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「…んー弱いっすね、弱すぎっす。それじゃ教えらんねえすよ。」
「な!なんでだよ!真田が宿題してるなんて珍しいだろ!」
「そんな話チワワちゃん達の噂話にもなんないっすよ。あーもう、他人じゃなくて、会長の最近の話はないんすか?」
俺は佐藤を裏庭に連れてきたのだが、いかんせんこいつの欲しがるネタが浮かばない。
「…俺の話…?」
「例えば、委員長と一発やったとかでもいいんすよ?」
「んなことするか!ていうかあの記事はなんだ!」
「別に遊びの範疇なんでいいじゃないすか、世間に広まる訳でもないし、ちゃんと個人の意見ですって…ほら、ここに書いてるし」
出された記事の左下に小さく、ほんっとに小さく書かれているが
こいつは俺を怒らせたいのか?
「じゃあ、あれはどうなんですか?噂で聞きましたよ、会長がイライラ溜まって生徒会室にオメガ連れ込んで乱交騒ぎしてるってやつ、あれの特集組ませてくださいよ~」
「ぁあ!?…ちっ…それ、嘘だよ…てか、お前が流したんじゃねぇのかよ!」
「噂に流すくらいなら記事にしますってー、ってやっぱあれ嘘なんですね…なーんだ、本当なら面白かったのに。」
よくそれが俺の目の前で言えたな、この野郎。
「やっぱ、ってお前は信じなかったのかよ。」
「俺の情報網舐めないでくださいよ?….そんなビックなネタ俺のとこに上がってきてない時点でなしっすよ…。それに、内容が浅すぎ。伊達に新聞部やってないんで嘘かホントかは大体分かるんすよ。あんたの性事情ネタが一番掴むのに難しいし、てか掴めたことないし。」
ドヤ顏で言い放つと佐藤はネタがないんならこの話は終わりっすねーと言ってこの場から立ち去ろうとする。
「まてまてまて!分かった、もっとビックなネタか、なんだどういうのが欲しいんだ!」
「…会長も必死っすねー、ま、矢野の居場所把握してんの俺だけですもんねー。」
そうなのだ、こいつにこれだけ粘着するのは、矢野の居場所はこいつにしかわからないからで。
矢野は真田や北野のように周りに親衛隊や、人間を侍らすのが好きではなく、こういった休みの時間には1人になるのが多い、しかも居場所はわからない。
俺だって必死になるわ!
「んー、まあ今一番気になるのは実際、あのとき委員長と何があったかなんですけど。」
「あ?あー、あんときな……」
適当に言うか、…いや、待てよ。元はと言えばあのクソ野郎のせいで俺はこんな目に遭ってるようなもんだよな。
…………
「…?どうしたんすか」
「ふん、実はな、あいつに告白されたんだ。」
「はあ、告白……は!?告白!?」
見事に驚く佐藤に、流石にこの嘘はバレるかーと能天気に思う。
「はは、いや「委員長と本当に付き合ったんですか!?」
…あれ?
「い、いや付き合うわけねえだろ。」
「じゃ、じゃあつまり委員長はフラれたんすね…はは、これは特ダネだ…!あの完全無欠の委員長様がまさかあの犬猿の仲のはずの会長が好きで、しかもフラれるって…今すぐ部室に行かねば…!」
どこから出したのか小さな手帳にぶつぶつと呟きながら必死の形相で文字を殴り書きする男に冷や汗が噴き出す。ちょっと待て、あれ、こんなはずでは…
「………て、おい!!!待て!どこに行く!矢野はどこにいるんだよ!」
歩くのが嫌に速いあいつの背中に向かってそう叫ぶと片手をひらりとあげて
「東校舎の薔薇園っすー!」
そう言って去っていってしまった。
…なんか非常に良くない気が…
…いやなんかもう、うん考えるのやめよ。
「な!なんでだよ!真田が宿題してるなんて珍しいだろ!」
「そんな話チワワちゃん達の噂話にもなんないっすよ。あーもう、他人じゃなくて、会長の最近の話はないんすか?」
俺は佐藤を裏庭に連れてきたのだが、いかんせんこいつの欲しがるネタが浮かばない。
「…俺の話…?」
「例えば、委員長と一発やったとかでもいいんすよ?」
「んなことするか!ていうかあの記事はなんだ!」
「別に遊びの範疇なんでいいじゃないすか、世間に広まる訳でもないし、ちゃんと個人の意見ですって…ほら、ここに書いてるし」
出された記事の左下に小さく、ほんっとに小さく書かれているが
こいつは俺を怒らせたいのか?
「じゃあ、あれはどうなんですか?噂で聞きましたよ、会長がイライラ溜まって生徒会室にオメガ連れ込んで乱交騒ぎしてるってやつ、あれの特集組ませてくださいよ~」
「ぁあ!?…ちっ…それ、嘘だよ…てか、お前が流したんじゃねぇのかよ!」
「噂に流すくらいなら記事にしますってー、ってやっぱあれ嘘なんですね…なーんだ、本当なら面白かったのに。」
よくそれが俺の目の前で言えたな、この野郎。
「やっぱ、ってお前は信じなかったのかよ。」
「俺の情報網舐めないでくださいよ?….そんなビックなネタ俺のとこに上がってきてない時点でなしっすよ…。それに、内容が浅すぎ。伊達に新聞部やってないんで嘘かホントかは大体分かるんすよ。あんたの性事情ネタが一番掴むのに難しいし、てか掴めたことないし。」
ドヤ顏で言い放つと佐藤はネタがないんならこの話は終わりっすねーと言ってこの場から立ち去ろうとする。
「まてまてまて!分かった、もっとビックなネタか、なんだどういうのが欲しいんだ!」
「…会長も必死っすねー、ま、矢野の居場所把握してんの俺だけですもんねー。」
そうなのだ、こいつにこれだけ粘着するのは、矢野の居場所はこいつにしかわからないからで。
矢野は真田や北野のように周りに親衛隊や、人間を侍らすのが好きではなく、こういった休みの時間には1人になるのが多い、しかも居場所はわからない。
俺だって必死になるわ!
「んー、まあ今一番気になるのは実際、あのとき委員長と何があったかなんですけど。」
「あ?あー、あんときな……」
適当に言うか、…いや、待てよ。元はと言えばあのクソ野郎のせいで俺はこんな目に遭ってるようなもんだよな。
…………
「…?どうしたんすか」
「ふん、実はな、あいつに告白されたんだ。」
「はあ、告白……は!?告白!?」
見事に驚く佐藤に、流石にこの嘘はバレるかーと能天気に思う。
「はは、いや「委員長と本当に付き合ったんですか!?」
…あれ?
「い、いや付き合うわけねえだろ。」
「じゃ、じゃあつまり委員長はフラれたんすね…はは、これは特ダネだ…!あの完全無欠の委員長様がまさかあの犬猿の仲のはずの会長が好きで、しかもフラれるって…今すぐ部室に行かねば…!」
どこから出したのか小さな手帳にぶつぶつと呟きながら必死の形相で文字を殴り書きする男に冷や汗が噴き出す。ちょっと待て、あれ、こんなはずでは…
「………て、おい!!!待て!どこに行く!矢野はどこにいるんだよ!」
歩くのが嫌に速いあいつの背中に向かってそう叫ぶと片手をひらりとあげて
「東校舎の薔薇園っすー!」
そう言って去っていってしまった。
…なんか非常に良くない気が…
…いやなんかもう、うん考えるのやめよ。
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