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3人の絆

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プレハブ2階の進の部屋

「電話1本でやめた?」

「気が付いたら一人でよく遊んでいた場所にいたんだ」

「仕事先から連絡はあったんか、引き止められたりはしなかったんだ?」

「少しキレ気味で、次いつ来れるんだ!って、いまとりこんでるからいつになるかわからないって言ったら結果的には電話1本でやめることになったよ」

「色んなことがあったんだな」

「だいたい世間の連中は俺の良さがわからないんだよ!あんなとこいたら息が詰まるんだよ!」

「でも、まあこんねかわいい孫もできたことだし、マーブルのほうがよっぽどかわいい!」

kは、進がマーブルをだれと比べているかのだいたいの予測が付いていた。

「初対面の人に慣れるまで最低5日はかかるけど、進さんは人が良さそうだから、最初見たときなんか安心したんだ。」

「え!いい人に見えたのかい」

「人は良さそうだなぁって感じた。」
(少し不器用そうだけど)

進がたばこに火を付け、しばし沈黙

「ところでこないだ進さん、だれかとけんかしてなかった?」

「… ああ、あれは娘だ、俺のいうことなんか全然聞かない娘だよ、あんなやつと付き合うなって」

「もしかして彼氏?彼氏はだめなやつなの?」

「なんか今どきっていうのか、礼儀がなってないって、絵の具塗った、なんつうかとうもろこしみたいな頭のやつ、俺はすかねえな。」

「そうか、でも中身が大事なんじゃないかなあ」

マーブルがこちらに近づいて来る。

「それにしてもかわいいなあ、名前僕が付けていいかな、進さん、なんかいい名前思い付かない?」

「そういや名前かあ、なにがいいんだ?」

「スヌーピーに似てるし、たしかマーブルスっていなかったっけ」

「詳しいな!スヌーピーはスヌーピーだけだろう、違うか?」

「模様がマーブル模様だし、マーブルスは呼びにくいからマーブルがいいんじゃないかなあ」

「そうだな、マーブルかあ、いい名前だなこいつは将来美人になるぞ、長い付き合いになるけど3人で頑張っていこうな」

「もちのろんだよ」

「でもまだマーブル、ワンって言ってないよね」

「まだ生まれてから2か月だからなあ、これからだな」

「そうだね、これからよろしく2人とも」

Kはこんなにも打ち解けたのは何年ぶりだろう、もしかしたら今までこんな経験はなかったのかもしれないと思った夜だった。

決して人間はひとりでは生きられない。生きるというのは生きていると肌で感じられることであって、空気を吸っているだけでは事は足りないだろう。でもいまでは何でも打ち解けられる家族がいる。
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