ハッピーエンドを待っている 〜転生したけど前世の記憶を思い出したい〜

真田音夢李

文字の大きさ
上 下
218 / 240

生涯の恋 4

しおりを挟む
 
「おい・・・ロスウェル・・・」
「・・・・・」

 夢の中を彷徨い続ける2人に寄り添うようにオリヴァー。ロスウェルとハリーが魔術を施し2人の時間はゆっくりと流れていく。

 儀式殿のステンドグラスの下で倒れこんだ2人にロスウェルは汗を流した。


 悲しい感情が2人から押し寄せてくる。痛くて、悲しくて飲み込まれてしまいそうだった。

「・・・・・陛下・・・・・」

「なんだ?」
 焦り顔のオリヴァーにロスウェルは声をかけた。

「・・・・先ほどお伝えしましたよね・・・。お二人にはアレクシス神と縁があると・・・。」
「なぜだ?!皇太子のテオは分からんでもないが、リリィは初めてここに来ると言っていたんだぞ?」

「・・・・私は、これをお伝えしていいのか分からなかったのです・・・。
 私たち魔術師、特にハリーは私と同じように感じている事でしょう・・・・。」

「なんだ?・・・・何があるっていうんだ。」


 2人に集中しながらも、ロスウェルはこの痛い程の悲しみを少しずつ言葉に変えた。


「・・・アレクシス神は・・・月と星の象徴・・・。殿下とリリィベル様は・・・・

 月と・・・星の・・・結びがあるんです・・・。」

「は・・・?」
 オリヴァーは寝耳に水のその真実に怪訝な顔をした。


「殿下が・・・城に来てからずっと・・・私は月の力を感じていました・・・。
 ハリーも幼い頃から・・・感じていた様です。私が口留めして・・・今日まで過ごしましたが・・・。

