きみの隣まで、あと何歩。

なつか

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六歩目.泊っていきなよ。

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この世界は異能が使える世界
そんな世界の説明が入る、この世界は
俺にとっては皮肉じみている
みんなが夢見るその世界イコール異能が使える世界
そんな世界になっても犯罪も法律も消えやしない
今もきっと誰かが植物を踏み潰している
自然を命を大事に
その言葉はただの秩序の塊
だから俺は醜く生まれ
俺は醜く生きて
私は醜く殺して
俺と私は醜く死ぬんだ
だってそれが現実なのだから

ジリリリリ、ジリリリリ
とけたたましい目覚まし時計が鳴る
ガチャ
虚ろな瞳を眠たそうに開け窓の外を見ると
親鳥が雛に餌をやっているところが見える
カーテンをガラッと閉め、頭をかきながら
まだ寝ぼけた頭での名を呼ぶ
「おい、出てこい

タ…タ…タ…タ…と通学路を歩く
落ちた枯れ葉を踏みながら歩いていると
「ゆ~うきっ!」
と後ろから声がして抱きつかれる
もしやと後ろを振り返ると
「ゲ、ミアン」
「『ゲ』ってなによ!ってか棒読みだから本当にそう思っているかもわからないじゃない!」
こいつは中学校時代から突っかかってくる先輩のミアン
正直言って鬱陶しい
こいつは俺を国立能力統一学校に推薦した奴だ
「だって俺は姿を変える能力だ今はこんな姿だが本当はぐちゃぐちゃの化け物かもしれねぇのに突っかかって靴やつがいるとは思えねぇ」
「いや~思うだけで実はいるんだな~ここに」
ウザッ
「ミアンは上級異能者、俺は下級異能者だ。俺をここに推薦したのもそうだが他の上級異能者とでも仲良くすればいいじゃないかなんで俺に突っかかってくる?」
「んー煽りかな?」
「サイテー」
「あー!上級異能者への悪口は犯罪なんだよ!」
江戸時代の百姓みたいな気分だ
だが実際にこれは法律としてある
本当にこれが人種差別ってやつだよな
「大丈夫だ、これは挨拶だ」
「挨拶っ!?」
異能者と言っても位が4つくらいに分かれている
上級異能者、中級異能者、下級異能者
そして上級異能者の上に君臨するのは
四天王というやつが世界を統べている
一人は風の使い手 グリア 頭が良いらしい
一人は火の使い手 メシア 脳筋
一人は水の使い手 バルン 性格悪い
一人は木の使い手 スタン 本気マジで痛い
という曲者揃いだ
「上級異能者って頭イってる人が多いのか?」
「私、頭イってると思われてるの!?」
おっとついつい声に出してしまった
これは失敬失敬
と話している間に高校が近づく
俺の通っている国立能力統一学校は実際、俺のような
下級能力者が入るところじゃないのだが…
ミアン(先輩&生徒会長)が俺を推薦したせいで俺だけ一人、下級異能者だ
これはいじめられる予感がするぞ…
「君は上級異能者ほどの実力を持っていそうなんだけどなぁ」
「そんなわけない」
いや、そんな訳あるかもな…俺の能力は
2つある
1つ目は姿を変える…いや自分自身の身体を自由自在に操れる能力
2つ目は…悪魔を呼び出す能力だ
なんで隠しているか…そんなの1つに決まってる
此ノ世界二終焉ヲモタラスタメ
「どうしたの?優希が微笑むなんて珍しい…」
「俺だって微笑むよ、少し学校生活が楽しいからな」
「前は嫌がってた癖に~」
そうして始まる俺の終わりへと向かう物語が…
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