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第十三章

第十話 返答

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 車輪は極左とカルトが共謀する暴力革命に加担するかを迫られた。

スーパーシティの橋を一つ残して爆破し、革命和平が特殊警察等の

武装勢力と交戦している間に真阿呆教が政府中枢を制圧する。車輪の

仕事は革命和平と協力して特殊警察と対峙する事だ。これなら極力

民間人の被害を出さずに現実的に国家転覆を実行出来るという。


 だが車輪の出した返答は「ノー」だった。「ふざけんなテメェ何様

のつもりだっ」、、横で聞いていた大男は角材を手でヘシ折り床に

投げつけた。今迄余裕だった代表者も表情が一変する。「断ると言う

事は我々を敵に回すという意味だが分かっているのかねキミは」、、

問い詰められる車輪はハッキリ言い返した。


 「アンタらの計画は確かに一般人の被害を最小限にすると言ってる

が、最小限というのは多少の犠牲も出るという事、米軍の空爆と同じ

発想だ。やはり俺は共産主義やカルト宗教とは組めないし、暴力は

行使するが国賊に対する一人一殺であって、国家転覆では無い。願わ

くば無血開城による政権交代だ。それにもう一つ気になる点がある。


 アンタらの様な暴力革命による国家転覆が仮に成功したとしよう。

その後はどうする?革命和平が政権を握って独裁国家を作るのか、

真阿呆教が政権を握って阿呆の国を作るのか、あるいは革命和平と

真阿呆教が内戦を繰り広げる戦国時代になるのか、大体阿呆教の崇拝

する阿呆主様とやらはあの竹内平助がモデルだぜ」、、


 車輪の言いたい放題に額に血管を浮き上がらせた代表者も言う。

「真阿呆教の同志はあくまで我々の協力者であって、政府打倒後は

それなりのポストで活躍して貰うつもりだ。偶像は確かに竹内だが、

真阿呆教は偶像崇拝はせず教義だけ信仰している。ん!?」、、ゴゴ

ゴゴ、、、その時、遠くの方から地響きのような音が聞こえてきた。





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