ハッピーエンドを待っている 〜転生したけど前世の記憶を思い出したい〜

真田音夢李

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2人ならできるコト

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 深夜2時を過ぎた頃、レオンはレティーシャ王妃の私室にいた。
 テオドールとロスウェルと話した事を、レティーシャに伝え、帝国へ一度その身を置かなければならない。
 ベッドの端に座り寄り添った二人は、固く手を結びあっていた。

 皇太子の計らいで、いずれレオンがポリセイオ王国の王婿に来ることになる。
 それは、二人が離れないためのためだ。
 分かっていても、レティーシャ王妃は、静かに涙を流した。

「・・・レティーシャ・・・泣かないで・・・・。僕は必ずここに戻ってくる・・・。」
「っ・・・でもっ・・・・・。」

「皇太子殿下は・・・・想像以上に、お優しい方だったね・・・・。
 今こうして・・・あの地下室から出られたのも、殿下がいらしてくれたおかげだ・・・。
 ほんの少しの辛抱だ・・・。それにね、レティーシャ・・・・。

 僕たちの子が、帝国に居るんだよ・・・・。」

「!!!!!・・・ぇっ・・・・・・。」

 レティーシャはレオンの顔を見上げた。その顔にレオンは穏やかな笑顔を向けた。
「・・・僕はね・・・あの子を転移させるとき・・・魔の森へ送ったんだ・・・・。

 どうなるかはわからなかった・・・でも・・・あの子は、帝国で迎えられて
 皇太子殿下の側で・・・元気に暮らしているそうだよ・・・。

 いつか・・・3人で会える日が来るかもしれない・・・。

 父親を名乗ったところで・・・あの子を混乱させてしまうかもしれない・・・。
 それだけが気がかりだ・・・。でもね?僕は・・・たとえ受け入れられなくても・・・・
 一目だけでも・・・君との愛の証であるあの子を・・・この目で見たいんだ・・・・。

 君も会うことも叶うだろう・・・。殿下が・・・そうおっしゃってくれたんだ。」


 それはこの部屋に来る前の会話だった。ハリーに実父である事を告げるか悩んでいた。
 だが、テオドールは、ふんっと鼻を鳴らした。


 〝ハリー?あぁ・・・あいつは大丈夫だろ?喜ぶかどうかまでは保証できねぇけど。
 大丈夫だって、レオン、あんたとレティーシャにそっくりで、俺たちに助けてくれと言えるくらいには
 図々しいし、白黒はっきりする奴だから。まぁ、グレたら俺がなんとかしてやるよ。〟

 そう言って笑ったテオドールだった。


 レオンはその言葉を思い出してレティーシャの髪を撫でた。

「きっと・・・堂々と君の夫を名乗れるようになって帰ってくる・・・。そしてハリーとも・・・。
 レティーシャ・・・止まった時間が動き出したんだ・・・。もう恐れるのはやめよう・・・。

 私たちが隠れる事なく・・・・この王国で生きていける道が出来る・・・・。

 僕も・・・君をもっと支えられる存在として帰ってくるよ・・・。



 ‥‥それにね?‥‥‥‥きいて‥‥‥?」
 レオンは、レティーシャに向かってにっこりと笑った。








 朝がやってきた。ポリセイオは冬なのに外套1つで済むくらい暖かい気候だ。王城のゲストルームでそれは始まろうとしていた。

「・・・おい、ほんとか?」
「え?」
「だから・・・・手ぶち切れたりしねぇよな?」
「おや、怖いですか?」
「いや・・・遠いだろどう考えても、挟まれる俺の身にもなれよ・・・・。」
「意外と怖がりですね?」
「意外じゃないですよ?魔術契約しようとした時なんかはもう叫び倒して」
「やかましいわ!!!さっさっとやっちまえくそ野郎!!!!」


