スーパーシティ ～放置国家～

第二章

第三話 急襲

　壊滅作戦の重要な地域は各国首脳が通る場所全てだ。逆に言うと

それ以外のエリアは政府にとってどうでも良い。まずはサミットが

開かれる場所と、空港、移動路周辺のスラムに重点が置かれた。

空港は関東の２か所を利用するので、それらに位置する暴力集団

だけでも約１０００あり、組員は７万人を超えると言われている。

　
　しかし政府は本気だった。空港近くのスラムに拠点を構える

組員４５名の怒苦路組は、一気に包囲されたと思ったらアジトが

入る雑居ビルごと集中砲火を浴び、車で逃げようとしたボスは

あらかじめ車に仕掛けられた爆弾でエンジンをかけた瞬間爆死、

応戦したアンダーボスは３００発以上の銃弾を受け即死だった。


　高速道路周辺スラムの血泥一家組員５６名は、アジトの廃工場

に特殊警察の装甲車３台が突入、防弾装備の上全員が機関銃を持つ

隊員にはなすすべも無く、最後には見せしめの為に、ボスや幹部

５人の遺体が工場の中にあったクレーンに吊るされて放置され、

壁には大きく「刑執行」と書かれていた。


　同じく高速道路周辺の大蛇軍団は、老朽化したマンションを

根城に各部屋に住み、組員やその家族、軍団に関係する堅気等も

同じマンションに居住して総数約３００名だが、装甲車で乗り

込むやロケットランチャーでマンション１階部分を砲撃、建物

ごと崩壊させた上で他の場所にいた組員も見つけ出して始末した。


　当然このようなやり方は一般市民も多数巻き添えとなったが、

それがニュースや新聞で取り上げられる事は無い。しかし噂は

全国に広がり暴力集団は震え上がった。そこだけマスコミは

取り上げるので、国民は犠牲者が出た事も知ってはいるものの、

犯罪者を撲滅するには仕方が無いという風潮が広がっていった。