240 / 240
輝く未来は続いていく
しおりを挟む「おいロスウェル」
「お呼びですか?」
「僕もあれやりたい」
「はい?」
「だから、ハリーがやってるやつだよ」
「ハリーが‥‥」
ロスウェルの前にいるハリーが行っている事
「あれは、ちょっと難しいですね。」
「なんでだよ。」
「はぁ‥‥。これは‥‥。」
「お父さんだってしてるだろ?」
「アシェル様?貴方様のお父様は皇太子殿下です。それは、アシェル様が皇太子になられたら出来ますよ?」
「やだ!僕も今すぐあれやりたい!」
アシェルと呼ばれた短い銀髪の男の子は、その光景を見ていた場所にドンっと座り込んで腕を組んだ。
「アシェル皇子、皇太子殿下がアシェル様のお歳の頃はそんな我儘はおっしゃりませんでした。」
「んぐっ‥‥‥」
ぷくっと膨らませたその皇子は、小さな頃のテオドールそっくりだ。
その様子にロスウェルは苦笑いをした。
「まったく‥‥頑固は親譲りですね‥」
「僕も怪我した騎士達を治したい!!!」
「‥アシェル様‥‥」
その小さな頭の中で、考えていた事。
アシェルとロスウェルが見ていた光景は午前訓練場だ。
訓練中に怪我をした騎士をハリーが魔術で治療しているのだ。
「アシェル様、殿下になんと言われたのですか?覚えていないとは思えませんが?」
ぷっくりした頬をロスウェルが突いた。
それを横目にアシェルは眉間に皺を寄せる。
「うぁぁ!」
その小さな身体は突然宙に浮かんだ。
「こら、またロスウェルを捕まえて困らせてるのか?」
アシェルの頭上から降ってくる声。
「ぁ、お父さん!!」
「アシェル、お前は魔術師じゃないんだ。」
「でもお父さんだって、お母さんの指に出来た傷こないだあっという間に治してた!!」
「ああ、それは俺が特別だからだ。あれ程言ったのにまだわからないか?」
「うぅぅ~」
アシェル・アレキサンドライト
今年8歳になる皇子だ。あのオレンジジュースを欲しがっていた腹の子はこの通り健やかに育っていた。
「だぁって!ジャスミンが怪我したらどうするんですか?
兄の僕が治してあげたいんだもん!!」
「ははっ、そうか、お兄ちゃんはそんな事を考えていたのか。」
「それに!もうすぐまた僕の弟か妹が産まれるのですよ?!
僕はなんでも出来るお兄ちゃんになりたいです!」
必死に訴えかけるアシェルに、テオドールは穏やかな笑みを浮かべた。
そして、アシェルの頬に頬を擦り寄せた。
「素晴らしいな。お前はとても素敵な兄だ。ジャスミンもお前の後を追いかけ回して怪我をすることもある。あのお転婆娘が心配なんだろ?お父さんはお前を誇りに思うよ。」
頬をくっつけた事にアシェルはニンマリと満足そうに笑った。
父と同じ銀髪は、アシェルの自慢だった。
ジャスミンは5歳の皇女。母譲りの金髪だ。母親譲りで美しく太陽のような笑顔で城を駆け回る大切な妹だ。
次に産まれてくる子はどちらの髪色をしているだろう。
できればこの銀髪は父と自分だけなら嬉しい。
それくらい、アシェルはテオドールとそっくりだった。
「だがな、アシェル、ハリーのしているあの治療は大公家のもの。そしてハリーは治療院を総括する者だ。いくらロスウェルに頼み込んでもお前が大きくなるまではまだダメだ。
私の言う事を聞いて時を待つんだ。」
「んんん~‥‥‥」
幼いその顔はまだ納得していない。その顔にまたクスッと笑みがこぼれた。
アシェルが産まれた時のことを、まだ鮮明に覚えている。
丸一日かかった出産で、どれだけリリィベルを心配したことか。部屋に入るなと言う者達を押し退けて側で懸命に励まし、前世の記憶を辿りあれこれと手をやいた。
そうして、ようやく世界に出てきた子はポヤポヤの銀髪だった。
その小さな宝物をこの腕に抱いた瞬間、涙がこぼれた。
ああ、会えたんだと‥‥‥。
あの時直接言えなかった我が子に、神は機会を再びくれたのだ。
汗だくになって長い陣痛を乗り越え産んだ我が子を見て、リリィベルも声を上げて泣いた。
手放した未練は、時が流れてもまだ傷を残していたけれど、
この手に抱いた我が子に2人で涙をこぼした。
「会いたかった‥‥俺達の愛しい子‥‥」
産まれたばかりの子にでた言葉はありきたりだったけれど、この想いは深く重く愛が溢れるばかりだった。
幸せはこんなにもたくさんあって、涙の分だけあるのだと、時を越えて思い知る。
この8年の間にテオドールが計画していた治療院はテオドールとハリーを筆頭に1つ、2つと出来上がり、できる限りの病気や怪我の治療が出来るその場所は既に国民に定着していた。
ハリーが勤められる者を見極めて治癒魔術のみを付与した。治療院は帝国の新しい平和の象徴となった。
そしてアシェル、ジャスミンと言う世継ぎに恵まれた。また新しい命がこの城を賑やかにさせる事だろう。
「アシェル、さあ、お母さんのところへ一緒に行くぞ?」
「お父さん、お仕事は?」
「お父さんはお前達と昼食を食べてまた仕事へ行くから、お母さんが無理しないようにジャスミンの面倒を見てお母さんを助けてやるんだ。ジャスミンは一日中お母さんのお腹を撫でくりまわしているだろうから。」
「はい!ジャスミンを一旦止めておこう!」
「ははっ、そうだ。あんまり撫でくりまわすとあのお腹は凹んでしまうぞ?」
「そんな訳ないでしょ?お父さん時々お馬鹿さんだ。」
「こぉら言うようになったなぁ!」
アシェルの頭をグリグリ撫で回した。アシェルは楽しそうに笑った。
その様子にロスウェルも笑った。
「ロスウェル、アシェルが引き留めて悪かったな。戻っていいぞ。」
「はい殿下。」
「どーもお前とハリーに懐いて仕方ないんだ。
お前がアシェルにたくさん魔術を見せたのが悪いんだぞ?」
「あははっ可愛くて仕方なかったんですよ。」
魔術師達にも第一子として可愛がられて育ったアシェルは、城中のみんなを心から大切に思っていた。特にロスウェルとハリーには懐いている。
そんなアシェルをこの城に仕える皆もまたそれはそれは大切に見守っていた。
「さ、いくぞ?アシェル。」
「はい!お父さん!」
アシェルを腕に抱きしめテオドールは皇太子宮へ向かって歩き出した。
「‥‥‥ふふっ、まったく可愛い親子ですね。」
ロスウェルがそうこぼして、指をパチンと鳴らしたのだった。
あえてアシェル達にはお父さん、お母さんと呼ばせる様に育てた2人だった。
暁と礼蘭の人生は幕を閉じた。
たくさんの未練があった。
けれど、2人は、いや3人はこの世界で生まれたのだ。
今度こそ、幸せな人生の終わりを夢見て。
離れることのない未来を信じて。
この人生の結末が、ハッピーエンドである事を祈って。
「お母さん!!」
大きな音を立て皇太子妃の部屋の扉が開かれた。
「アシェル!私の可愛い子、お母さんの腕においで!」
部屋に入るなり、リリィベルは我が子に向かって両手を伸ばした。その大きなお腹にぴっとりと寄り添うジャスミンと共に飛び込んできたアシェルも受け止めた。
「えへへ!お母さん!気分はどうですか?具合は悪くありませんか?」
大きなお腹に頬擦りしながらアシェルはリリィベルを見上げた。
母となったリリィベルはその美しい顔に母たる強さを持ち、更に絶世の美女となっていた。
「アシェルの顔を見ればお母さんはいつも最高の気分よ?」
「おーいリリィ?俺もいるんだが?」
扉の側でその光景を見ていたテオドールがつぶやいた。
「あ!お父さん!!」
ジャスミンがテオドールの顔を見て可愛らしい笑顔を浮かべた。そして、リリィベルも頬を赤く染めてクスッと笑った。
「テオ、テオも早く私を抱きしめて下さい。」
「はっ、お安い御用だ。さぁ俺の大切な者達。父の腕はお前達がすっぽり入ってしまう程だぞ?」
テオドールは、大切な3人、いや4人を両手いっぱいに抱きしめた。
「ああ‥‥幸せだ‥‥午後はお前達とずっと一緒にいたいな。」
「お父さんたらいつもそればっかり言ってます。」
現れた父にジャスミンはリリィベルのお腹を離れ、テオドールに頬擦りした。
ジャスミンもまたテオドールが熱烈な程大好きだ。
「んん~ジャスミン。いい子にしてたか?あんまりお腹を撫で回して凹ませるなよ?」
「うふふふふっじゃあお父さんのほっぺたを撫でます。」
「ああ、そうしてくれ。俺の可愛いジャスミン。」
「お父さん大好き!世界で1番かっこいいお父さん!」
「もおジャスミンっ、お父さんを独り占めしないで?」
「ははっリリィ?相変わらずヤキモチを?」
「テオが抱き締めるのはいつだって私が最初です。」
「ふっ、いつまで経っても可愛い妃だなお前は。
だからこんなに子が増えるんだ。」
「もお!子供達の前ですっ」
「仕方ないだろ?お前が煽ってるんだ。俺の女神様。
今日も綺麗だ。」
リリィベルのこめかみに口付けて2人は頬を寄せたあった。
「もうすぐ1人増えるんだ。俺の腕を伸ばしておかないとな?」
「ふふっまたバカ言ってるお父さん。」
「アシェル~?」
テオドールはニヤッと笑ってアシェルの腹をくすぐった。
大きな笑い声を上げてアシェルは嬉しそうに笑った。
「ねぇ私もぉ~」
兄の姿にジャスミンもヤキモチを妬いてテオドールにせがんだ。たとえそれがくすぐりであってもだ。
きゃははと、楽しそうな2人の子の笑い声が響く。
テオドールと、リリィベルの人生は、まだたくさんの希望が溢れていた。
愛する者が増え、2人の愛が膨れ上がっていく。
限界など知らない。2人の愛の物語。
そして、2人はいつまでも幸せに暮らしていくのだ。
次の世も、どんな世界であろうとも、
2人は巡り合い愛し合う運命の番(つがい)
決して離れることのない永遠の愛はここにある。
城の中の肖像画室、アシェルは日課の様にその部屋へ訪れた。アシェルはこの部屋にある一つが好きなのだ。皇子教育の時間を無視した彼を教師や従者達が探している事はお構いなしに。
奥はアシェルの遠い先祖の肖像画だ。
だが、アシェルの興味は一つの肖像画に向けられている。
テオドールとリリィベルが1人ずつ描かれた物。
その肖像画を見て目をキラキラ輝かせた。
2人が結婚した時に描かれた物、今より少し幼い2人の姿。けれど、父はとても凛々しく、母はとても美しかった。
「お父さんとお母さん、とっても綺麗‥」
そんな若い2人の間に初めての子として産まれた自分が嬉しかった。とても愛を感じて育った。
妹のジャスミンが、産まれてからもそうだ。
妹は母に似てとても可愛らしいし、兄として守るべき存在だ。
それでも、父と母の愛情は偏る事なく自分に注がれていたのを分かっていた。
2人の部屋には、自分の絵がたくさん描かれている。それはジャスミンが生まれてもそうだった。
「へへっ」
アシェルはウキウキしながら、テオドールとリリィベルの肖像画の枠を慣れた手つきで押し込んだ。
それが鍵となり、ギィィと音を立ててそのカラクリは解かれる。2人の肖像画が、スライドし2つがピタリと寄り添うとその肖像画は大きな1つの肖像画に姿を変える。
「なんで、これは隠してあるのかな‥とっても綺麗なのに‥‥」
本当は同じ姿の絵が、父と母の部屋にもあるのだ。
だが、ここにあるのは‥‥。
「この絵が大好き‥‥僕だけの秘密‥‥
でもいつか、ジャスミンにも見せてあげたいな。
きっと、ジャスミンも‥‥」
アシェルが見つめたその絵は、
幸せそうな笑顔を浮かべて、テオドールがリリィベルを抱き上げた瞬間の絵姿だ。
「どうして、髪の色が違うのかはわかんないけど‥
この絵を見てると、幸せな気持ちになるんだ‥‥」
その絵の2人は黒髪だった。
純白のウェディングドレスに身を包んだ母とタキシード姿でリリィベルを高く抱き上げている父。
春の花々に囲まれて満面の笑みを浮かべた2人の姿は、目が眩みそうなほど美しかった。
その絵の前に腰を下ろして、アシェルはにんまりと笑った。
「僕の黒い髪の絵も、描いてもらおうかな‥‥」
どうしてこの絵に惹かれるのかはわからないけれど、この絵を見ているとアシェルは幸せだった。
遠くで名前を呼ぶ声がする。でももう少し、ここに隠れていよう。
ここに居ると、3人になった気持ちになるから、
散々2人を独り占めした第一子だけれど、
それでも。この絵は特別だった。
長い時の中を幸せと波風が通り過ぎる。
病める時も健やかなる時も人生にはたくさんある。
「アシェルのやつどこ行ったんだ?」
「ふふっ、そのうち戻ってきます。」
探し回っている皇太子夫婦。けれどリリィベルは穏やかに笑った。
「お前がそう言うなら、そうなんだろうな。」
「はい、ですから、私達はジャスミンが眠っている間に少しだけ、ゆっくりあの子を待ちましょう?」
そうして、2人はクスッと笑った。
そして、お腹の大きなリリィベルをテオドールが抱き上げた。
「リリィ、愛してる。」
「私も、愛してる。」
そう言って、リリィベルはテオドールの額に口付けた。
まだ若さ溢れるこの顔と手に、長い年月を経てシワができても、この手は繋がれているだろう。
おじいちゃんおばあちゃんになったとしても、
いつも、抱きしめ合って眠るだろう。
そうして、この世を去った時も、
次の世でも、またこの手は繋がれるのだろう。
私達は番(つがい)なのだから‥‥。
またあの光刺す空間に誘われた時は、堂々と言うんだ。
《人生はどうだった?》
とても、幸せな人生だったと‥‥‥。
1
お気に入りに追加
35
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(1件)
あなたにおすすめの小説

真実の愛は、誰のもの?
ふまさ
恋愛
「……悪いと思っているのなら、く、口付け、してください」
妹のコーリーばかり優先する婚約者のエディに、ミアは震える声で、思い切って願いを口に出してみた。顔を赤くし、目をぎゅっと閉じる。
だが、温かいそれがそっと触れたのは、ミアの額だった。
ミアがまぶたを開け、自分の額に触れた。しゅんと肩を落とし「……また、額」と、ぼやいた。エディはそんなミアの頭を撫でながら、柔やかに笑った。
「はじめての口付けは、もっと、ロマンチックなところでしたいんだ」
「……ロマンチック、ですか……?」
「そう。二人ともに、想い出に残るような」
それは、二人が婚約してから、六年が経とうとしていたときのことだった。

【完結】勤労令嬢、街へ行く〜令嬢なのに下働きさせられていた私を養女にしてくれた侯爵様が溺愛してくれるので、国いちばんのレディを目指します〜
鈴木 桜
恋愛
貧乏男爵の妾の子である8歳のジリアンは、使用人ゼロの家で勤労の日々を送っていた。
誰よりも早く起きて畑を耕し、家族の食事を準備し、屋敷を隅々まで掃除し……。
幸いジリアンは【魔法】が使えたので、一人でも仕事をこなすことができていた。
ある夏の日、彼女の運命を大きく変える出来事が起こる。
一人の客人をもてなしたのだ。
その客人は戦争の英雄クリフォード・マクリーン侯爵の使いであり、ジリアンが【魔法の天才】であることに気づくのだった。
【魔法】が『武器』ではなく『生活』のために使われるようになる時代の転換期に、ジリアンは戦争の英雄の養女として迎えられることになる。
彼女は「働かせてください」と訴え続けた。そうしなければ、追い出されると思ったから。
そんな彼女に、周囲の大人たちは目一杯の愛情を注ぎ続けた。
そして、ジリアンは少しずつ子供らしさを取り戻していく。
やがてジリアンは17歳に成長し、新しく設立された王立魔法学院に入学することに。
ところが、マクリーン侯爵は渋い顔で、
「男子生徒と目を合わせるな。微笑みかけるな」と言うのだった。
学院には幼馴染の謎の少年アレンや、かつてジリアンをこき使っていた腹違いの姉もいて──。
☆第2部完結しました☆
旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】
ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。

まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?
せいめ
恋愛
政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。
喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。
そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。
その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。
閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。
でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。
家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。
その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。
まずは亡くなったはずの旦那様との話から。
ご都合主義です。
設定は緩いです。
誤字脱字申し訳ありません。
主人公の名前を途中から間違えていました。
アメリアです。すみません。

口は禍の元・・・後悔する王様は王妃様を口説く
ひとみん
恋愛
王命で王太子アルヴィンとの結婚が決まってしまった美しいフィオナ。
逃走すら許さない周囲の鉄壁の護りに諦めた彼女は、偶然王太子の会話を聞いてしまう。
「跡継ぎができれば離縁してもかまわないだろう」「互いの不貞でも理由にすればいい」
誰がこんな奴とやってけるかっ!と怒り炸裂のフィオナ。子供が出来たら即離婚を胸に王太子に言い放った。
「必要最低限の夫婦生活で済ませたいと思います」
だが一目見てフィオナに惚れてしまったアルヴィン。
妻が初恋で絶対に別れたくない夫と、こんなクズ夫とすぐに別れたい妻とのすれ違いラブストーリー。
ご都合主義満載です!

【完結】大好き、と告白するのはこれを最後にします!
高瀬船
恋愛
侯爵家の嫡男、レオン・アルファストと伯爵家のミュラー・ハドソンは建国から続く由緒ある家柄である。
7歳年上のレオンが大好きで、ミュラーは幼い頃から彼にべったり。ことある事に大好き!と伝え、少女へと成長してからも顔を合わせる度に結婚して!ともはや挨拶のように熱烈に求婚していた。
だけど、いつもいつもレオンはありがとう、と言うだけで承諾も拒絶もしない。
成人を控えたある日、ミュラーはこれを最後の告白にしよう、と決心しいつものようにはぐらかされたら大人しく彼を諦めよう、と決めていた。
そして、彼を諦め真剣に結婚相手を探そうと夜会に行った事をレオンに知られたミュラーは初めて彼の重いほどの愛情を知る
【お互い、モブとの絡み発生します、苦手な方はご遠慮下さい】

【完結済】隣国でひっそりと子育てしている私のことを、執着心むき出しの初恋が追いかけてきます
鳴宮野々花@書籍2冊発売中
恋愛
一夜の過ちだなんて思いたくない。私にとって彼とのあの夜は、人生で唯一の、最良の思い出なのだから。彼のおかげで、この子に会えた────
私、この子と生きていきますっ!!
シアーズ男爵家の末娘ティナレインは、男爵が隣国出身のメイドに手をつけてできた娘だった。ティナレインは隣国の一部の者が持つ魔力(治癒術)を微力ながら持っており、そのため男爵夫人に一層疎まれ、男爵家後継ぎの兄と、世渡り上手で気の強い姉の下で、影薄く過ごしていた。
幼いティナレインは、優しい侯爵家の子息セシルと親しくなっていくが、息子がティナレインに入れ込みすぎていることを嫌う侯爵夫人は、シアーズ男爵夫人に苦言を呈す。侯爵夫人の機嫌を損ねることが怖い義母から強く叱られ、ティナレインはセシルとの接触を禁止されてしまう。
時を経て、貴族学園で再会する二人。忘れられなかったティナへの想いが燃え上がるセシルは猛アタックするが、ティナは自分の想いを封じ込めるように、セシルを避ける。
やがてティナレインは、とある商会の成金経営者と婚約させられることとなり、学園を中退。想い合いながらも会うことすら叶わなくなった二人だが、ある夜偶然の再会を果たす。
それから数ヶ月。結婚を目前に控えたティナレインは、隣国へと逃げる決意をした。自分のお腹に宿っていることに気付いた、大切な我が子を守るために。
けれど、名を偽り可愛い我が子の子育てをしながら懸命に生きていたティナレインと、彼女を諦めきれないセシルは、ある日運命的な再会を果たし────
生まれ育った屋敷で冷遇され続けた挙げ句、最低な成金ジジイと結婚させられそうになったヒロインが、我が子を守るために全てを捨てて新しい人生を切り拓いていこうと奮闘する物語です。
※いつもの完全オリジナルファンタジー世界の物語です。全てがファンタジーです。
※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。

【改稿版・完結】その瞳に魅入られて
おもち。
恋愛
「——君を愛してる」
そう悲鳴にも似た心からの叫びは、婚約者である私に向けたものではない。私の従姉妹へ向けられたものだった——
幼い頃に交わした婚約だったけれど私は彼を愛してたし、彼に愛されていると思っていた。
あの日、二人の胸を引き裂くような思いを聞くまでは……
『最初から愛されていなかった』
その事実に心が悲鳴を上げ、目の前が真っ白になった。
私は愛し合っている二人を引き裂く『邪魔者』でしかないのだと、その光景を見ながらひたすら現実を受け入れるしかなかった。
『このまま婚姻を結んでも、私は一生愛されない』
『私も一度でいいから、あんな風に愛されたい』
でも貴族令嬢である立場が、父が、それを許してはくれない。
必死で気持ちに蓋をして、淡々と日々を過ごしていたある日。偶然見つけた一冊の本によって、私の運命は大きく変わっていくのだった。
私も、貴方達のように自分の幸せを求めても許されますか……?
※後半、壊れてる人が登場します。苦手な方はご注意下さい。
※このお話は私独自の設定もあります、ご了承ください。ご都合主義な場面も多々あるかと思います。
※『幸せは人それぞれ』と、いうような作品になっています。苦手な方はご注意下さい。
※こちらの作品は小説家になろう様でも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
完結を一気に読むのが好きなので
待っていました。
なかなかの長編なので、GWに読みました。
長編は途中で間延びしたりして
読むのをやめてしまうことが
あるのですが、この物語は
最後まで楽しめましたし
とっても良かったです。
2人の事が最後まで気になって
途中ちょっぴり涙が出ました。
久しぶりに私好みのいいお話に出会えました。
おぴー様
ご感想ありがとうございます。涙が出るのは私の方です。
本当に本当にありがとうございます。
長い話になりましたので、貴重なお時間をこの小説に頂けて本当に嬉しいです。おぴー様のお言葉で、私の今までのテオとリリィに注いだ時間も無駄じゃなかったなと、この小説を書いて良かったと思えます。本当にありがとうございました!
心から感謝を申し上げます。本当にありがとうございました!