 テオドールの両腕はロスウェルとレオンにしっかり掴まれていた。それは最早掴まれているという次元ではなく腕を抱き締めているに近かった。

「うぉい、ホントにっ‥‥‥大丈夫なんだろうなぁ?!
 レオン!お前っ!!帝国の城知ってんのか?!」
 ジタバタも出来ずにテオドールは冷や汗だけ流す。
 その問いにレオンはニコリと笑った。

「あ、いえ、すいません。僕はロスウェル殿の行く道へ軌道を合わせるだけなので。」
「あぁん?!!」

 テオドールは慌ててロスウェルの方へ顔を向けた。
 ロスウェルはいつもの様にデフォ笑顔だった。

「さぁぁ!殿下!!!泣いても笑っても一回ですよ!?」
「なんで泣くか笑うかなんだよっ!ざけんなよ!!」

 ジェットコースターに乗って頂上に達するまでの恐怖感だった。だが、そんな事を言った所で2人にはわかるまい。

「あっ‥‥ぁぁぁっ‥‥‥ぁあ!!!もぉぉっ!!
 2度と嫌だからなぁぁぁぁ!!!!!」

 テオドールの叫びはロスウェルの奏でた指音1つで掻き消えた。


 3人の姿はポリセイオ王城を離れ、
 帝国アレキサンドライトの王城の一室に辿り着いた。

 テオドールの頭は後ろにガクリともげそうな程だった。
「あっ‥‥やば‥‥殿下気絶しちゃった。」
「おやまぁ‥‥どの辺が怖かったのでしょう?」
「あれじゃないですか?ギュインって引っ張られる感じですかね?‥‥一瞬なのに。」

「私達は自己基準ですから、他の方には嫌な感覚なのですかねぇ?」
「さぁ?」
「「あはははははは!」」

 ロスウェルとレオンは笑い合っていた。
 この2人はどうやら似た様な部分があるようだ。

 しかし、ロスウェルはハッとした。
「あっ‥でもっ、陛下に殿下が気絶したなんて知られたらっ‥‥‥。」
「あっ‥そうですね!‥‥大切な皇太子を‥‥」
「これはもしや‥‥皇族に危害を与えた事項に該当してしまうのではっ‥」

「ええっ?そんな事項あるんですか?!言ってくださいよロスウェル殿!そしたら一気飛びなんてしなかったのに!」


 青ざめた2人はもの凄い勢いでテオドールをそのまま揺すった。


「もう遅いぞ?」



「ぅ‥‥‥」
 ロスウェルが固まった。背後からその聞き慣れた声が響いたからだ。


「‥‥‥‥あなたは‥‥‥。」
 レオンだけがいち早く声がした方に振り向いた。

 ギシギシとロスウェルの顔がゆっくりと声のした方へ振り返る。


「陛下‥‥‥ご機嫌様‥‥‥。」
「えっ?!陛下?!」

 ロスウェルとレオンの前には皇帝オリヴァーがにこやかに微笑んで立っていた。

「ああ、ご機嫌様。ロスウェル?ご苦労だったなぁ‥‥
 わざわざ俺の部屋まで飛んで帰ってくるとは‥‥。」

 オリヴァーの人差し指がそっとロスウェルの額を押した。
「さすがは私に仕える優秀な魔術師だ。
 気絶した息子を連れて一目散に此処へきてくれたんだろう?
 ふふふ、ありがとう~?私もびっくりだぁ?

