スーパーシティ ～放置国家～

第十三章

第七話 極左暴力集団

　毒山ファミリー及び米穀連合会を潰した車輪は、オヤジの出血が

酷いのでそのまま知り合いの町医者に担ぎ込んだ。だが当然スラムの

住民に大病院に行く金など無いので、輸血は住民達で協力し合って

何とかするしか無かった。しかし帰って早々またもやとんでもない

報せを聞く事になる。


　革命和平がスーパーシティに入るトラックに爆弾を仕掛け、内部

を5か所同時に爆破、死傷者を出したというのだ。「次から次から

馬鹿が現れては馬鹿な事をしやがるっ」、、車輪は怒りながら、以前

から目的の為には多少の犠牲もやむなしとする革命和平のやり方に

異を唱えて分裂した、革命旅団のアジトへ話を聞きに行った。


　「奴らは過激派、いわゆるテロリストだ。共産主義運動をしてる

のは我々も同じだが、あいつらはそれを達成する為には暴力や殺人も

良しとする極左暴力集団だからな」、、代表者に対し車輪が質問する。

「奴らは以前から爆破事件を起こす気だったのか？」、、「アンタが

毒山ファミリーを襲ってるという情報が入ったからだよ」、、


　代表者の答えに車輪は戸惑ったが、代表者は続ける。「奴らも我々

も労働者を味方にしなければ成りたたない。以前から生活困窮者を

大量に囲い込みたかったが、それをやると毒山とモメる事になる。

そこでアンタが壊滅させてると聞いて一気に行動に出たんだ。今頃

毒山に支配されてた連中は皆、革命和平の支持者になってるハズだ」、、


　「そういう事か、共通の敵は俺もアンタらも革命和平も同じだが、

あいにく俺は共産主義とは相成れないし、奴らのような一般人まで

巻込むやり方は絶対に容認出来ない。しかしギャングは金の為に暴力

を使うが、テロリストは思想の為に暴力を使うからギャングより厄介

な敵だな」、、そう言うと車輪は革命旅団のアジトを後にした。