23 / 27
第二十三話
しおりを挟む
窓の外から秋の始まりを告げる暖かくも乾燥した風に顔を当てた。澄み渡った群青の空に果てまで伸びている入道雲が目に映る。
戦勝の宴から大体1カ月半が過ぎた。ライトランス帝国はガルバード大要塞の奪還戦は行わなかったという報告を受けて、帝国の領土奪還は成功したのだった。しかし、私はまだこの小さい離宮に閉じ込められたまま。
あれから事実確認の為に何度も取り調べと様々な書類を書いたが私の扱いについてはまだ決まっていない。戦後処理に関してはイネヴァ姉様が代理として管理しているらしい。
暇な時間は壁一面にずらりと並べられている本を読んで過ごした。小説から古文書に兵法書まで様々な書物は私を飽きさせる事は無い。
1日に1時間ほど城の中を監視の兵士が2人連れて運動がてら散歩する事は許された。しかし、誰かに声をかける
事は出来ない。まるで私だけが誰からも見えていないかのような感覚を受けた。世話になった使用人も私の兵士達も頭を下げて視線を反らすのだった。
「あれだけ誇らしかった王族としての血筋も、今となっては憎いものですね」
誰も部屋の中にいないのについ言葉を口にしてしまう。
小さなテーブルの上に興味を持った本を複数積み上げていたが、今は読む気になれなかった。ヴァンや私の兵士達はどんな風に過ごしているのだろうかと毎日考えてしまう。
ヴァンは任務がない日は食事を運ぶ際に、私に城内の状況を簡単に書かれた紙を監視の兵士達に隠して渡してくれる。無い様に目を通した後は、細かく裂いてから窓の外へと捨てる。窓の外は幸いにも崖になっており、風に流されて散り散りになる。
流石に気付く物はいないだろう。
いつもよりも何故か気分が憂鬱で、こんなに暇に感じる日は久しぶりだ。 こんな昼下がりはこの窓から外を眺めながら、紅茶と茶菓子を楽しめれば良かったのにと考えてしまう。
扉をノックする音が聞こえて、鍵を開ける音がした。
「今度はどんな御用でしょうか?」
食事の時間ではない。こんな時間に来るとなると取り調べか新しい書類を渡しに来た調査員だ。軍服に眼鏡をかけたいかにも真面目そうな雰囲気をした若い将校が2人。1人が無表情で手に持っていた紙の筒を私に渡す。
いつもの文字だけが書き連ねられた書類では無かった。炎の印が押された封蝋で閉じられた紙という事は公文書で決定事項という事。
筒状の紙を開くと私は目を大きく開いて、書かれているものが本当なのかと疑ってしまった。だが、父様のサインが書かれているという事は実際にペンを持って書いたという事だ。
「マクバーン様からの書状です。正式な発表は1週間後になります」
そう言って、2人は出て行った。破り裂いてしまいたかったが、ぐっとこらえてテーブルの上に置いた。
そして、硬いベットへと力なく倒れこむ。悔しさでシーツを思いっきり掴んで皺を作る。声も出さずに遠くを見つめたまま、目から涙で筋を作って頭を乗せているクッションに流れていく。
何も考えたくなった。
そして、もう一人の私が目の前に現れて、ベットの端に腰を落とした。力なく開いていた手に重ねると冷たい視線で私を見ている。
「私に何をして欲しいのですか?何を望むのですか?」
私が尋ねるとただただ微笑んでいるだけだった。その微笑みには優しさは全く感じられない。そして、顔をゆっくりと耳に近づけて囁くように語り掛ける。
ーーーこの小さな部屋では無くて、王の座席が欲しいです。
そう一言だけ語り掛けて、霧の様に姿を消した。その声は私自身が望んでいることでもある。間違いなく私の欲望の声だ。
張り詰めた糸がプツンと切れる様にいつの間にか眠ってしまった。
真っ暗な意識の海を漂うかのように身を任せて、浮き沈みを繰り返して漂っている。
冷たさも暖かさも感じずに真っ暗な空に向かって仰向けで浮かんでいた。やがて、海中へと体が吸い込まれていく。
どれだけ体が沈んでも底は見えない。どこまでも沈んでいく。
背中から抱きしめられるような感覚を感じた。それは誰でもないもう一人の私が受け止めているのだとわかった。
もう信じられるのは私だけだ。
そう確信して目を覚ました。ベットから窓の外を見ると雨が降り出している。屋根や草木に落ちる音だけが響いていた。
「姫様。お食事をお持ちしました」
ヴァンが夕食を持って中へと入ってきた。私もベットから体を起こしてテーブルの上に盆ごと置くのを目で追う。