 そして・・・リリィベル様は星の力・・・・まさにアレクシス神の力そのものです・・・。」


「テオはアレクシス神とどんな因果が・・?」

「・・・アレクシス神の言い伝えは存在します・・・。

 白い宝石ムーンストーンは星の象徴、月を封印していると言われている。

 そして黒い宝石がオニキス、月の象徴で、不幸を運ぶ・・・。

 だから両腕にその宝石を持っているアレクシス様は星と月を司る神。

 星が善の象徴で、月が悪の象徴とも言われている。

 アレクシス様は夜の神。アレクシス神に嫌われたら黒い宝石に吸い込まれてしまう。」


「・・・・テオが月・・・?悪の象徴だというのか?」

「残念ながら・・・。けれど私は殿下を悪の象徴だと感じた事はありません。
 ですが、リリィベル様が現れた時、私は彼女を星と感じた・・・・。

 2人は夜空の月と星の象徴・・・。二人にはアレクシス神の力が宿っている・・・。」



「・・・・・・・・・。」

 オリヴァーは言葉を無くし、テオドールとリリィベルを見つめた。

「・・・テオは・・・何の罪を犯したというのだ・・・・・」

「殿下自身が・・・・そうだとは限りません・・・・。」
「なんだそれは・・・・。」


「・・・・お二人には・・・きっと・・・・私たちの想像を超える縁があります・・・・。」

 それが何かわからないから不気味なのだ。テオドールとリリィベルに一体なにがあるというのか。
 黒髪の2人は誰かのか・・・。自分たちの知る2人なのか・・・。


「とにかく・・・・一秒でも早く目を覚ましていただかないと・・・・・」

 リリィベルを守るアンクレットが、砂のように削れていく。

「神の力に抗うことは・・・・ですがっ・・・私は二人を守りたい・・・・っ必ず・・・・。」




 どうか・・・・夢から目を覚ましてください・・・・。


 貴方方の魂は・・・・この世界に、その体が存在し、魂はその身に宿るのです・・・・・。




 貴方方を待つ人が・・・たくさんいるのです・・・・。







 ロスウェルの願いは、2人に届くのだろうか・・・・。








 XXXX年8月10日。暁の二度目の絶望の日が訪れた。
 9日に礼蘭の命日を迎え、希望であふれていたはずの10日の日。


 暁は、熱い日差しの中をぼーっと歩いていた。

 日常生活に戻った暁は、1人で歩いている現実を、まだ受け入れられなった。

 きっと、本来ならば、二人の間には子供が存在しこの日差しの中を三人で手をつないで歩いていた事だろう。

 そんな想像をしている。悲しい毎日。

 礼蘭の匂いは日に日に薄くなっていき・・・使っていた物をたくさん残しておいても、
 どんどんと古びていく・・・。それでも片付ける事は出来ず何もかもがそのままだった。

 礼蘭のお気に入りのピアス、メイク道具。かわいいエプロン。手づくりのレシピ本。全部が2人で揃えた家具。
 2人で撮った写真。何もかもが主を無くし生気を無くしていく。


