星の降る日は

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2. 日差しの強い日は

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 すっかりきれいに整えられた塔の部屋には、この塔の主と共にとる朝食作りに勤しむエルバルトがいた。
 あの日、迎えに来た騎士団員に連れ帰られたエルバルトは、宣言通りその日のうちに試験に合格し、騎士となった。
 それから半年、エルバルトは毎日魔塔に寝泊まりし、騎士というよりかは、まるで下男のように甲斐甲斐しくこの塔の主の世話を焼いている。
「お前、いい加減宿舎に帰れよ」
 通常、騎士団に所属する騎士は王宮内にある騎士団宿舎に暮らす。騎士団員となったエルバルトにももちろん部屋が与えられているが、そこで眠ったことは今のところ一度もない。
「いつも言っていますが、宿舎の利用は必須ではありません。それにここで過ごす許可も騎士団長からちゃんと得ています」
 この半年間、同じやり取りを何度も繰り返している。

 ――どうせすぐ来なくなると思っていたのに…。

 シチューを口に運びながら、アレクシスは向かいに座るエルバルトを憎らしげに見やるが、エルバルトはそんな目線など意にも介さず、うっとりと優しい眼差しを向ける。
「お味はどうですか、アレクシス様」
 魔塔の主こと、アレクシス・ラントからの返事はないが、手を止めることなく食べ続ける様子から、どうやら気に入ったのだろう。
 エルバルトが塔で暮すようになった日から、塔の住環境は圧倒的によくなった。何よりエルバルトの作る食事があまりにもおいしかったせいで、アレクシスはもう強くエルバルトを押し帰することができなくなっていた。
 完全に胃袋をつかまれてしまったのである。

 食事を終え、エルバルトがお茶の準備をしていると、塔の入り口でベルが鳴った。
 当然のようにエルバルトがドアを開けると、薄暗い塔の中に、外からの強い日差しが差し込んだ。
「やぁエルくん。今日は暑いねぇ」
 ドアの向こうにいたのは、赤茶色の長い髪を高い位置で一つに束ねたメガネを掛けた女性と、威圧感を覚えるほど背が高く体格の良い、焦げ茶色の短髪の男。
 神殿の医官であるリシュカ・アーベルと、彼女の護衛騎士であるアーロン・ドットだ。二人は、月に一度アレクシスの様子を診に塔に訪れるため、すでにエルバルトとも面識がある。
 だからこそ、エルバルトは立ちはだかるように二人の前に立った。
「えーっと……入れてもらってもいいかな?」
 ドアの前からどこうとしないエルバルトに、リシュカは困ったように眉を下げている。後ろに立つアーロンからは「またか」と言わんばかりのため息が聞こえた。
 でも、エルバルトはそんな二人の様子などどうでもいい。
「アレクシス様はまだお休みです。お帰り下さい」
 開かれたドアの隙間から、ソファで本を読むアレクシスが丸見えであるが、エルバルトは悪びれる様子もなく、ドアを閉めた。

「なんで私たちこんなに嫌われちゃってるんですかねぇ」
 訪問の度、恒例行事のように行われる無益な押し問答をアーロンが力技で終わらせ、塔の二階にある寝室でアレクシスを診るリシュカが苦笑交じりに言うが、実のところその理由が、今から三カ月前の訪問時に起こった出来事のせいであることをリシュカはわかっていた。


 半年前、初めてエルバルトに会った時、リシュカはその大きな瞳が地面に落ちるかと思うほど驚いた。
 アレクシスが塔の主となってから、いや、リシュカが魔塔に訪れるようになってから、塔の中にその住人以外の人がいたことは一度もなかった。
 それどころか、彼はこの塔でアレクシスと共に暮らしているという。
 どうせすぐに出て行く、とアレクシスは言っていたのに、その一カ月後に再び訪れると、塔の中がすっかり『二人暮らし』の様相になっていたことには驚きすぎて顎を外しかけた。
 さらにはたびたび指導してもよくならなかったアレクシスの不摂生は、エルバルトと暮らし始めたことで驚くほど改善されている。
「うん、問題ないわ。それどころかこの二カ月で体調は以前よりとってもよくなってますね! 彼のおかげかな~」
 フフッとからかうように微笑みかけると、アレクシスはあからさまに嫌そうな顔をする。それでも否定をしないのだから、本人もわかっているのだろう。
「魔力も安定してます。さすがですね」
「ふんっ。そうは言っても俺もここにきてもう五年だ。そろそろ『次』の準備が始まったんじゃないのか」
 アレクシスのあざけるような言葉に明るかったリシュカの顔が一瞬にして曇った。それはアレクシスの言葉が事実であるということだろう。
「前のやつは五年だったからな。でも俺のほうがずっと魔力量は多い。そう簡単には死んでやらないからな」
「彼は…知っているんですか?」
「はっ。わざわざ言えって? 俺はあと数年で死ぬぞって」

 ガシャンッ!!――

 唐突に食器が割れるような音がドアのすぐ外から響いた。
 慌ててリシュカがドアを開けると、床にはお茶が入れられていただろうティーカップが砕け散り、そのすぐそばにはエルバルトが立っていた。

 ――聞かれてしまった!