いつもの様に王城内の様子を知らせてくれる紙を渡してはくれなかった。
どこか悔しそうな表情をヴァンは浮かべていた。
「私の処遇について既に耳に入れているようですね。私は王位継承権は剥奪されることになりました」
父上からの書状に書かれていた事を簡単に伝えた。この先は隣国の同盟関係強化として、今まで会った事も無い王子と婚姻を結ばされるだろう。
私に残ったのは王族という肩書だけで、政治利用される存在だけになってしまった。
そして、第5師団は解体されて全員が別の軍隊への配属されるだろう。皆がバラバラになる。
「姫様の処遇と自分も含めた皆についても本日聞かされました。今日中に全員に連絡が行っているかと思います」
ヴァンは第5師団長という実績からして別師団の副団長か、地方軍の指揮官辺りに編入されるだろう。
後者となればもう二度とヴァンと顔を合わせる事はないだろう。
私に最も中世を誓ってくれた騎士すらも奪われる。小説で読んだ全てを奪われた貴族とはこんな感じなのだろうか。
「私はこの数年の間、姫様の騎士として仕えさせて頂いた事はとても光栄でした。私は軍を辞めようかと思います」
彼の言葉に私はハッとしてヴァンを見つめた。今回の事でヴァンも軍務からも離れようとしている。
私は彼の腕を無意識に掴んでいた。筋肉質で岩の様に硬く鍛えられた腕を。
ヴァンは驚いた表情を見せて体を硬直させている。その反応は当然だろう。私から直接触れる事はほとんど無かったのだから。
私に流れている血が憎い。何よりも私から奪おうとする人達が許せない。
「もし、私がどんな決断をしてもヴァンは来てくれますか?」
彼だけは手放すという選択は私には無理だった。
ヴァンが目を閉じてから表情を険しくする。そして、しばらくして目を開いてから決心した表情へと変わった。
「いつでも姫様のお側にいる事が一番の望みです」
恐らく私が何を考えているのか察しているはずだ。それでもなお、私の側に居てくれる事を選んでくれた。
「良かった……もし、ヴァンに拒否されたらと思ったら不安でした」
彼の胸に飛び込むように体を預けた。私のその言葉は忠誠心を利用した、悪魔の囁きのようなものだと理解はしている。
彼の服の胸元をきつく掴み離れないようにと心から願う。再び部屋の中が雨音だけに包まれる。少しだけ勢いは弱まったが、空は暗いままだ。
そんな中で外にいた衛兵達の断末魔が響く。ヴァンがショートソードを抜いて扉を開いた。
「皆も同じ気持ちのようです」
そこには私の兵士達、第5師団の皆がフードコートで雨に打たれながら並んでいる。私と自分達に対する処遇の報告を受けて、真っ先に駆けつけて来たのだろう。
雨に打たれている皆に姿が見れるように扉の外へと出た。
衛兵2人を切り裂いたであろう剣を握りしめた先頭の兵士長が、私を見ると自分の胸に手を当てる。
「自分達はヴァイオレット様以外にお仕えする気はありません!」
屈強な兵士達が私に忠誠心を示してくれている。皆が私に視線を向けて言葉を待っている。
私の望みは王になること。
その為であれば、どんな障害に対しても打ち勝つこと。
「兵士長!皆を徴集しなさい!ヴァンは部隊の編制と統率をお願いします」
大丈夫、彼らならどんな境地でも切り開けるはず。
私が今やるべき事は勝利するための戦略と戦術を考える事だ。
戦う必要がある敵は第1師団、第3師団、第4師団、王都を守る近衛師団。正式通達されるまで1週間しかない、各個撃破よりも支柱を崩して指揮を混乱させる方がいいだろう。
奇襲と短期決戦で全て終わらせる。私ができる最後の足掻きだ。
皆が蜘蛛の子を散らす様に解散した。
私の隣にヴァンと並んでいるのみ。
「私に賛同してくれている貴族方に対して、書状を書く必要がありますね。それと私の装備もここへ運んでおいてください」
ヴァンが使用人に用意させると伝えて、雨の中を駆けて行った。
また1人だけになった。部屋の中へと戻ると届けてくれた食事に手を付ける。豆のスープにパンと焼いた魚の切り身。少しだけ冷えていたが、それらを胃の中へと押し込んだ。
ヴァンの連絡では使用人達の中でも私に賛同している者と反対している者で割れているという。
フランツ伯爵やサマル軍師に戦いに参加してくれた貴族達は私の呼びかけにきっと答えてくれるはず。
フィオは答えてくれるだろうか?
