章開幕にあたり、第一章の2話~3話の間に加筆を行いました。小数点付きの話が追加分ですが、別に読まなくても問題はありません。
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