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2章
黎明に咲く花 第1話
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新人歌手と極道で闘技の大スターの結婚を公表するのに、叔父達は案の定大反対した。しかし、全ての決定権は、御籐様の手にあった。御籐様は、絶対公表すると言って聞かなかった。なぜなら……
私を自分の嫁だと国中に自慢したいから、とのことであった。
世間では、ビックニュースに大荒れだったが、例えそれで私の歌手の人生が終わってしまおうとも、私に後悔はなかった。
だって、私が歌を聞いてほしい人は、一番傍にいてくれるから……。
私と御籐様の婚礼式は、御籐様の大屋敷でこれから盛大に行われる。
御籐様のお屋敷に合わせ、装飾はすべて朱で統一されている。
私は、絹でできたロングドレスを身に纏っている。ドレスには、夕日のように赤い牡丹。
親族や御籐組、仲澤組、白明会の関係者も揃っており、なんとも壮大な雰囲気だ。
父に手を引かれ、皆が作ってくれた花道を歩く。
すると
「ゆめー!はよ来いや!もう待てん!」
なんと御籐様は、長い道をひょいっと駆け、私を抱きかかえ、式の間へ走る。
あまりの無作法に岩倉さんと釧路さんの声で
「あちゃー、兄弟。それはアカンて……。」
「しかも、あの格好!いつもの赤い羽織って!ホント信じらんない!」
と聞こえた気がした。
でもいいの、豪快で破天荒で粗暴に見えて、本当は真っ直ぐでとっても優しい人……それが彼の人生であり、私の大好きな旦那様。
「ゆめ。今日は一段と別嬪やなぁ!」
「御籐様は、いつもと変わらず、とっても素敵です!」
「そやろ?お前はこの格好の俺が一番好きやからな!」
そうです。私の一番は、貴方の幸せなのです。
こうやって、ずっと二人で幸せを紡いで行きましょうね。旦那様!
私を自分の嫁だと国中に自慢したいから、とのことであった。
世間では、ビックニュースに大荒れだったが、例えそれで私の歌手の人生が終わってしまおうとも、私に後悔はなかった。
だって、私が歌を聞いてほしい人は、一番傍にいてくれるから……。
私と御籐様の婚礼式は、御籐様の大屋敷でこれから盛大に行われる。
御籐様のお屋敷に合わせ、装飾はすべて朱で統一されている。
私は、絹でできたロングドレスを身に纏っている。ドレスには、夕日のように赤い牡丹。
親族や御籐組、仲澤組、白明会の関係者も揃っており、なんとも壮大な雰囲気だ。
父に手を引かれ、皆が作ってくれた花道を歩く。
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なんと御籐様は、長い道をひょいっと駆け、私を抱きかかえ、式の間へ走る。
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と聞こえた気がした。
でもいいの、豪快で破天荒で粗暴に見えて、本当は真っ直ぐでとっても優しい人……それが彼の人生であり、私の大好きな旦那様。
「ゆめ。今日は一段と別嬪やなぁ!」
「御籐様は、いつもと変わらず、とっても素敵です!」
「そやろ?お前はこの格好の俺が一番好きやからな!」
そうです。私の一番は、貴方の幸せなのです。
こうやって、ずっと二人で幸せを紡いで行きましょうね。旦那様!
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