いや、彼女は私の友だと行ってくれた。必ず答えてくれるはずだ。
先の戦いでは私のために武器を取ってくれた。今回も私のために握ってくれるはず。
後は時間が過ぎるのを待つだけ。
戦勝の宴から大体1カ月半が過ぎた。ライトランス帝国はガルバード大要塞の奪還戦は行わなかったという報告を受けて、帝国の領土奪還は成功したのだった。しかし、私はまだこの小さい離宮に閉じ込められたまま。
あれから事実確認の為に何度も取り調べと様々な書類を書いたが私の扱いについてはまだ決まっていない。戦後処理に関してはイネヴァ姉様が代理として管理しているらしい。
暇な時間は壁一面にずらりと並べられている本を読んで過ごした。小説から古文書に兵法書まで様々な書物は私を飽きさせる事は無い。
1日に1時間ほど城の中を監視の兵士が2人連れて運動がてら散歩する事は許された。しかし、誰かに声をかける
事は出来ない。まるで私だけが誰からも見えていないかのような感覚を受けた。世話になった使用人も私の兵士達も頭を下げて視線を反らすのだった。
「あれだけ誇らしかった王族としての血筋も、今となっては憎いものですね」
誰も部屋の中にいないのについ言葉を口にしてしまう。
小さなテーブルの上に興味を持った本を複数積み上げていたが、今は読む気になれなかった。ヴァンや私の兵士達はどんな風に過ごしているのだろうかと毎日考えてしまう。
ヴァンは任務がない日は食事を運ぶ際に、私に城内の状況を簡単に書かれた紙を監視の兵士達に隠して渡してくれる。無い様に目を通した後は、細かく裂いてから窓の外へと捨てる。窓の外は幸いにも崖になっており、風に流されて散り散りになる。
流石に気付く物はいないだろう。
いつもよりも何故か気分が憂鬱で、こんなに暇に感じる日は久しぶりだ。 こんな昼下がりはこの窓から外を眺めながら、紅茶と茶菓子を楽しめれば良かったのにと考えてしまう。
扉をノックする音が聞こえて、鍵を開ける音がした。
「今度はどんな御用でしょうか?」
食事の時間ではない。こんな時間に来るとなると取り調べか新しい書類を渡しに来た調査員だ。軍服に眼鏡をかけたいかにも真面目そうな雰囲気をした若い将校が2人。1人が無表情で手に持っていた紙の筒を私に渡す。
いつもの文字だけが書き連ねられた書類では無かった。炎の印が押された封蝋で閉じられた紙という事は公文書で決定事項という事。
筒状の紙を開くと私は目を大きく開いて、書かれているものが本当なのかと疑ってしまった。だが、父様のサインが書かれているという事は実際にペンを持って書いたという事だ。
「マクバーン様からの書状です。正式な発表は1週間後になります」
そう言って、2人は出て行った。破り裂いてしまいたかったが、ぐっとこらえてテーブルの上に置いた。
そして、硬いベットへと力なく倒れこむ。悔しさでシーツを思いっきり掴んで皺を作る。声も出さずに遠くを見つめたまま、目から涙で筋を作って頭を乗せているクッションに流れていく。
何も考えたくなった。
そして、もう一人の私が目の前に現れて、ベットの端に腰を落とした。力なく開いていた手に重ねると冷たい視線で私を見ている。
「私に何をして欲しいのですか?何を望むのですか?」
私が尋ねるとただただ微笑んでいるだけだった。その微笑みには優しさは全く感じられない。そして、顔をゆっくりと耳に近づけて囁くように語り掛ける。
ーーーこの小さな部屋では無くて、王の座席が欲しいです。
そう一言だけ語り掛けて、霧の様に姿を消した。その声は私自身が望んでいることでもある。間違いなく私の欲望の声だ。
張り詰めた糸がプツンと切れる様にいつの間にか眠ってしまった。
真っ暗な意識の海を漂うかのように身を任せて、浮き沈みを繰り返して漂っている。
冷たさも暖かさも感じずに真っ暗な空に向かって仰向けで浮かんでいた。やがて、海中へと体が吸い込まれていく。
どれだけ体が沈んでも底は見えない。どこまでも沈んでいく。
背中から抱きしめられるような感覚を感じた。それは誰でもないもう一人の私が受け止めているのだとわかった。
もう信じられるのは私だけだ。
そう確信して目を覚ました。ベットから窓の外を見ると雨が降り出している。屋根や草木に落ちる音だけが響いていた。
「姫様。お食事をお持ちしました」
ヴァンが夕食を持って中へと入ってきた。私もベットから体を起こしてテーブルの上に盆ごと置くのを目で追う。
