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序章
曙の空 第4話
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店を出た後、御籐とリョーマは管理している賭場とバーへも顔を出した。どちらも売り上げは、横ばいであり、早急な資金繰りは難しい状況であった。最後に、御籐は気の進まなそうなリョーマをなんとか引き連れ、佳世という女性のいるであろうクラブへと足を運んだ。クラブベイの店内は、落ち着いておりシックな雰囲気で有名なクラッシックが生演奏されていた。
「お久しぶりです。佳世姐さん。」
ブロンドヘアにボルドーのドレスを着た年齢不詳の美女に御籐は頭を下げる。
「あら、御籐ちゃん。あなたから私に会いに来てくれるなんて珍しいわね。」
煙草をくわえた佳世に御籐は流れるような動作で、火を差し出し、点火した。
「ふふ。前より少し、痩せたかしら、ますます大人の色気が出てきて、私好みだわぁ。それで、何?私におねだりにきたんじゃないの?」
佳世は、御籐の身体を撫で、首に腕を回し近づくが、御籐は動じない。
「ええ。俺の持つ水茶屋に新しい娘が欲しいんです。とびきり美人の。佳世さん程のお人なら、何人かご紹介いただけると思いまして。」
御籐はなるべく丁寧に佳世に語りかける。
「まぁ、紹介できることは、紹介できるけど……前にも御籐ちゃんには、可愛いおねだりの仕方、教えたのになぁ。」
「くっ……ホンマですか。姐さん。」
御籐は、悪態をつきかけるが、グッと堪える。漢やろ!腹をくくれ!となんとか自分自身を言い聞かせる。
「……お願いします。佳世お姉様。俺に女の子を紹介してください。」
御籐は、怒りを堪えながら佳世の膝に頭をのせて極力可愛く努めて言った。
「まぁ!御籐ちゃんてば、本当にお利口さんねぇ。すごく可愛い。分かった。私が女の子と摩天楼に伝えておくわ。」
御籐の犠牲により、新人に関しては上手くいくであろう流れとなった。
「御籐ちゃん。私のところに頼りに来るなんて、よっぽどお金に困ってるのね。そんな御籐ちゃんに朗報よ。六華武道場でトーナメント戦が行われてるのは知ってるわよね?あそこ、私も経営に一枚かんでて、良かったら、御籐ちゃんもトーナメントに参加してみない?賞金も出るし、喧嘩自慢の御籐ちゃんには悪い話ではないんじゃない?」
「……たしかに。ぜひ、行かせてもらいます。」
御籐にとっては店の経営等よりもよっぽど、喧嘩の方が得意で好きだ。賞金も出るなら、これ以上の話はない。
「やったぁ!そうと決まったら、早く行きましょ!御籐ちゃんのカッコいい姿、早く見たいわぁ!」
佳世は、御籐と焦るリョーマを引き連れ、六華武道場へと向かった。
「すごーい!さっすが御籐ちゃん!一夜にして優勝なんて!次元が違いすぎるわ!!」
「そースっよ!やっぱ兄貴は最強や!見てください!こんなに賞金が!」
御籐は、涼しい顔でジャケットを羽織りなおした。
「兄貴!これから飯行きましょうや!俺、いい店知ってんです!今回のこと、お礼もかねて奢らしてください!」
リョーマが嬉しそうに御籐を誘う。
「いや、悪いけどええわ。ちょっと急いでんねん。リョーマありがとな。気持ちだけで充分や。賞金は店の金庫いれとってくれ。」
リョーマは不思議そうな顔をしていたが、足早に去る御籐を見送った。
「お久しぶりです。佳世姐さん。」
ブロンドヘアにボルドーのドレスを着た年齢不詳の美女に御籐は頭を下げる。
「あら、御籐ちゃん。あなたから私に会いに来てくれるなんて珍しいわね。」
煙草をくわえた佳世に御籐は流れるような動作で、火を差し出し、点火した。
「ふふ。前より少し、痩せたかしら、ますます大人の色気が出てきて、私好みだわぁ。それで、何?私におねだりにきたんじゃないの?」
佳世は、御籐の身体を撫で、首に腕を回し近づくが、御籐は動じない。
「ええ。俺の持つ水茶屋に新しい娘が欲しいんです。とびきり美人の。佳世さん程のお人なら、何人かご紹介いただけると思いまして。」
御籐はなるべく丁寧に佳世に語りかける。
「まぁ、紹介できることは、紹介できるけど……前にも御籐ちゃんには、可愛いおねだりの仕方、教えたのになぁ。」
「くっ……ホンマですか。姐さん。」
御籐は、悪態をつきかけるが、グッと堪える。漢やろ!腹をくくれ!となんとか自分自身を言い聞かせる。
「……お願いします。佳世お姉様。俺に女の子を紹介してください。」
御籐は、怒りを堪えながら佳世の膝に頭をのせて極力可愛く努めて言った。
「まぁ!御籐ちゃんてば、本当にお利口さんねぇ。すごく可愛い。分かった。私が女の子と摩天楼に伝えておくわ。」
御籐の犠牲により、新人に関しては上手くいくであろう流れとなった。
「御籐ちゃん。私のところに頼りに来るなんて、よっぽどお金に困ってるのね。そんな御籐ちゃんに朗報よ。六華武道場でトーナメント戦が行われてるのは知ってるわよね?あそこ、私も経営に一枚かんでて、良かったら、御籐ちゃんもトーナメントに参加してみない?賞金も出るし、喧嘩自慢の御籐ちゃんには悪い話ではないんじゃない?」
「……たしかに。ぜひ、行かせてもらいます。」
御籐にとっては店の経営等よりもよっぽど、喧嘩の方が得意で好きだ。賞金も出るなら、これ以上の話はない。
「やったぁ!そうと決まったら、早く行きましょ!御籐ちゃんのカッコいい姿、早く見たいわぁ!」
佳世は、御籐と焦るリョーマを引き連れ、六華武道場へと向かった。
「すごーい!さっすが御籐ちゃん!一夜にして優勝なんて!次元が違いすぎるわ!!」
「そースっよ!やっぱ兄貴は最強や!見てください!こんなに賞金が!」
御籐は、涼しい顔でジャケットを羽織りなおした。
「兄貴!これから飯行きましょうや!俺、いい店知ってんです!今回のこと、お礼もかねて奢らしてください!」
リョーマが嬉しそうに御籐を誘う。
「いや、悪いけどええわ。ちょっと急いでんねん。リョーマありがとな。気持ちだけで充分や。賞金は店の金庫いれとってくれ。」
リョーマは不思議そうな顔をしていたが、足早に去る御籐を見送った。
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