「・・・・・・・。」

 空を見上げても・・・・下を向いても・・・・何もかもが変わらない現実。

 何もかも・・・戻らなかった日常。




 大切な未来・・・・。途切れた未来・・・・。


 叶うはずのない未来。




 どんなに嘆いても、礼蘭の居ない日常は嫌になるほど続く。
 景色は何も変わらないのに、思い出がたくさんそこら中に転がっているのに・・・。

 思い出の場所をたどれば、幼い自分たちが脳裏をよぎるのに・・・。


 礼蘭はいない・・・・。


 礼蘭の居なくなった日々は・・・・楽しいことなんか一つもなかった。


 笑い方も忘れてしまった。




 忘れる瞬間は一度もなく、いつも礼蘭が頭をよぎる。

 縋りつきたい思い出、無くならない記憶。どれもこれも忘れることなんてない。




 あぁ・・・・礼蘭の側に行きたい・・・・・・。



 会いたくてたまらない・・・・。



 愛してると言ったら・・・・笑ってキスを返してほしい・・・・。




 礼蘭を抱きしめたい・・・キスをしたい・・・・。




 会いたい・・・・・。




 どうしたら・・・・会えるの・・・・・・・・。





 幽霊でもいいから・・・・隣にいてほしい・・・・・。




 礼蘭は、その手の類は嫌いだったけど・・・・。


 礼蘭が幽霊なら、俺はつかんで離さないだろう・・・・・。



 俺に憑りついて、離れないで・・・・。



 なんでもいいから側にいて・・・・。





 俺を一人にしないで・・・・・・・・・・・。



 もう何度思ったかわからない・・・・。



 俺も礼蘭の側に連れてって・・・・。






 そんな暁の側を・・・・誰にも見えない星の光に包まれて、歩いていた。

 その物悲しくも微笑みを浮かべ・・・暁の隣を・・・・。


 少し大きな歩幅・・・。それでも隣を歩いていた頃の歩く速度で・・・・。


 変わらないその習慣に・・・涙を浮かべながら・・・・。





「れい・・・・・。」



 ぽつりと呟いた暁の、礼蘭を呼ぶ声が・・・・耳にちゃんと届く・・・・。


 暁と、名を呼んで返していた。








 私は・・・・ここにいるよ・・・・・。






いつも温かいご飯が用意されていた。
あれから、母の料理とコンビニ弁当に変わった。


特に味もわからなかった。


明日も明後日も、礼蘭が使った料理を食べる事はできない。

たとえ誰が同じレシピで作ったとしても、


きっと虚しいだろう。



なんて弱い心。なんて情けない自分。


死んだことも受け入れられないのに、礼蘭の骨箱を時折抱きしめる。


固いそんな温もりもないその木の箱を抱きしめた所で、
なんの慰めにもならない。ただ近くに行きたいだけ‥




子供が生まれたら、犬を飼おうと話していた。

愛情深い犬と子供が寄り添う動画を見て、礼蘭が言ってた。

叶えてあげたかった。



男の子でも、女の子でも、2人の血を引く家族を心待ちにしていた。


それも今は、どちらかもわからない。



ただ存在した事実がまた余計に涙を誘う。


叶うはずだった願いは、砕けていくばかりなのに


思わずにはいられない。



愛しい記憶も、悲しい記憶も入り混じる頭の中。


最高の笑顔と、繰り返し聞く映像の中の声‥‥。




「‥‥れい‥‥‥っ‥‥‥」


何度呼んでも返事は来ないけど、この口が開けば当たり前のように声になる。


溜まった涙は流れるし‥‥相変わらず礼蘭の笑顔を思い出したら会いたい。触れたい‥‥。





「耐えらんねぇよ‥‥っ‥‥‥この日はっ‥‥俺にとって大切な日なのにっ‥‥1人じゃちっともっ‥‥嬉しくないっ‥‥‥」


空に向かって話すのがいつの間にか増えた。
礼蘭は空に、星になっているのだろうか‥‥。


死んだら、空から見下ろしているんだろうか‥‥


それとも、もう忘れてしまった?



死んだらどうなるの?俺の事は‥‥‥?



見守ってるってよく言うけどほんとなの?


悲しくないの?寒くないの?


礼蘭のいるソコは‥‥‥どんな所だ?




俺には‥‥分からないよ‥‥




わからない。だって、こんなに受け入れられないって思ってるのに、礼蘭は居ないって事は分かってる‥‥。


礼蘭の居ない生活にこのままずっと?


まだこんなに悲しいよ‥‥慣れないよ‥‥。


全然、まだ、死んでしまいたいよ‥‥‥



でも死にきれないから‥‥何故だかいつも‥‥‥。



いつも俺は目を覚ます‥‥‥。


そんな日は決まって‥‥‥礼蘭が夢に現れる。


ああ、よかったと思って目が覚めると、
礼蘭は居なくて、朝から晩まで、嫌になる‥‥‥。


いつも一緒だったのに‥‥あんなに一緒だったのに、




居ない存在に、愛してるって言ってちゃんと届く?


俺は何度も言いたい。

まだ足りない。一生分の愛してるを、もっと言いたかった。



どんな瞬間も愛しかった。

別れが来るなんて、思わなかった。

礼蘭は自分の一部で、生きている意味だったから‥‥。




なぁ礼蘭‥‥‥。


俺と離れた気分はどうだ?




俺はとても、寂しいよ‥‥‥大人になっても、


礼蘭が居ないと、木の影に隠れて泣いてたあの頃の子供のように、毎日泣いてる。



情けないよな。


そんな俺に強さをくれたのは礼蘭なのに‥‥。



なんで、俺に弱さを残して逝っちゃったんだ‥‥‥。



俺は礼蘭が居ないと‥‥なにも残らないのに‥‥‥。

しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

真実の愛は、誰のもの?

ふまさ
恋愛
「……悪いと思っているのなら、く、口付け、してください」  妹のコーリーばかり優先する婚約者のエディに、ミアは震える声で、思い切って願いを口に出してみた。顔を赤くし、目をぎゅっと閉じる。  だが、温かいそれがそっと触れたのは、ミアの額だった。  ミアがまぶたを開け、自分の額に触れた。しゅんと肩を落とし「……また、額」と、ぼやいた。エディはそんなミアの頭を撫でながら、柔やかに笑った。 「はじめての口付けは、もっと、ロマンチックなところでしたいんだ」 「……ロマンチック、ですか……?」 「そう。二人ともに、想い出に残るような」  それは、二人が婚約してから、六年が経とうとしていたときのことだった。

