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第一章
第五話 正体
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程なくして紅蓮団も国道で壊滅した事を知った殺戮党は、光組の
縄張りを手に入れたものの緊張は解けなかった。やはり最後にバイク
で走り去った男は紅蓮団では無かった。紅蓮団が退却を決意して
消えた後、光組の無傷の生き残りが一般人を殺そうとした時に銃撃
を加えバイクで走り去ったのでタイムラグがある。
極度の興奮状態だった重傷の光組組員9名には紅蓮団の逃げ遅れ
に映ったのだろう。もっとも、いくら重傷とはいえ無傷の仲間が全員
殺られてしまった為に、自分可愛さに反撃もせず死んだフリをして、
謎の男も全滅させたと勘違いして去ったのかもしれない。いずれにせよ
謎の男が光組を壊滅させ、紅蓮団も誰かに全滅させられたのは事実だ。
殺戮党の本部では自衛隊崩れの数人を中心に謎の男について話し
合われていた。「やっぱり住民から聞いた特徴からしてそいつぁ‘車輪‘
に似てるな」「‘車輪‘?聞いた事ねーな」「偵察隊っつーバイク部隊の
凄腕隊員だった野郎だ」「奴はその後空挺団に入ったが国の軍縮政策で
リストラされて、外国の紛争地帯で傭兵になったって噂だ」、、
車輪とあだ名される男は自宅に戻り考え込んでいた。過去に偵察隊で
優れた成績を修め、よりやり甲斐を求めて空挺団に入ったがリストラ、
仕方無さと技術を活かす為に傭兵となったが、結局権力者の利権の為に
敵を殺す日々に嫌気がさし帰国、その後は非正規の派遣で工場勤務を
していたが、それも雇い止めになり自身の不運を恨んでさえいた。
しかし今日、久々に隠し持っていた銃を使って一般人を苦しめる悪党共
を一掃した事で、国民を守りたい一心で自衛隊に入った時の気持ちが蘇る。
「自分にやれる事」はこれだ。今まで自分の存在価値など無いのではと
悩んでいたが、こういう事は俺にしか出来ないだろう。どの道裏社会を
敵に回して後戻りは出来ない。男はギラつく活きた眼で遠くを見ていた。
縄張りを手に入れたものの緊張は解けなかった。やはり最後にバイク
で走り去った男は紅蓮団では無かった。紅蓮団が退却を決意して
消えた後、光組の無傷の生き残りが一般人を殺そうとした時に銃撃
を加えバイクで走り去ったのでタイムラグがある。
極度の興奮状態だった重傷の光組組員9名には紅蓮団の逃げ遅れ
に映ったのだろう。もっとも、いくら重傷とはいえ無傷の仲間が全員
殺られてしまった為に、自分可愛さに反撃もせず死んだフリをして、
謎の男も全滅させたと勘違いして去ったのかもしれない。いずれにせよ
謎の男が光組を壊滅させ、紅蓮団も誰かに全滅させられたのは事実だ。
殺戮党の本部では自衛隊崩れの数人を中心に謎の男について話し
合われていた。「やっぱり住民から聞いた特徴からしてそいつぁ‘車輪‘
に似てるな」「‘車輪‘?聞いた事ねーな」「偵察隊っつーバイク部隊の
凄腕隊員だった野郎だ」「奴はその後空挺団に入ったが国の軍縮政策で
リストラされて、外国の紛争地帯で傭兵になったって噂だ」、、
車輪とあだ名される男は自宅に戻り考え込んでいた。過去に偵察隊で
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