スーパーシティ ~放置国家~

タミケン

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第十四章

第八話 富裕層の正体

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 スーパーシティの住人である警察署の技術職員の家に上がる車輪。

巨大ピラミッド型のビル中間にある住居エリアのその部屋は、高級

マンションらしく豪華で広々していた。玄関からメイドロボットに

案内されてリビングルームに入ると、大型モニターに職員の顔が映し

出されていた。「何だよずぶ濡れじゃねーか、らしくねーぞ。


 まあこの混乱だから仕方ねーか。取り敢えずその木の椅子にでも

掛けてくれ」、、モニター越しに違和感を感じつつも車輪も返した。

「久しぶりだな、こんな時に邪魔して済まない。モニターって事は

出掛けてるのか?」、、「いや俺はここに居るぞ。金が出来てやっと

俺も時間と身体の制約から解放される生活に上がれたんだ」、、


 「時間と身体から解放?もしかして、、じゃあ元の身体はどこに

あるんだ!?」、、驚く車輪の質問に職員も返す。「いやあれは、、、

う~ん、いいや見られても減るもんじゃねー、そのドアを開けてみろ」

、、そう言われ、隣にある部屋を車輪は恐る恐る覗いた。「うっ!!

これはっ!?」、、それは、カプセルの様な物の中にあった。


 目玉二つと脳ミソのみ。それが数本のコードに接続され、液体の

中で固定されているだけの物体だ。「こ、これがスーパーシティに

住まう富裕層だと言うのかっ!?」、、「あたぼうよ(死語)、これ

のお蔭で俺達は通勤、疲れ、病気、見てくれから来る差別、人類全て

の悩みから解放されて、今の技術では200年生きられるんだ」、、


 車輪は戸惑いながらも返す。「しかし、これは人間と言えるのか!?

単なる目玉と脳ミソのオバケじゃないのかっ」、、「オ、オバケとは

失礼なっ、俺は長年富裕層としては底辺で働いてやっとまともな富裕層

に成れたんだ。今ではこの状態で警察署の色んな仕事を割り振れるし、

元の俺の職場は新入りが汗水垂らして働いている。皆そうだぞ!」、、




 
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