いつもの様に王城内の様子を知らせてくれる紙を渡してはくれなかった。
どこか悔しそうな表情をヴァンは浮かべていた。
「私の処遇について既に耳に入れているようですね。私は王位継承権は剥奪されることになりました」
父上からの書状に書かれていた事を簡単に伝えた。この先は隣国の同盟関係強化として、今まで会った事も無い王子と婚姻を結ばされるだろう。
私に残ったのは王族という肩書だけで、政治利用される存在だけになってしまった。
そして、第5師団は解体されて全員が別の軍隊への配属されるだろう。皆がバラバラになる。
「姫様の処遇と自分も含めた皆についても本日聞かされました。今日中に全員に連絡が行っているかと思います」
ヴァンは第5師団長という実績からして別師団の副団長か、地方軍の指揮官辺りに編入されるだろう。
後者となればもう二度とヴァンと顔を合わせる事はないだろう。
私に最も中世を誓ってくれた騎士すらも奪われる。小説で読んだ全てを奪われた貴族とはこんな感じなのだろうか。
「私はこの数年の間、姫様の騎士として仕えさせて頂いた事はとても光栄でした。私は軍を辞めようかと思います」
彼の言葉に私はハッとしてヴァンを見つめた。今回の事でヴァンも軍務からも離れようとしている。
私は彼の腕を無意識に掴んでいた。筋肉質で岩の様に硬く鍛えられた腕を。
ヴァンは驚いた表情を見せて体を硬直させている。その反応は当然だろう。私から直接触れる事はほとんど無かったのだから。
私に流れている血が憎い。何よりも私から奪おうとする人達が許せない。
「もし、私がどんな決断をしてもヴァンは来てくれますか?」
彼だけは手放すという選択は私には無理だった。
ヴァンが目を閉じてから表情を険しくする。そして、しばらくして目を開いてから決心した表情へと変わった。
「いつでも姫様のお側にいる事が一番の望みです」
恐らく私が何を考えているのか察しているはずだ。それでもなお、私の側に居てくれる事を選んでくれた。
「良かった……もし、ヴァンに拒否されたらと思ったら不安でした」
彼の胸に飛び込むように体を預けた。私のその言葉は忠誠心を利用した、悪魔の囁きのようなものだと理解はしている。
彼の服の胸元をきつく掴み離れないようにと心から願う。再び部屋の中が雨音だけに包まれる。少しだけ勢いは弱まったが、空は暗いままだ。
そんな中で外にいた衛兵達の断末魔が響く。ヴァンがショートソードを抜いて扉を開いた。
「皆も同じ気持ちのようです」
そこには私の兵士達、第5師団の皆がフードコートで雨に打たれながら並んでいる。私と自分達に対する処遇の報告を受けて、真っ先に駆けつけて来たのだろう。
雨に打たれている皆に姿が見れるように扉の外へと出た。
衛兵2人を切り裂いたであろう剣を握りしめた先頭の兵士長が、私を見ると自分の胸に手を当てる。
「自分達はヴァイオレット様以外にお仕えする気はありません!」
屈強な兵士達が私に忠誠心を示してくれている。皆が私に視線を向けて言葉を待っている。
私の望みは王になること。
その為であれば、どんな障害に対しても打ち勝つこと。
「兵士長!皆を徴集しなさい!ヴァンは部隊の編制と統率をお願いします」
大丈夫、彼らならどんな境地でも切り開けるはず。
私が今やるべき事は勝利するための戦略と戦術を考える事だ。
戦う必要がある敵は第1師団、第3師団、第4師団、王都を守る近衛師団。正式通達されるまで1週間しかない、各個撃破よりも支柱を崩して指揮を混乱させる方がいいだろう。
奇襲と短期決戦で全て終わらせる。私ができる最後の足掻きだ。
皆が蜘蛛の子を散らす様に解散した。
私の隣にヴァンと並んでいるのみ。
「私に賛同してくれている貴族方に対して、書状を書く必要がありますね。それと私の装備もここへ運んでおいてください」
ヴァンが使用人に用意させると伝えて、雨の中を駆けて行った。
また1人だけになった。部屋の中へと戻ると届けてくれた食事に手を付ける。豆のスープにパンと焼いた魚の切り身。少しだけ冷えていたが、それらを胃の中へと押し込んだ。
ヴァンの連絡では使用人達の中でも私に賛同している者と反対している者で割れているという。
フランツ伯爵やサマル軍師に戦いに参加してくれた貴族達は私の呼びかけにきっと答えてくれるはず。
フィオは答えてくれるだろうか?
