人生に一度だけ舞い降りた競馬の神様

葛藤の日々と別れ

「ほんとに△△大学出てるの、違う学校なんじゃないの」嫌いな上司からの言葉だった。昔、正社員として働いていた私は職場には心の拠り所がなく今日にも辞めてしまいたいという日々が続いていた。原因不明の神経痛やストレスでタバコを過剰に吸っていたせいか高血圧にもなりわずか２年で退職してしまった。だれからも理解されない日々は辛いもので、同僚のひとりも「お前はとうとう最後まで理解されなかったなあ人は悪くないのになあ」と同僚と過ごした最後のファミレスだった。

この頃は短期間付き合っていた彼女とも別れたが、なんと言ってもショックだったのは愛犬との別れだった。マーブル模様の可愛らしい容姿で私にとってかけがえのない存在で唯一の心の拠り所だったからだ。

模様の数だけ幸せになって欲しいと名前はマーブルと名付けたが、一生忘れることのない大切な存在だった。わずか三年しか生きられなかったが、１２月のクリスマスを迎えることができたかったため一緒にクリスマスパーティーができなかったことや新年を迎えることができなかったことがなんとも残念だった。

ちょうどこの頃は色々な辛いことが重なった時期であったのだが、やりたくもない深夜のバイトをやっていたこともあり、何か自分の好きなことで生活費を稼ぐことができないだろうかと考えるようになったのだが、それが一度は失敗した競馬だった。

競馬なんかやったらマーブルに笑われるし、なんか申し訳ないという気持ちもあったのだが買ってきたばかりの新聞をひっかいた場所の馬を買ったら超大穴が的中できたことがあったなあという懐かしい思い出があったものだ。