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二歩目.また来てよ。
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それから一週間がたち、今週は高槻が体育館の前で上級生に囲まれている様子は一度も見なかった。
きっと相原が何か手を打ったんだろう。
結局、あれから高槻は視聴覚室には来ていない。余計なことを言っただろうか…。
思わずため息が出る。
「どうしたんですか、ため息なんかついて」
「いや、何でもないよ。緒方はもう帰る?」
「はい、お疲れさまでした。瀬良先輩もほどほどにして帰ってくださいね」
「うん、おつかれ」
時間は八時少し前。大体このくらいの時間には他の部員は全員帰り、俺一人になる。
先週はそこに高槻が来てくれた。
今日もついそれを期待して、ずっとそわそわとしていたけど、そろそろ諦めモードに入ってきた。
そもそも、なんで高槻が来るかどうか考えるとそわそわしてしまうんだろう。
今までだって、他の部活のやつが遊びに来ることなんて何度もあったのに、高槻は何が違うんだろう……。
だめだ、今はゲームに集中しよう。
モニターに俺の勝利を知らせる文字が浮かび、画面から目を離すと、ふと後ろに気配を感じた。
「うわぁ! びっくりした!!」
そこには高槻が立っていて、正直心臓が飛び出るかと思うくらい驚いた。
「すいません。一応、声かけたんですけど」
「いや、悪い。集中してると周りの音聞こえなくなるんだ」
本当に気が付かなかった。心臓がバクバクとうるさい。だってもう来ないと思ってたんだ。
それなのに、来てくれた。嬉しい。
あっ俺、高槻に会いたいと思ってたんだな。
なんで?
よくわからない気持ちがグルグルと頭を回っている。
「これ、この間やったやつとは違いますよね」
「あぁこれは格ゲーな。今度大会あるから、練習中」
俺は今、ちゃんと喋れているだろうか。なかなか心臓が収まらない。
「……あれから部活どう?」
「相原さんが話してくれたみたいで、一応今週は何もありませんでした」
「ならよかったけど、ちょっと余計なお世話だったなと思って」
やっぱり相原がちゃんと手を打ったらしい。よかったけど、何かしたわけではない自分がちょっと悔しい。
「俺もそろそろ何とかしないととは思ってたので。助かりました。ありがとうございます」
そう言って穏やかにほほ笑む高槻に、落ち着きを取り戻していたはずの心臓がまた大きく跳ねる。
イケメンの笑顔の破壊力はやばい。
俺はそれをごまかすように、思わず高槻の頭に手を伸ばし、髪がぐしゃぐしゃになるほど撫でまわした。
サラサラとした黒髪が、手を通り抜ける感触が心地よかった。
「そっか、またなんかあったら言えよ」
俺にできることなんてきっとないけど……なんでもいいから力になりたい。
高槻は切れ長の目を少しだけ大きくして、俺を見つめていた。その顔がかわいくて、まだ高槻の頭に手を置いたまま、ちょっと意地わるく下からのぞき込んでみた。
「あれ、照れてんの」
そういうと、高槻の顔がみるみる間に赤くなっていく。
あれ、もしかして本当に照れた? でも反応がない……からかいすぎたかな…。
俺は急いで高槻の頭から手を離した。
気を悪くしたかな……なんてハラハラしていたら、高槻は完全に予想外のことを言い出した。
「瀬良さん、連絡先教えてください」
「えっ唐突。いいけど」
本当に唐突。でもよかった。キモいとか思われたわけではなかったみたいだ。
俺はほっと胸をなでおろした。
「えっと、高槻 柊哉、な」
スマホの画面に表示されるその名前を見ただけで、こんなにも嬉しいなんて。
きっと俺は今すごくニヤニヤしている。
でも、心なしか高槻も嬉しそうに見える。それは、どういう感情なんだろう?