いや、彼女は私の友だと行ってくれた。必ず答えてくれるはずだ。
先の戦いでは私のために武器を取ってくれた。今回も私のために握ってくれるはず。
後は時間が過ぎるのを待つだけ。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
その後の物語。ーかつてのはも勇者はもう一度
けんじょうあすか
ファンタジー
特権階級が世界を牛耳る時代、王都では月の勇者事件が世間を騒がせた。
貴族から金を奪ったり奴隷を逃がしたり、平民にとってはまさしくヒーロー、特権階級からすれば秩序を乱す悪そのものの義賊は、いつのまにか月の勇者と呼ばれ、毎日のように取りざたされるようになった。
しかし月の勇者はいつの日にかぱったり表に出てこなくなった。
そのころ、地味な女は田舎で村民に紛れてひそかに暮らしていた。
この地味な女、シャロンこそかつての月の英雄だ。
かつての活躍はシャロンのある才能があったから成り立っていたが、それを失った今、こうして人に紛れて暮らすしかなかった。
そんなシャロンはある侯爵との出会いから、また王都に戻ってくる。
改編ありの過去作の長編バージョンです。
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?
帝国は滅ぼさせない。
弓チョコ
ファンタジー
憧れの騎士団長が遺した「魔剣」を受け継いで、帝国の支配から世界を救う旅に出た少年。
持ち前の才能と悪運で成長しながら仲間を増やし、幾多の危機を乗り越えていく少年。
……に、負けるわけにはいかない。
帝国出身の少女アイネは、少年が帝国を滅ぼさないように立ち回ろうとする。
アイネには、少年を危険視する理由と秘密があった。
※この作品は「アルファポリス」「小説家になろう」「カクヨム」にも掲載しています。
転生騎士団長の歩き方
Akila
ファンタジー
【第2章 完 約13万字】&【第1章 完 約12万字】
たまたま運よく掴んだ功績で第7騎士団の団長になってしまった女性騎士のラモン。そんなラモンの中身は地球から転生した『鈴木ゆり』だった。女神様に転生するに当たってギフトを授かったのだが、これがとっても役立った。ありがとう女神さま! と言う訳で、小娘団長が汗臭い騎士団をどうにか立て直す為、ドーン副団長や団員達とキレイにしたり、旨〜いしたり、キュンキュンしたりするほのぼの物語です。
【第1章 ようこそ第7騎士団へ】 騎士団の中で窓際? 島流し先? と囁かれる第7騎士団を立て直すべく、前世の知識で働き方改革を強行するモラン。 第7は改善されるのか? 副団長のドーンと共にあれこれと毎日大忙しです。
【第2章 王城と私】 第7騎士団での功績が認められて、次は第3騎士団へ行く事になったラモン。勤務地である王城では毎日誰かと何かやらかしてます。第3騎士団には馴染めるかな? って、またまた異動? 果たしてラモンの行き着く先はどこに?
※誤字脱字マジですみません。懲りずに読んで下さい。
龍姫伝〜白き覇者の物語〜
安藤 炉衣弩
ファンタジー
生まれながらにして、龍の力を持ち人々から龍姫と呼ばれ畏怖され敬われる存在とし生まれた5人の少女か織りなす物語。
少女達が目指すは、民衆を導き〝スクウ〟救世主となる龍姫皇帝のたった一つの椅子を求め運命に抗い翻弄される。
人々を助ける為に他の少女を屠り、その玉座に辿りついた時に世界の真実を知ることになる。今迄私たちがして来た事が正しかったのか、人々を〝スクウ〟本当の意味とは……
5人の姫とウチに宿りし聖5龍天と呼ばれる龍と様々な思惑が絡み合う激しい物語の後に、アナタが真実を見極めろーー
お前にその〝カクゴ〟あるのなら、〝スクウ〟の真の意味を解き明かせ
イラスト 明来
七代目は「帝国」最後の皇后
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「帝国」貴族・ホロベシ男爵が流れ弾に当たり死亡。搬送する同行者のナギと大陸横断列車の個室が一緒になった「連合」の財団のぼんぼんシルベスタ・デカダ助教授は彼女に何を見るのか。
「四代目は身代わりの皇后」と同じ世界の二~三代先の時代の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる