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うねうねさん
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くねくねという怪談を聞いた事はありますか?
はい、そうですそうです。
人くらいの大きさで、白く、くねくね動いて、その正体が分かってしまうと正気を失って二度と元には戻れないって話です。
実はね、それに名前が似ている怪談?というか言い伝え?というか、まぁ似ている話があるんですよ。
うねうねさんと言うんですけどね。
これは和歌山県伊都郡天都木村に私の祖父母の上、曾祖父母の頃から伝わる話で田んぼ、もしくは田んぼ跡地に現れる1m近くの黒くて人型のもやみたいなやつで。
人型なんですけども異常に胴体が長くて、その胴体がうねうねと動いていて、その奇怪な動きが名前の由来ですね。
そんな不気味な見た目に反して得を運んでくるんですよ。
田んぼに現れるとそこの田んぼの作物がよく育つようになったり、跡地に現れて、もしそこが旅館だったりすると景気が良くなるんです。
なのでありがたい存在として伝えられているのですが、おかしなところがあるんですね。
曾祖父母の頃から伝わっているのですから言い伝えの発祥はそれよりも前な訳で。
そんな昔ってそういうありがたい存在とか恐ろしい存在には大体『様』を付けると思うんですよ。
称える、奉るという意味を込めてね。
対してうねうねさんは何故『様』ではなく『さん』なのか…不思議ですよね。
それを一度、祖母に聞いたことがあるんですけどその時に言われたのが「あれは様と付けるような大層な存在ではない、かといって呼び捨てにするほど低俗な存在でもない。でもありがたいことに変わりはないから様を使わない代わりに最大限の敬意として『さん』を付けている」と。
言っている意味は分かるんですけど大層でも低俗でもない存在ってイメージ湧きにくいですよね。
私はその時、この際だから深く聞こうと思って祖母に詳しく教えてくれとお願いしました。
祖母は最初は「こんなこと教えるような話ではない」と渋っていたのですが引き下がらない私に根負けして、話し始めてくれました。
祖母の話によると天都木村には変な風習があったらしくて、それが水子の骨を骨粉にして田んぼに撒くというものです。
それを撒いた田んぼで育った作物を食べる想像をしたら、中々気持ち悪いですよね。
そんなおかしい風習を何でやっていたんだと私は言ったんですよ、そしたらその風習は悪意を持ってやっていないと水子に対しての忌むや恐れからやっていたのではないと祖母が言ったんです。
詳しく聞くと、その村では親不孝者は地獄に落ちるという価値観があったんです。
水子って、その子たちにはそのつもりはなくても親不孝者じゃないですか、だって親より先に亡くなってしまうって最大の親不孝みたいなものですから。
まぁ、多くの親はそうだと思うんですけど親は自分の子に地獄に行って欲しくはない訳ですよ。
そこで生み出された救済措置が水子の骨を骨粉にして田んぼへ撒くという行為なんです。
それは『水子の亡骸を田んぼの栄養、親の食料を育てるお手伝いをする』という意味が込められていて、亡くなった自分の子に親孝行をさせて地獄に行くのを防ぐということらしいです。
そして、それが風習化していったということで、それと同時にうねうねさんが現れるようになったそうで。
結局、うねうねさんって何者なんだ、何故『さん』なのかという疑問の答えはうねうねさんは親不孝者の水子で、『さん』をつける理由はうねうねの正体が水子だから大層でも低俗な存在でもないということみたいです。
まぁ、怖くはない、逆に良い話と受け取れるんですけどやっている行為自体本当に気味悪いんですよね。
真相が分かった後でも正直、骨粉が撒かれた田んぼで育った作物を食べようとは思いません。
あれ、でも待って下さい、おかしいですね、なんで黒いんだろう、なんで胴が異常に長いんだろう、そしてなんでうねうね動いているんだろう。
それらが理由になるような話、祖母から聞いていないな。
はい、そうですそうです。
人くらいの大きさで、白く、くねくね動いて、その正体が分かってしまうと正気を失って二度と元には戻れないって話です。
実はね、それに名前が似ている怪談?というか言い伝え?というか、まぁ似ている話があるんですよ。
うねうねさんと言うんですけどね。
これは和歌山県伊都郡天都木村に私の祖父母の上、曾祖父母の頃から伝わる話で田んぼ、もしくは田んぼ跡地に現れる1m近くの黒くて人型のもやみたいなやつで。
人型なんですけども異常に胴体が長くて、その胴体がうねうねと動いていて、その奇怪な動きが名前の由来ですね。
そんな不気味な見た目に反して得を運んでくるんですよ。
田んぼに現れるとそこの田んぼの作物がよく育つようになったり、跡地に現れて、もしそこが旅館だったりすると景気が良くなるんです。
なのでありがたい存在として伝えられているのですが、おかしなところがあるんですね。
曾祖父母の頃から伝わっているのですから言い伝えの発祥はそれよりも前な訳で。
そんな昔ってそういうありがたい存在とか恐ろしい存在には大体『様』を付けると思うんですよ。
称える、奉るという意味を込めてね。
対してうねうねさんは何故『様』ではなく『さん』なのか…不思議ですよね。
それを一度、祖母に聞いたことがあるんですけどその時に言われたのが「あれは様と付けるような大層な存在ではない、かといって呼び捨てにするほど低俗な存在でもない。でもありがたいことに変わりはないから様を使わない代わりに最大限の敬意として『さん』を付けている」と。
言っている意味は分かるんですけど大層でも低俗でもない存在ってイメージ湧きにくいですよね。
私はその時、この際だから深く聞こうと思って祖母に詳しく教えてくれとお願いしました。
祖母は最初は「こんなこと教えるような話ではない」と渋っていたのですが引き下がらない私に根負けして、話し始めてくれました。
祖母の話によると天都木村には変な風習があったらしくて、それが水子の骨を骨粉にして田んぼに撒くというものです。
それを撒いた田んぼで育った作物を食べる想像をしたら、中々気持ち悪いですよね。
そんなおかしい風習を何でやっていたんだと私は言ったんですよ、そしたらその風習は悪意を持ってやっていないと水子に対しての忌むや恐れからやっていたのではないと祖母が言ったんです。
詳しく聞くと、その村では親不孝者は地獄に落ちるという価値観があったんです。
水子って、その子たちにはそのつもりはなくても親不孝者じゃないですか、だって親より先に亡くなってしまうって最大の親不孝みたいなものですから。
まぁ、多くの親はそうだと思うんですけど親は自分の子に地獄に行って欲しくはない訳ですよ。
そこで生み出された救済措置が水子の骨を骨粉にして田んぼへ撒くという行為なんです。
それは『水子の亡骸を田んぼの栄養、親の食料を育てるお手伝いをする』という意味が込められていて、亡くなった自分の子に親孝行をさせて地獄に行くのを防ぐということらしいです。
そして、それが風習化していったということで、それと同時にうねうねさんが現れるようになったそうで。
結局、うねうねさんって何者なんだ、何故『さん』なのかという疑問の答えはうねうねさんは親不孝者の水子で、『さん』をつける理由はうねうねの正体が水子だから大層でも低俗な存在でもないということみたいです。
まぁ、怖くはない、逆に良い話と受け取れるんですけどやっている行為自体本当に気味悪いんですよね。
真相が分かった後でも正直、骨粉が撒かれた田んぼで育った作物を食べようとは思いません。
あれ、でも待って下さい、おかしいですね、なんで黒いんだろう、なんで胴が異常に長いんだろう、そしてなんでうねうね動いているんだろう。
それらが理由になるような話、祖母から聞いていないな。
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