心が読めればいいのに。
じっと高槻の顔を見つめていたら、なぜか高槻の手が俺に向かって伸びて来て、そのまま頭に乗せられ、勢いよく俺の髪をぐちゃぐちゃにした。
「うわっ、何するんだよ……!」
「お返しです」
そう言っていたずらっぽく笑う高槻の顔を見て俺は気が付いた。
好きだ。
自然と頭の中にこの言葉が浮かんだ。
そうだ、一緒にいるとフワフワするのも、会えなくて寂しいのも、力になりたいって思うのも、全部、高槻のことを好きになったからなんだ。
ようやく自分の気持ちが腑に落ちた。
今まで余裕がなくて恋愛なんてしてこなかったけど、恋とは落ちるときはこうも簡単なものらしい。
初めての感情な上に、相手は男。
でも、うまくいくと思うんだ。
だって、多分高槻も俺のことが好きだ。
今俺の髪を撫でている手も、見つめる目も、すごく熱くて、優しい。
自惚れだろうか……。
それを確かめるために、俺の頭を撫で終えて元に戻ろうとする高槻の手をつかんだ。
「ふぇっ?!」
俺が手を掴むと、高槻の顔は一気に真っ赤になった。
ほら、やっぱり。
普通、男に手を掴まれたくらいで赤面なんてしないだろ?
だからきっと、高槻も俺と同じ気持ちだ。
でも、焦りは禁物。
もうちょっと時間をかけて見極めたいし、もし俺の予感が当たってるとしたら、向こうからそう言われたい。
恋愛初心者の俺にそんな駆け引きができるかはわからないけど、取りあえずこの掴んだ手にもう少し触れていたい。
俺は両手で俺の手をつかんだまま、じっとその掌を見つめた。
「やっぱり背が高いと手もでかいんだな。うらやましい」
ごまかしを兼ねて言った本心だったけど、高槻は大きなため息をつきながらうなだれてしまった。
褒めたつもりだったんだけどな。さすがに手を放そうとしたら、今度は高槻が俺の手首をつかんだ。
「ほそっ」
感想それかよ。っていうか、お互い何やってるんだろうなってちょっとおかしくなってきた。
「うるせぇわ。運動部と一緒にするな」
俺は高槻の手を振り払うと、自分のスマホに視線を落とした。
「そろそろ帰るか」
時計を見ると時間は九時を過ぎていた。
高槻と一緒にいるのは楽しいし、なんか安心できる。
もう少し一緒にいたいけど、今日はここまで。
先週と同じように視聴覚室の鍵を閉め、二人で校門へと向かい歩いていく。
そういえば、先週ここで相原に会ったことを思い出した。
それはどうやら高槻も同じだったらしい。
「そういえば、瀬良さんは相原さんと知り合いなんですよね」
「家が隣同士だっただけ」
高槻は事情を知らないんだから、こんな態度はよくないとわかっていても、つい厳しい口調になってしまう。
「あぁそれで幼馴染。そういえば、今は一人暮らしなんですよね。実家遠いんですか?」
「いや、別に」
俺の不機嫌さを感じ取った高槻は、明らかに焦っているし、黙ってしまった。
気まずい沈黙が流れる。
俺、すごく感じ悪いな。頭にある黒い感情を振り払い、できるだけ明るい声を出した。
「高槻は実家? 家どのへん?」
「あっ実家です。西区なんで、割と近くです」
「へぇ俺も今、西区に住んでるよ。なら、後ろ乗っけてって」
俺は高槻が引いていた自転車の後ろにまたがり、笑顔を向けた。
それを見て、高槻はあからさまにホッとした顔になった。
ごめん、って心の中で謝る。
「はい、家まで送ります」
「マジで! サンキュ」
高槻は優しい。一緒にいると本当に落ち着く。
その広い背中を見ながら、早く俺のものになったらいいのに、そう思った。
俺の家は学校から自転車で五分ほどの場所にある。セキュリティがしっかりした、単身者向けのマンション。正直、高校生が一人暮らしをするにしては結構いいところだ。
親が出した一人暮らしの条件に当てはまるのがここだった、というだけなんだけど。
「ここに住んでたんですね。俺、毎日この道通ります」