 息子の気絶した姿なんか見た事ない。見ろぉ?ぐったりだなぁ?‥‥‥息子は病気一つほとんどしない健康児でこんなっ‥


 白目剥いた姿なんかお目にかかれない‥‥。
 初めて記念をありがとうロスウェル?」

 オリヴァーは、ポンポンと気絶したテオドールの頭を撫でた。

「気絶する程働いたなんて我が息子ながら実に働き者だなぁ?だから私はこの子が可愛くて仕方ないんだぁ‥‥。

 なぁ?‥‥ロスウェル?」


「‥‥‥それはそれは‥御立派なご活躍でございました。
 陛下の命に忠実で、実に!‥‥‥実に次期皇帝として誇らしい‥‥。うぐっ」

 オリヴァーは、ロスウェルの整った鼻を摘んだ。

「そうかそうかありがとう。‥そのまま皇太子を宙ぶらりんにしておくつもりか?」


 オリヴァーの人を殺せそうな鋭い瞳がロスウェルに突き刺さる。

「ソファーに寝かせろ!!!今すぐに!!!!」
「ふぁい‥‥‥とぅみまてん‥‥‥。」

 鼻を摘まれたまま、ロスウェルはガクッと肩を落とした。
 長年の習慣か、わざわざ皇帝の執務室に転移してしまった。

 2人はテオドールを丁寧にソファーに寝かせた。


 皇帝を前にレオンはキョロキョロと目を泳がせた。
 心の準備をしていた。だが、息子を気絶させた直後にお目にかかるとは夢にも思わなかった。

 皇帝はギラギラと禍々しい空気を出しながらこちらを見ている。隣のロスウェルは、愛想笑いをしていた。
 だが、極度の緊張感が隣から伝わってくる。

 ソファーに寝かせたテオドールをチラリと見て、レオンは深呼吸した。
 オリヴァーは、執務室の椅子に座り、机に両肘を付き指先を絡めてじっとこちらを見ている。いや、ロスウェルをギンギンに睨み付けている。


「皇帝陛下‥‥お初にお目にかかります。レオンと申します。」

「ああ、よく来てくれた。ここに来られたという事は、
 己の命を取り戻したからだろう‥よかったな。

 そなたの命が救われてた。実に喜ばしい事だ。」

「はい、この御恩は決して忘れません‥‥。そして、
 今私が此処に居る事についても‥‥。」

「ああ、そうだな、なんせ‥‥情報が入ってこないものだから心配してたのだ‥‥このボンクラと、交信手段も絶たれているにも関わらずこのボンクラと来たら他の魔術師にも連絡をよこさないもんで‥‥私はもう‥‥‥このボンクラを火炙りに‥‥」

「へへへへへ陛下!!陛下!!!!!」
 ロスウェルは片手で待った!オリヴァーに向けて手を伸ばした。

 オリヴァーはスッと目を細めてロスウェルの言葉を待った。


「皇帝陛下!恐れながら申し上げますと!
 ポリセイオについてから、モンターリュ公爵家の制圧!
 レオン殿の心の臓探し!ポリセイオ国王の処刑!
 悪しき貴族の制裁!国民への告示!!

 それらを!我らが愛するテオドール皇太子殿下の素晴らしき振る舞いにてすべて解決しております!」


「‥‥‥続けろ‥‥。」

「ぐっ‥‥‥そしてこの度解放されたレオン殿は、皇太子殿下のご提案にて、帝国の魔術師とし、後にポリセイオ王国と同盟の為!レオン殿をポリセイオ王国の王婿とお返しする裁断で御座います!!!!陛下のご意見をっ‥‥‥

 殿下はっ‥‥‥お求めでございます‥‥。」

 最後の言葉は小さな声でオリヴァーの耳に届いた。


 オリヴァーは悪人の様にニヤリと口角を釣り上げた。

「‥‥ご苦労であったな‥‥。それはわかった。




 なぜ、テオドールはこんなザマなのだ?私はそれが聞きたいのだ‥‥。最高位の魔術師が揃いも揃って2人も居ながら、


 うちの皇太子がぁ!!なぜ気絶しているんだと聞いているんだぁぁぁぁ!!!!!」

 皇帝オリヴァーの怒号に
 ビクゥゥっとロスウェルとレオンの身体が飛び跳ねる。




「‥‥‥ぐぅ‥‥‥」

 当の本人は、転移の瞬間に気絶し、そのまま眠りに落ちただけの様だった。彼は忙しかった。ろくに眠れていなかったのが原因だった。
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