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17話 ※妄想

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城に帰るとレイが待っていてくれた。

「レイ! ただいま! 」

僕は慌ててレイの所に掛けて行く。

「おかえり、初めての外はどうだった? 」

レイが優しく僕の頭を撫でながら話しかける。

「うん、楽しかったよ、ナルサスにも色々教えて貰って勉強になった」

「そうか、良かったな、またわからない事があればナルサスに聞くといい、ナルサス、これからもクリスを頼む」

「はい、了解です。身体の面倒も見ますけど? 」

「それはいい」

ナルサスが冗談ぽくレイに言ったら、レイがすぐに返す。
ナルサス・・・何言ってるんだ・・・

「魔王様が大事にしてるのは分かるけど、そのうち俺が手出しちゃったらどうします? 」

「ナルサス、いくらお前でもそれは許せない」

レイはナルサスに牽制をするけど、睨みつけたり、威圧するようなことはしない。
やっぱり、レイはナルサスに甘いよね・・・

「じゃあ、魔王様がしっかり捕まえといてくださいね、俺が入る隙ないように、じゃないと取っちゃいますよ」

ナルサス・・・僕はレイが好きだからナルサスとどうにかなるつもりは無いんだけど・・・
そう思ってると、レイが僕の肩を抱き寄せる。

「ナルサス・・・お前なんか吹き込んでないだろうな? 」

「何も? なんか不味い事でもあるんですか? 」

えっと・・・僕がナルサスに変な事聞いちゃったけど・・・ナルサスは黙ってくれてるのかな?

「いや、ない」

レイは短く言うと、僕を離した。

「俺はまだ仕事があるからクリスはもう休んでろ」

そう言うと行ってしまった。

「クリス、お疲れ様、そんじゃ俺も仕事が残ってるから戻るわ。またなんかあったら遠慮なく言えよ」

「うん、ありがとう」

ナルサスとも別れて、僕は自分の部屋に戻った。

僕もみんなの稽古に参加して暴れて汗をかいていたので、シャワーを浴びるためにお風呂に入った。

・・・そう言えば、ナルサスが言ってた事が本当なら、レイはその・・・僕とエッチしたいんだよね・・・
・・・僕は自分の下半身を見ていけない想像をしてしまう。
・・・・・・レイの・・・入るの??
どう考えてもあの大きな物が入るとは思えないんだけど・・・
 
・・・と、変な事考えてたら身体が反応してしまった。
・・・あれから4日、レイは僕のところに来てないんだよな・・・

そっと自分で触ってみる。
今までレイがしてくれてたから自分で触るのは初めてだ。
僕は正座を崩した形に座り込むと、シャワーに打たれながら、自分で抜き始める。

・・・やっぱり、自分でするよりレイにしてもらう方が気持ちいい・・・
目を閉じると、レイの顔しか浮かばない。
レイが優しく愛撫してくれる感覚を思い出して身体が震える。

「・・・・・・んっ・・・」

レイに触られた所を思い出して逝ってしまった・・・

「・・・・・・はっ・・・」

なんか虚しい・・・
自分でするのがこんなに虚しいなんて・・・

僕はシャワーを浴びたまま、ぼーっとした頭で座り込んでいた。

レイは今までどうしてたんだろう?
僕が好きだって言ってくれたけど、僕が初めてなんて事、絶対ないよね・・・
レイの初めての人は女の人かな・・・まさか男の人?
魔族は特にそのへん気にしないみたいだし・・・男かな・・・
どんな人かな、今はどうしてるのかな?

今までそんな事考えた事なかったけど、考え出すと止まらない。
レイってどんな人が好みなんだろう?
僕みたいな子供っぽいのが好きなの?
そもそも、レイには僕みたいなのより綺麗な人の方が似合う気がするんだけど・・・何で僕なのかな・・・
前の彼女も僕みたいな感じ?
・・・あれ?いつまで付き合ってたんだろう?
僕がここに来た時は7歳だったし、それからいないってことは無いよね?

あ・・・なんか訳わかんなくなってきた、僕が来てからも誰かとエッチしてたよね、きっと。
・・・なんかモヤモヤする・・・これってヤキモチ?

・・・僕はバカか、過去の事にヤキモチ妬いてどうすんの、今は僕の事が好きだって言ってくれてるんだから、それでいいじゃないか、後ろ向きな考えなんてやめよう。

僕はごちゃごちゃした頭を冷やしたくなって、シャワーを水に変えるとしばらくぼーっと浴び続けていた。


「クリス? 」

突然シャワールームのドアが開いてレイが入ってきた。
僕はびっくりして思わず身体を隠すように、両手で身体を抱いた。

「レイ? ど、どうしたの? 」

なんか、僕が自分でしてたのを見られていたような、変な恥ずかしさが込上げる。
そんなはずないのに、なんか後ろめたく感じてしまっていた。

「ルーラが、お前がなかなかシャワールームから出て来ないって言いに来たんだ。何かあったのか? ・・・って、これ、水じゃないか! お前、何やってんだ? 」

レイが僕が浴びてるのが水だと気がついて慌てて止める。
止める時にレイも水を浴びてしまった。

「! レイ、ごめん! レイまで水が掛かっちゃった」

僕は自ら浴びてたからいいけど、レイは服を着たままだ。

「俺の事はどうでもいい」

そう言うと、レイは僕にタオルを掛けて包み込むように抱き上げる。

「身体、めちゃくちゃ冷えてるじゃないか、何してたんだ? 」



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