 慌てて取り繕うとするが、すでにエルバルトの瞳にリシュカは映らない。
 その横を通り抜け、エルバルトはアレクシスに駆け寄った。
「どういうことですか…?」
 チッと舌を打ち、縋るように詰め寄るエルバルトにアレクシスは顔をそむけたまま、黙ったままでいる。
「ちゃんと説明してください!」
 今にも泣きだしそうな顔でしがみつくエルバルトに、アレクシスは再度ため息を吐いて立ち上がった。
「聞こえたんだろ? 俺はあと数年で死ぬ。それが魔塔主の運命だ」
 それだけ言うと、呆然と座り込んだエルバルトを置いて、アレクシスは部屋から出て行ってしまった。

 二人の様子を見ていたリシュカは、こんなふうに知らせたくはなかったと自分のうかつさにぐっと唇を噛む。でも、もうエルバルトは知ってしまった。そして、アレクシスは詳しい話を自分からは決してしないだろう。
 それならば、それは自分の役目だ、とリシュカは拳に力を込めた。
「ちゃんと説明するわ…」


 話の始まりはエクドラル王国の創生期までさかのぼる。
 『建国の魔導士』
 エクドラル王国建国に寄与した英傑であり、その強大な魔力で王都フィーレンに結界を張った張本人である。
 魔塔の主はその建国の魔導士の力をただ一人で受け継ぐ『器』であり、王都に張られた結界を維持する者。
 これはエクドラル王国に伝わる物語でよく知られた話だ。
 建国の魔導士の力を受け次ぐ『器』となると、髪の色が抜け、成長が止まる。そして、その力を宿した証として、金色の瞳が宿る。
 物語の中では、それは神聖な力を受け継いだ証だとされていたが、実のところはその強大な力を取り込んだ代償に過ぎなかった
 さらに、その強大な力を制御し、結界を維持し続けるためには、『器』が持つ魔力を必要とする。強大な力を制御するのだ。それには当然多くの魔力を消費した。
 魔力はある程度休めば回復するが、回復する暇もなく使い続ければ、いつかそれは枯渇する。
 魔力の枯渇、それは『死』を意味した。
 アレクシスは歴代の魔塔主の中でもずば抜けた魔力を持っているが、それでも強大な建国の魔導士の力には遠く及ばない。
 その限界は遠からず必ず訪れる。

「でも…それなら…死ぬ前に、他の人にその力を移せばいいじゃないですか」
「それはできないの…。もちろん私たちも何とかほかの方法がないかいろいろ調べたし、試したわ。でも、一度取り込んだ力を取り出すことはできなかった」
 無理やり取り出せば、その力自体が消滅してしまう可能性もある。そうすれば結界も消えてしまう。
 結界を維持するためには、現状、魔塔の主の命と引き換えに、建国の魔導士の力を受け継いでいくしかなかった。
 エルバルトは物語からは知り得ることのできなかった魔塔の主の残酷な現実に打ちのめされた。
 そして、何も知らず、アレクシスの護衛騎士になるなどと浮かれていた自分が、悔しくて、恥ずかしくて、仕方がなかった。
「この話を聞いてどうするかはあなた次第よ。でも、きっとアレクシス様はあなたといることで何かが変わってきているわ。……あなたもそうでしょう?」


 エルバルトは幼少期から子供らしからぬ子であった。何をしても大抵すぐにできたし、そのどれもが人より優れていた。
 ウェイン家という名家の子息であったこともあり、周りの大人たちはエルバルトを天才だともてはやしたが、その一方で疎んでいることも知っている。
 だが、それを気にするほどの繊細さは持っていなかったし、人にも物にも興味が持てないまま、冷えた感情を常に抱いていた。
 それが、アレクシスに出会い、共に過ごすことで、今まで感じたことのない、強くあたたかい感情を知った。


 初めて一緒にいたいと思った人だ。絶対に失いたくない。
 絶望したってなにも変わらない。
 そんなことをしている間にもアレクシスは命を落とすかもしれないのだ。
 何か自分にできることを探そう。
 エルバルトは心を強く奮い立たせた。



