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バッドエンドルートなんて聞いていませんわ!
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わたくしは悪役令嬢のアンジェリーヌに転生してしまいました。
婚約解消を申し出るため、早速婚約者である第二王子殿下へお知らせしたのですが……『私との婚約を解消したら、おまえは処刑されるぞ』と脅されてしまいました。
……わたくしを処刑? そんなバカな! わたくしは悪役令嬢で、ヒロインをいじめた罪により国外追放か断頭台行きが決まっていたはずです! ここで処刑になるはずはないと思うのですが……。
「なぜわたくしが処刑されるのですか?」
「おまえの妹は平民の出身だろう」
……わたくしに妹がいることはご存じなのですね。
それにしても、何ということはありませんわ。
「それがどうかしましたの?」
わたくしは王太子殿下に向き直って尋ねました。
すると、王太子殿下は不思議そうに目を丸くしました。
「アンジェリーヌ、おまえは知らないのか?」
「何をですか?」
わたくしがキョトンとすると、王太子殿下がゆっくりと説明してくださいました。
「妹は平民の出だから、貴族としての教育を受けていないのだ」
「ええ、それは想像ができますわ」
わたくしがそう答えると、王太子殿下が意外そうに言いました。
「アンジェリーヌ、おまえは私の婚約者だろう? 何故そのことを知らない?」
「申し訳ございませんが、わたくしも妹がいることすら知らなかったのです」
「……では、今までどうしていたのだ?」
わたくしは心の中でため息をつきました。
(……そんなことも知らないなんて、ずいぶんとおめでたい頭をお持ちなのですね)
しかし、そんな本音は表に出さずに答えます。
「お父様がご存じでしたので、わたくしだけ教育係に教えていただいていました」
王太子殿下はわたくしの答えに満足したように頷きました。
「そうか。では、今後は私直々にアンジェリーヌを教育しよう」
(……どういうことでしょうか?)
わたくしは首をかしげましたが、特に断る理由もないので了承しました。
******
これがいけなかったのです。
まさか、この選択もバッドエンドルートへの入口だったなんて...。
******
婚約解消を申し出るため、早速婚約者である第二王子殿下へお知らせしたのですが……『私との婚約を解消したら、おまえは処刑されるぞ』と脅されてしまいました。
……わたくしを処刑? そんなバカな! わたくしは悪役令嬢で、ヒロインをいじめた罪により国外追放か断頭台行きが決まっていたはずです! ここで処刑になるはずはないと思うのですが……。
「なぜわたくしが処刑されるのですか?」
「おまえの妹は平民の出身だろう」
……わたくしに妹がいることはご存じなのですね。
それにしても、何ということはありませんわ。
「それがどうかしましたの?」
わたくしは王太子殿下に向き直って尋ねました。
すると、王太子殿下は不思議そうに目を丸くしました。
「アンジェリーヌ、おまえは知らないのか?」
「何をですか?」
わたくしがキョトンとすると、王太子殿下がゆっくりと説明してくださいました。
「妹は平民の出だから、貴族としての教育を受けていないのだ」
「ええ、それは想像ができますわ」
わたくしがそう答えると、王太子殿下が意外そうに言いました。
「アンジェリーヌ、おまえは私の婚約者だろう? 何故そのことを知らない?」
「申し訳ございませんが、わたくしも妹がいることすら知らなかったのです」
「……では、今までどうしていたのだ?」
わたくしは心の中でため息をつきました。
(……そんなことも知らないなんて、ずいぶんとおめでたい頭をお持ちなのですね)
しかし、そんな本音は表に出さずに答えます。
「お父様がご存じでしたので、わたくしだけ教育係に教えていただいていました」
王太子殿下はわたくしの答えに満足したように頷きました。
「そうか。では、今後は私直々にアンジェリーヌを教育しよう」
(……どういうことでしょうか?)
わたくしは首をかしげましたが、特に断る理由もないので了承しました。
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これがいけなかったのです。
まさか、この選択もバッドエンドルートへの入口だったなんて...。
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