スーパーシティ ～放置国家～

第十四章

第一話 前触れ

　ゴゴゴゴ、、、車輪が革命和平らの協力を断っている最中、突然

地響きの様な音が聞こえ、辺りはガタガタと揺れ始めた。「何だ！？

地震か？」、、さっきまで威勢よろしく息巻いていた角材の大男は

何を思ったか便所に入って籠り出し、車輪や代表者も取り敢えず壁や

机にしがみついたが、暫くして地震は治まった。


　「どうやら治まった様だな。兎に角我々は計画を実行に移す。君に

計画を知られた以上、我々も君を放っておく訳には行かないぞ」、、

代表者に対して車輪も返す。「命を狙うなら勝手にすればいい、俺が

潰してきた数々の暴力集団と同じ運命を辿ってもらうまでだ。お互い

共通の敵がいるのに相成れなくて残念だな」、、


　「極左暴力集団か、それは昭和時代の警察が勝手につけた用語だ。

我々は革命の戦士でありそこらのチンピラの集まりでは断じて無い。

それに君はOBだが、自衛隊こそ所詮アメリカの命令で作られた軍隊だ。

旧日本軍の様に愛国心でアメリカに弓を引ける自衛隊など存在するの

かね？」、、代表者は今まで考えていた事を全て口にした。


　「アンタの言う事は間違っちゃいない。自衛隊の仮想敵国の中に

絶対アメリカは入らないだろう、仮にアメリカが日本を食い潰そうと

してもだ。それをするには核武装がどうとか言う話になってしまう。

じゃあ俺は帰らせてもらうぜ、未だに便所に隠れてる角材野郎には

ヨロシクな」、、車輪はそう言うとバイクに跨りアジトを後にした。


　いつもの倉庫では療養中のオヤジ達が集まっていた。「車輪、情報

が入ったぜ。スーパーシティの橋が何か所も爆破テロにあったが全て

予想済みだったらしい。何故ならAIはスラムの犯罪者まで登録して

あるから事前に計画を予測していて、逮捕の為にワザと犯行に及ばせ

たんだ」、、その時、夕方にも関わらず辺りは急に真っ暗になった。