「そうなんだ。朝は時間違うから会わないもんな」
「ですね。良ければまた帰り送ります」
「あぁ、ありがと。じゃあまたな、おやすみ」
「はい、おやすみなさい」
『おやすみ』なんて、ちょっとくすぐったい。しかも、また送ってくれるって……どうしても顔がニヤいてしまう。
こんなにも楽しい気持ちで、この部屋に帰ってきたのは初めてだった。
きっと相原が何か手を打ったんだろう。
結局、あれから高槻は視聴覚室には来ていない。余計なことを言っただろうか…。
思わずため息が出る。
「どうしたんですか、ため息なんかついて」
「いや、何でもないよ。緒方はもう帰る?」
「はい、お疲れさまでした。瀬良先輩もほどほどにして帰ってくださいね」
「うん、おつかれ」
時間は八時少し前。大体このくらいの時間には他の部員は全員帰り、俺一人になる。
先週はそこに高槻が来てくれた。
今日もついそれを期待して、ずっとそわそわとしていたけど、そろそろ諦めモードに入ってきた。
そもそも、なんで高槻が来るかどうか考えるとそわそわしてしまうんだろう。
今までだって、他の部活のやつが遊びに来ることなんて何度もあったのに、高槻は何が違うんだろう……。
だめだ、今はゲームに集中しよう。
モニターに俺の勝利を知らせる文字が浮かび、画面から目を離すと、ふと後ろに気配を感じた。
「うわぁ! びっくりした!!」
そこには高槻が立っていて、正直心臓が飛び出るかと思うくらい驚いた。
「すいません。一応、声かけたんですけど」
「いや、悪い。集中してると周りの音聞こえなくなるんだ」
本当に気が付かなかった。心臓がバクバクとうるさい。だってもう来ないと思ってたんだ。
それなのに、来てくれた。嬉しい。
あっ俺、高槻に会いたいと思ってたんだな。
なんで?
よくわからない気持ちがグルグルと頭を回っている。
「これ、この間やったやつとは違いますよね」
「あぁこれは格ゲーな。今度大会あるから、練習中」
俺は今、ちゃんと喋れているだろうか。なかなか心臓が収まらない。
「……あれから部活どう?」
「相原さんが話してくれたみたいで、一応今週は何もありませんでした」
「ならよかったけど、ちょっと余計なお世話だったなと思って」
やっぱり相原がちゃんと手を打ったらしい。よかったけど、何かしたわけではない自分がちょっと悔しい。
「俺もそろそろ何とかしないととは思ってたので。助かりました。ありがとうございます」
そう言って穏やかにほほ笑む高槻に、落ち着きを取り戻していたはずの心臓がまた大きく跳ねる。
イケメンの笑顔の破壊力はやばい。
俺はそれをごまかすように、思わず高槻の頭に手を伸ばし、髪がぐしゃぐしゃになるほど撫でまわした。
サラサラとした黒髪が、手を通り抜ける感触が心地よかった。
「そっか、またなんかあったら言えよ」
俺にできることなんてきっとないけど……なんでもいいから力になりたい。
高槻は切れ長の目を少しだけ大きくして、俺を見つめていた。その顔がかわいくて、まだ高槻の頭に手を置いたまま、ちょっと意地わるく下からのぞき込んでみた。
「あれ、照れてんの」
そういうと、高槻の顔がみるみる間に赤くなっていく。
あれ、もしかして本当に照れた? でも反応がない……からかいすぎたかな…。
俺は急いで高槻の頭から手を離した。
気を悪くしたかな……なんてハラハラしていたら、高槻は完全に予想外のことを言い出した。
「瀬良さん、連絡先教えてください」
「えっ唐突。いいけど」
本当に唐突。でもよかった。キモいとか思われたわけではなかったみたいだ。
俺はほっと胸をなでおろした。
「えっと、高槻 柊哉、な」
スマホの画面に表示されるその名前を見ただけで、こんなにも嬉しいなんて。
きっと俺は今すごくニヤニヤしている。
でも、心なしか高槻も嬉しそうに見える。それは、どういう感情なんだろう?
