スーパーシティ ～放置国家～

第一章

第四話 乗っ取り

　銃撃戦があった場所では多数の死体と共に重傷の光組組員９名と、

鉄砲玉にされた一般人８名うち重症者２名が横たわり、町の住民は

震えながら窓から様子を見ていた。間もなくしてトラックや四駆が

数台乗り付けてきたかと思うと、迷彩服、坊主頭の男達が３０人程

降りてきた。光組と協定を結んでいる「殺戮党」である。


　一見軍隊のように見えるが全員和彫りの入れ墨でサラシを巻き、

迷彩服ははだけるか上半身裸でヨタヨタ歩き、統制の取れた軍隊

とは程遠い印象だ。ボスの他数人が自衛隊崩れで、恐喝の他誘拐、

麻薬の密輸等をシノギとしている。光組とは毛色が違うのでシノギ

が被る事も無く、長年協力関係にあり今回も助太刀を頼んでいた。


　重傷で横たわる光組組員が叫んだ。「遅ェじゃねーかっ、早く病院

に連れてってくれっ、紅蓮団の返しは後だっ」そう言ったかと思うと、

殺戮党の組員は光組９名と鉄砲玉の一般人８名を、次々日本刀で斬り

つけ文字通り殺戮していった。そして１人がトラックに戻ると車載式

拡声器のスイッチを入れマイクを握った。


　「これよりこの地域は我々殺戮党の支配地域とする！我が殺戮党

がこの地を支配するからには貴様ら住民は我々に従う義務がありっ、

反逆したり逃げ出す者には相応の刑に処す！」、、、結局光組が壊滅

した所で別の暴力集団が来る。全国どこに行ってもこんな状況には

変わりが無い。仮に住民が団結して勝利しても同じ事の繰り返しだ。


　早速殺戮党は辺りの民家のドアを蹴破り、どういった状況だったか

聞き込みにまわる。そして最後は謎の男が現れバイクで走り去った事

を聞き出した。最初は紅蓮団の組員と思ったが明らかに暴力集団と違う

堅気の風体と銃器の扱い、殺戮党幹部は不穏な空気を感じた。「その

風貌と桁違いの腕っつーのはまさかアイツじゃねーだろな」、、、