【完結】勤労令嬢、街へ行く〜令嬢なのに下働きさせられていた私を養女にしてくれた侯爵様が溺愛してくれるので、国いちばんのレディを目指します〜

鈴木 桜
恋愛
貧乏男爵の妾の子である8歳のジリアンは、使用人ゼロの家で勤労の日々を送っていた。 誰よりも早く起きて畑を耕し、家族の食事を準備し、屋敷を隅々まで掃除し……。 幸いジリアンは【魔法】が使えたので、一人でも仕事をこなすことができていた。 ある夏の日、彼女の運命を大きく変える出来事が起こる。 一人の客人をもてなしたのだ。 その客人は戦争の英雄クリフォード・マクリーン侯爵の使いであり、ジリアンが【魔法の天才】であることに気づくのだった。 【魔法】が『武器』ではなく『生活』のために使われるようになる時代の転換期に、ジリアンは戦争の英雄の養女として迎えられることになる。 彼女は「働かせてください」と訴え続けた。そうしなければ、追い出されると思ったから。 そんな彼女に、周囲の大人たちは目一杯の愛情を注ぎ続けた。 そして、ジリアンは少しずつ子供らしさを取り戻していく。 やがてジリアンは17歳に成長し、新しく設立された王立魔法学院に入学することに。 ところが、マクリーン侯爵は渋い顔で、 「男子生徒と目を合わせるな。微笑みかけるな」と言うのだった。 学院には幼馴染の謎の少年アレンや、かつてジリアンをこき使っていた腹違いの姉もいて──。 ☆第2部完結しました☆

旦那様、前世の記憶を取り戻したので離縁させて頂きます

結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
【前世の記憶が戻ったので、貴方はもう用済みです】 ある日突然私は前世の記憶を取り戻し、今自分が置かれている結婚生活がとても理不尽な事に気が付いた。こんな夫ならもういらない。前世の知識を活用すれば、この世界でもきっと女1人で生きていけるはず。そして私はクズ夫に離婚届を突きつけた―。

忙しい男

菅井群青
恋愛
付き合っていた彼氏に別れを告げた。忙しいという彼を信じていたけれど、私から別れを告げる前に……きっと私は半分捨てられていたんだ。 「私のことなんてもうなんとも思ってないくせに」 「お前は一体俺の何を見て言ってる──お前は、俺を知らな過ぎる」 すれ違う想いはどうしてこうも上手くいかないのか。いつだって思うことはただ一つ、愛おしいという気持ちだ。 ※ハッピーエンドです かなりやきもきさせてしまうと思います。 どうか温かい目でみてやってくださいね。 ※本編完結しました(2019/07/15) スピンオフ &番外編 【泣く背中】 菊田夫妻のストーリーを追加しました(2019/08/19) 改稿 (2020/01/01) 本編のみカクヨムさんでも公開しました。

まだ20歳の未亡人なので、この後は好きに生きてもいいですか?

せいめ
恋愛
 政略結婚で愛することもなかった旦那様が魔物討伐中の事故で亡くなったのが1年前。  喪が明け、子供がいない私はこの家を出て行くことに決めました。  そんな時でした。高額報酬の良い仕事があると声を掛けて頂いたのです。  その仕事内容とは高貴な身分の方の閨指導のようでした。非常に悩みましたが、家を出るのにお金が必要な私は、その仕事を受けることに決めたのです。  閨指導って、そんなに何度も会う必要ないですよね?しかも、指導が必要には見えませんでしたが…。  でも、高額な報酬なので文句は言いませんわ。  家を出る資金を得た私は、今度こそ自由に好きなことをして生きていきたいと考えて旅立つことに決めました。  その後、新しい生活を楽しんでいる私の所に現れたのは……。    まずは亡くなったはずの旦那様との話から。      ご都合主義です。  設定は緩いです。  誤字脱字申し訳ありません。  主人公の名前を途中から間違えていました。  アメリアです。すみません。    

【完結】大好き、と告白するのはこれを最後にします!