心が読めればいいのに。
じっと高槻の顔を見つめていたら、なぜか高槻の手が俺に向かって伸びて来て、そのまま頭に乗せられ、勢いよく俺の髪をぐちゃぐちゃにした。
「うわっ、何するんだよ……!」
「お返しです」
そう言っていたずらっぽく笑う高槻の顔を見て俺は気が付いた。
好きだ。
自然と頭の中にこの言葉が浮かんだ。
そうだ、一緒にいるとフワフワするのも、会えなくて寂しいのも、力になりたいって思うのも、全部、高槻のことを好きになったからなんだ。
ようやく自分の気持ちが腑に落ちた。
今まで余裕がなくて恋愛なんてしてこなかったけど、恋とは落ちるときはこうも簡単なものらしい。
初めての感情な上に、相手は男。
でも、うまくいくと思うんだ。
だって、多分高槻も俺のことが好きだ。
今俺の髪を撫でている手も、見つめる目も、すごく熱くて、優しい。
自惚れだろうか……。
それを確かめるために、俺の頭を撫で終えて元に戻ろうとする高槻の手をつかんだ。
「ふぇっ?!」
俺が手を掴むと、高槻の顔は一気に真っ赤になった。
ほら、やっぱり。
普通、男に手を掴まれたくらいで赤面なんてしないだろ?
だからきっと、高槻も俺と同じ気持ちだ。
でも、焦りは禁物。
もうちょっと時間をかけて見極めたいし、もし俺の予感が当たってるとしたら、向こうからそう言われたい。
恋愛初心者の俺にそんな駆け引きができるかはわからないけど、取りあえずこの掴んだ手にもう少し触れていたい。
俺は両手で俺の手をつかんだまま、じっとその掌を見つめた。
「やっぱり背が高いと手もでかいんだな。うらやましい」
ごまかしを兼ねて言った本心だったけど、高槻は大きなため息をつきながらうなだれてしまった。
褒めたつもりだったんだけどな。さすがに手を放そうとしたら、今度は高槻が俺の手首をつかんだ。
「ほそっ」
感想それかよ。っていうか、お互い何やってるんだろうなってちょっとおかしくなってきた。
「うるせぇわ。運動部と一緒にするな」
俺は高槻の手を振り払うと、自分のスマホに視線を落とした。
「そろそろ帰るか」
時計を見ると時間は九時を過ぎていた。
高槻と一緒にいるのは楽しいし、なんか安心できる。
もう少し一緒にいたいけど、今日はここまで。
先週と同じように視聴覚室の鍵を閉め、二人で校門へと向かい歩いていく。
そういえば、先週ここで相原に会ったことを思い出した。
それはどうやら高槻も同じだったらしい。
「そういえば、瀬良さんは相原さんと知り合いなんですよね」
「家が隣同士だっただけ」
高槻は事情を知らないんだから、こんな態度はよくないとわかっていても、つい厳しい口調になってしまう。
「あぁそれで幼馴染。そういえば、今は一人暮らしなんですよね。実家遠いんですか?」
「いや、別に」
俺の不機嫌さを感じ取った高槻は、明らかに焦っているし、黙ってしまった。
気まずい沈黙が流れる。
俺、すごく感じ悪いな。頭にある黒い感情を振り払い、できるだけ明るい声を出した。
「高槻は実家? 家どのへん?」
「あっ実家です。西区なんで、割と近くです」
「へぇ俺も今、西区に住んでるよ。なら、後ろ乗っけてって」
俺は高槻が引いていた自転車の後ろにまたがり、笑顔を向けた。
それを見て、高槻はあからさまにホッとした顔になった。
ごめん、って心の中で謝る。
「はい、家まで送ります」
「マジで! サンキュ」
高槻は優しい。一緒にいると本当に落ち着く。
その広い背中を見ながら、早く俺のものになったらいいのに、そう思った。
俺の家は学校から自転車で五分ほどの場所にある。セキュリティがしっかりした、単身者向けのマンション。正直、高校生が一人暮らしをするにしては結構いいところだ。
親が出した一人暮らしの条件に当てはまるのがここだった、というだけなんだけど。
「ここに住んでたんですね。俺、毎日この道通ります」
「そうなんだ。朝は時間違うから会わないもんな」
「ですね。良ければまた帰り送ります」
「あぁ、ありがと。じゃあまたな、おやすみ」
「はい、おやすみなさい」
『おやすみ』なんて、ちょっとくすぐったい。しかも、また送ってくれるって……どうしても顔がニヤいてしまう。
こんなにも楽しい気持ちで、この部屋に帰ってきたのは初めてだった。
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