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コルサは栃木県内へ

車は埼玉県から栃木県へと入ったときだった。

ハマはドライブインで車を止めて、薫を降ろした。

「薫くん、顔色悪いけど熱はなさそうだね、そうか
乗り物酔いしたんだ、バスとか車とかでいままでこういうことあった?」

「電車ではあったけど」

「とりあえずここでしばらく休んだほうがいい」

ハマは近くにあった休憩用のベンチで薫を休ませた。

「ああそうだ、この近くには安くて美味しいうどん屋さんがあったな、薫くん緊張してたから朝は食べなかったもんな、だから車酔いしたのか、お腹空いてない?」

「そういや少し空いたかも」

ハマは駐車場に車を止めて、薫をしばらく歩かせた｡

「婆さん、さっきより少し気分良くなったよ」

しばらく歩くと、美味しいうどん屋があり、薫の腹ごしらえができた｡

「婆さん、なんでこんなうまい店知ってんの?」

「日本中あちこちに行ってたからな、安くて美味しいお店はどこにでもあるものさ」

「婆さんの家って、ここからまだ距離あるの?」

「いまはまだ婆さんでいいけど、勉強始まったらちゃんと先生って言うんだぞ、もう高校生なんだからな、これも大事な勉強なんだから」

「…わかった少しずつ直すよ」

「少しずつか、しょうがないなぁ」

「このあたりに安いスーパーがあるから買い物していくからね、薫くんの勉強にも十分関係があるから」

「買い物とオレの勉強、関係あるの?」

「先生のうちに行って、しばらく休んでそれからわかることだよ」