高瀬船
恋愛
侯爵家の嫡男、レオン・アルファストと伯爵家のミュラー・ハドソンは建国から続く由緒ある家柄である。 7歳年上のレオンが大好きで、ミュラーは幼い頃から彼にべったり。ことある事に大好き!と伝え、少女へと成長してからも顔を合わせる度に結婚して!ともはや挨拶のように熱烈に求婚していた。 だけど、いつもいつもレオンはありがとう、と言うだけで承諾も拒絶もしない。 成人を控えたある日、ミュラーはこれを最後の告白にしよう、と決心しいつものようにはぐらかされたら大人しく彼を諦めよう、と決めていた。 そして、彼を諦め真剣に結婚相手を探そうと夜会に行った事をレオンに知られたミュラーは初めて彼の重いほどの愛情を知る 【お互い、モブとの絡み発生します、苦手な方はご遠慮下さい】

【完結済】隣国でひっそりと子育てしている私のことを、執着心むき出しの初恋が追いかけてきます

鳴宮野々花@書籍2冊発売中
恋愛
 一夜の過ちだなんて思いたくない。私にとって彼とのあの夜は、人生で唯一の、最良の思い出なのだから。彼のおかげで、この子に会えた────  私、この子と生きていきますっ!!  シアーズ男爵家の末娘ティナレインは、男爵が隣国出身のメイドに手をつけてできた娘だった。ティナレインは隣国の一部の者が持つ魔力(治癒術)を微力ながら持っており、そのため男爵夫人に一層疎まれ、男爵家後継ぎの兄と、世渡り上手で気の強い姉の下で、影薄く過ごしていた。  幼いティナレインは、優しい侯爵家の子息セシルと親しくなっていくが、息子がティナレインに入れ込みすぎていることを嫌う侯爵夫人は、シアーズ男爵夫人に苦言を呈す。侯爵夫人の機嫌を損ねることが怖い義母から強く叱られ、ティナレインはセシルとの接触を禁止されてしまう。  時を経て、貴族学園で再会する二人。忘れられなかったティナへの想いが燃え上がるセシルは猛アタックするが、ティナは自分の想いを封じ込めるように、セシルを避ける。  やがてティナレインは、とある商会の成金経営者と婚約させられることとなり、学園を中退。想い合いながらも会うことすら叶わなくなった二人だが、ある夜偶然の再会を果たす。  それから数ヶ月。結婚を目前に控えたティナレインは、隣国へと逃げる決意をした。自分のお腹に宿っていることに気付いた、大切な我が子を守るために。  けれど、名を偽り可愛い我が子の子育てをしながら懸命に生きていたティナレインと、彼女を諦めきれないセシルは、ある日運命的な再会を果たし────  生まれ育った屋敷で冷遇され続けた挙げ句、最低な成金ジジイと結婚させられそうになったヒロインが、我が子を守るために全てを捨てて新しい人生を切り拓いていこうと奮闘する物語です。 ※いつもの完全オリジナルファンタジー世界の物語です。全てがファンタジーです。 ※この作品は小説家になろう、カクヨムにも投稿しています。

【改稿版・完結】その瞳に魅入られて

おもち。
恋愛
「——君を愛してる」 そう悲鳴にも似た心からの叫びは、婚約者である私に向けたものではない。私の従姉妹へ向けられたものだった—— 幼い頃に交わした婚約だったけれど私は彼を愛してたし、彼に愛されていると思っていた。 あの日、二人の胸を引き裂くような思いを聞くまでは…… 『最初から愛されていなかった』 その事実に心が悲鳴を上げ、目の前が真っ白になった。 私は愛し合っている二人を引き裂く『邪魔者』でしかないのだと、その光景を見ながらひたすら現実を受け入れるしかなかった。  『このまま婚姻を結んでも、私は一生愛されない』  『私も一度でいいから、あんな風に愛されたい』 でも貴族令嬢である立場が、父が、それを許してはくれない。 必死で気持ちに蓋をして、淡々と日々を過ごしていたある日。偶然見つけた一冊の本によって、私の運命は大きく変わっていくのだった。 私も、貴方達のように自分の幸せを求めても許されますか……? ※後半、壊れてる人が登場します。苦手な方はご注意下さい。 ※このお話は私独自の設定もあります、ご了承ください。ご都合主義な場面も多々あるかと思います。 ※『幸せは人それぞれ』と、いうような作品になっています。苦手な方はご注意下さい。 ※こちらの作品は小説家になろう様でも掲載しています。

処理中です...