「いつまで磨いているつもりだ」
 後ろから掛けられた声に、無心で風呂を磨いていたエルバルトは、はっと我に返り振り返る。そこにはいつもと変わらぬアレクシスが立っていた。
 エルバルトは三カ月前、リシュカに聞いた話を思い返す。
 どうしたらこの美しい人を救えるのか…それを考えない日はなかった。
 だが、その答えはまだ見つからない。
 アレクシスもあれ以来、この話題に触れることはなかった。
 リシュカやアーロンに当たったところで何の意味もないことはエルバルトもわかっている。それでもつい牙を向けずにいられない。
 すべてがアレクシスを奪う敵に見える。
 誰にも会わせず、自分の内にだけ囲ってしまいたい、そんな妄執を抱いてしまう。

「すみません…あの二人はもう帰ったんですか?」
 ふとよぎる昏い感情を振り払いながら居間に戻ると、そこにはソファに腰を掛けお茶を飲むリシュカとアーロンがいた。
 その姿に思わずため息が漏れる。この二人の能天気さがエルバルトの苛立ちを増幅させる原因でもある。
「もしかして、アレクシス様にお茶を入れさせたんですか?」
 エルバルトは明らかに不機嫌な声をくつろぐ二人に投げかけるが、二人とも意に介する様子はない。
「そこにあったものを淹れただけだ」
「そう、いただいてます~。っていうかエルくんは本当にお料理が上手だねぇ。このクッキーすごくおいしい」
 両方ともあとでアレクシスとお茶をしようとエルバルトが準備したものだ。鬼の形相で睨みつけるエルバルトを横目に、二人とも次々にクッキーを口に運んでいく。
 何を言ってもこの二人は無駄だとこの数カ月で悟ったエルバルトは、ソファのひじ掛けにもたれて横になりながら本を読むアレクシスの足元に座った。
「ところでエルくん。もうすぐ魔獣の討伐遠征があるよね?キミもいくの?」
「あなたには関係ありません」
「あははは!相変わらず冷たいねぇ」
 楽しそうに笑うリシュカへの不満は口には出さず、ジロっと睨むだけにとどめる。
 だが、リシュカの言う通り、十日後から魔獣討伐のための大規模遠征が予定されており、エルバルトもその参加者に選ばれていた。これがエルバルトにとっては初めての遠征になる。
「なんだ、お前もいくのか?」
「えぇ、その予定です」
 先ほどリシュカのことは冷たくあしらったが、アレクシスからの問いかけにはもちろんあっさりと答える。
 こんなやり取りも半年もたてば慣れたものだ。
「やっぱり行くんだね!エルくんの強さは神殿でも有名だもの」
「へぇ、お前強いのか」
「えっ知らなかったんですか?!エルくんは名門ウェイン家の中でも稀代の天才って言われてるんですよ!お父様は騎士団長だし。だから当然王国騎士団に所属してるんだと思ってたのに、違うって聞いて驚いたよ!フフッこれも愛かな」


 エクドラル王国にある二つの騎士団のうち、王国騎士団は王都外の魔獣討伐を担っている。王都は結界に守られているが、王都外は常に魔獣の脅威に晒されている。その被害を抑えるために王都外の街に常駐したり、街道の安全を確保したりすることが彼らの仕事だ。
 エルバルトは何人もの名高い騎士を輩出した名門、ウェイン家の三男で、二人の兄たちも王国騎士団に属している。
 そんな剣豪一族の中でも、エルバルトは群を抜いた剣の天才であった。
 そのため、エルバルトも兄たちと同じように王国騎士団に入るものと思われていたが、蓋を開けてみると、エルバルトが選んだのはそうではなかった。
 王国騎士団はその任務のために王都外に出る。当然、一度王都外に出たらすぐには帰れない。
 エルバルトが少しでもアレクシスのそばにいたいがために、王都外に出ることの少ない、もう一つの騎士団、王都騎士団を選んだのは明白であった。
 つまり、愛で間違いない。

 そのエルバルトが属する王都騎士団は、王都内の治安維持と、要人の護衛を担っている。普段王都外に出ることはないが、一年に一度の大規模遠征時には、腕前の確かな一部の騎士が、王国騎士団と共に魔獣の討伐に参加することになっていた。
 エルバルトはアレクシスの護衛騎士を名乗ってはいるが、まだ正式に任命されたものではないため、騎士団員としての“業務”もこなさなければならない。その一つが今回の大規模遠征というわけだ。
「ふーん。まぁせいぜい死なないようにな」
「死にません。それよりも俺がいなくてもご飯ちゃんと食べれますか? 俺がいないと風呂にも入らず、ずっと本読んでそうだな…帰ってきたらソファと一体化してたらどうしよう…はぁぁぁぁ、心配すぎる……」
「お前…俺を何だと思ってるんだ?」
 頭を抱えるエルバルトを、引きつった顔でアレクシスは見るが、エルバルトは怯むことなく、ずいっと顔をアレクシスに近付け、さらに続ける。
「だって昨日も風呂に入らずソファでそのまま寝てたじゃないですか」
「うるさい、風呂なんて入らなくても死なない。遠征に出たら風呂なんてないだろ」
「そういうことじゃないんですよ。ソファで寝たら疲れもとれないし……」
 エルバルトの心配性と過保護は、日を追うごとに加速していた。
 この半年でアレクシスの生活能力の低さをありありと見せつけられたせいでもあるし、芽生え始めたばかりのまだ不確かな感情のせいでもあった。


 リシュカたちが帰ったその日の夜、エルバルトは風呂につかりながら、ぼんやりと魔獣の討伐について考えていた。
 幼い頃、騎士である父に連れられ、何度か魔獣の討伐に同行したことがあった。そのため、遠征に出ることに対する恐怖心はないし、その自信に見合う腕もある。
 魔獣がいるのは瘴気のせいだ。だが、そもそもその瘴気とは何なのか、それはどうしたら消せるものなのか、わからないことだらけだ。
 ふがいなさを心の奥に押し込めるように、エルバルトは湯船に潜った。
 自分の音だけが聞こえるような静かな閉ざされた世界。そこに身を沈めていると余計に自分がちっぽけな存在のように思える。
 いくら剣の腕がたってもアレクシスを救うことはできない。
 何もわからない、何もできない自分。それでも、アレクシスから離れたくない。
 苦しくなる息とともに霧散し始めた思考を水中に吐き出していると、ドアの開く音が聞こえた。
「おい、読みかけの本どこに……」
「わぁ!」
 突然かけられた声に驚いたエルバルトは湯船から勢いよく飛び上がった。そのせいで、ドアの前にいたアレクシスにも盛大に湯がかかってしまった。
「あ、アレクシス様、すみません! 驚いてしまって…。あぁ大変だ……!」
 あたふたと狼狽えながら、エルバルトはアレクシスの服をはぎ取り、湯船に押し込んだ。
「おい、俺はもうさっき入ったぞ」
「知っています。でも冷えて風邪をひいたら大変ですから…」
「お前のほうが冷えそうだ」
 アレクシスに湯船に押し込んだせいでエルバルトは濡れたままその横に立っていた。
「俺は平気ですよ。鍛えてますから」
「はぁ、どうせ俺は貧弱だよ」
 そういうことではないんだけど、と言い訳がしたいところだが、それよりもまずはアレクシスの身支度を用意することの方が大切だ。エルバルトが急いでアレクシスの着替えをもって風呂に戻ってくると、そのたった数分の間にアレクシスは湯船の中でうとうととまどろんでいた。
「アレクシス様、風呂で寝るのは本当に危ないのでやめてください」
「んっ……お前がなかなか戻ってこないから悪い」
「すみません。着替え持ってきたので上がってください」
 眠気に負けて動かないでいるアレクシスを湯船から上げ、服を着せる。アレクシスもされるがまま、エルバルトに体を預けていた。
 自分で動く気のないアレクシスを居間のソファに抱えて運び、その髪を拭く。
 エルバルトは手触りの良いこの銀色の髪が好きだ。さらさらと指を滑り落ちていくたびに光り、なんと美しいのかと思う。
 ところが、アレクシスからかけられたのは、その思いとは真逆の言葉だった。
「……気味が悪いだろ、こんな髪の色」
「えっ?!」
 アレクシスはエルバルトにもたれかかり、うつむきがちに話を続ける。
「これでもましな方だけどな。前の魔塔主はもっと真っ白だった。俺は元の魔力がそこそこ強かったから、前の髪色と混ざってこんな色だ」
 アレクシスの銀の髪と金の瞳は、そのどちらともエクドラル王国ではアレクシスの他に見かけたことはない。それは建国の魔導士の力を受け継いだ代償だからだ。
「……もともとは何色だったんですか?」
「ん?眼も髪も濃い茶色だ。その辺によくいる色だ」
 エクドラル王国の国民は、髪の色で階級が、瞳の色でその血筋が大体わかる。
 金の髪は王族に連なるものであり、エルバルトのような黒髪は貴族階級に多い。そして茶色は平民の色だ。
「茶髪のあなたも美しかったでしょうね。でも……俺はあなたに初めて会ったとき、この銀色の髪を本当きれいだと思いました。もちろん、その瞳も」
「バカ言うな。こんな髪も、目も、俺は今でも自分で見てゾッとする」
 魔塔の主という過酷な運命を否応なく背負わされたアレクシスにとって、変わり果てたその見た目は到底受け入れられるものではないのかもしれない。
 いつも不遜な態度のアレクシスがこの時ばかりは弱く、消え入りそうに見え、それを留めるようにエルバルトは後ろからアレクシスを強く抱きしめる。
「……なら、俺が愛します、あなたの全てを。俺の全てをかけて、あなたの代わりに大切にします」
 少しの沈黙の後、何言ってるんだ…と小さくつぶやいたアレクシスのその金の瞳は、わずかに揺らいでいるように見えた。
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