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裏表のない男
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翌朝二人は子爵の朝食の招待を受けずに、ゲストルームで朝食を摂った。もう昨夜の出来事で此処がどういう家なのかわかったも同然だった。
「9時に出発する、荷を運んでくれ。」
テオドールはイーノク達にそう伝えた。
「畏まりました。皇太子殿下。」
袖口のボタンを留めながら、テオドールはリリィベルを待っていた。リリィベルはパウダールームで着替え中だ。
昨日のうちからカタリナとフランクに今日の日程を知らせておいた。後は此処を離れるだけだ。
「‥リリィがヤキモチ妬くのは嬉しいが、まったく‥」
昨日の訪問は実に不愉快だ。
食事中にこちらを見ているだけなら、ここまで事は深刻ではない。目を瞑れた。だが、部屋にまでやってこられてはたまったもんじゃない。
出来るだけ姿を見ずに此処を立ち去りたいのが本音だ。
子爵がその後謝りに来たが、テオドールはその手の目には鋭い。欲を持つ者の目、純粋な心ではないもの。
8歳の頃から何度見られていた事か‥
この家が暗殺事件に関わっていないのは奇跡だった。
爵位はそこままだとしても、不正はなさそうなのが幸いだ。それ以上でもそれ以下にもならない貴族。
ユリアは18歳。
行き遅れになる前に落ち着けばいいのだ。
皇太子などに夢を見ている場合ではないだろう。
「はぁ‥大体、どんな自信あったらあんな格好で来るってんだ。リリィの美しさがわからないのか?目が悪いんだな‥
リリィを見てよく心が折れなかったもんだ。」
そう、大体の女達は、俺に目を向けたとしても、
リリィベルを見て多少の心をへし折られる。
それでもと思って近づこうとする者もいたが、
リリィベルがちゃんと牽制した。
俺の腕に絡みついたり、時には人前で俺の頬に手を当てたり、愛しく美しい視線をくれるのだ。
あれに抗う事など無理だ。
人目憚らず口付けしたくなる。
しかし教訓は守っている。唇に口付けるのは極力人目を避ける事。
だが、ユリアのあれはなしだ。明らかに度が過ぎていた。
思い出しても不愉快なため息が出るほどだ。
パウダールームからリリィベルとカタリナが出てきた。
「お待たせしました。」
「リリィ‥今日も綺麗だ。」
そばに来たリリィベルのこめかみに口付けて、テオドールは微笑んだ。
テオドールのこの世で1番美しく愛しい人。
化粧などしなくても、朝から晩まで美しい。
「ふふっ、テオも今日も格好いいです‥」
背伸びをしてテオドールの頬に口付けた。
それを微笑んで受ける。
「さぁ、今日はマッケランの街を見てホテルで最後の夜だ。」
「はい。あっという間でした‥。」
「帰ったら爵位授与式と、建国祭の準備だな。」
「私はまた妃教育が始まります。」
「そうだ。つらかったらゆっくりやるんだぞ?」
「早くあなたの妃になりたいのです。休みませんよ?」
「結婚式までに終われば良いんだから。それにもう妃も同然だ。結婚式が待ち遠しいな‥」
「はい、私もです‥。」
2人は笑みを交わして手を取り合った。
玄関ホールでは子爵がオロオロと皇太子を待っていた。
騎士団の者達が荷物を淡々と運んでいる。
これまでの噂では、皇太子はほとんどが訪れた家の貴族の者と視察に出ていた。だが、昨夜の件もあり同行する事が叶わなくなった。ヒューストン子爵は娘に怒りを隠せなかった。夕食時こそ、ユリアの品のないドレスに驚かされた。この歳にもなって縁談が纏まらずにイライラしていたと言うのに。
だが、皇太子の訪問に少なからず期待を持ってしまった。
皇太子の婚約者への寵愛は聞いていたが、いつか色褪せる愛。領主が不在になった今、爵位が上がっても不思議じゃなかった。だからいつかは娘が皇太子の側室にと、欲が出た。
娘は縁談こそ決まらなかったが、美しい娘だと思っていた。
けれど、何故縁談が決まらないかは昨日の出来事で分かった。その立ち振る舞い。色気にものを言わせるようなやり口。尻の軽い振る舞い。そんな事で子爵家の娘など、縁談が舞い込むはずもない‥。知らず知らずのうちに甘やかして育ててしまっていたことを悔いた。
皇太子に昨夜の不敬を許されただけ幸運だった。
たった一夜の出会いで、皇太子の目に留まったリリィベルを見れば、なるほど納得するしかない。
パーティーで見かけた事もあるが、目の前に現れたリリィベルは真実、正に皇太子が自ら女神と口にするのも頷ける美しさだった。
美の全てを持った彼女は、娘が敵う相手ではなかったのに‥。
今更後悔した所で、なす術はない。
妻に至っては、そんな娘を咎めもせずに、むしろリリィベルに対抗心を燃やしていた。
リリィベルの事で、皇太子と皇帝がどれだけ動くかなど、ついこの間あったばかりの事件を考えれば分かるはずなのに。
女は女に嫉妬をする。
「あっ‥殿下っ‥‥」
階段から降りてきた皇太子と、エスコートされるリリィベルを見てヒューストン子爵は両手をきつく結んで縋る思いだった。
「‥‥あぁ、子爵。世話になった。」
「‥‥この度はお世話になりました。」
冷ややかな皇太子と、作り笑いが見て取れるリリィベルの言葉がぐさりと胸に突き刺さる。
「急な訪問で、さぞ大変だっただろう。私達は街を見回って城へ戻る。同行は昨夜申した通り不要だ。世話になった。」
「そっ‥そんな‥とんでもございません!領主が不在のこの地ですっ‥どうか視察のお手伝いをさせて下さいっ!!」
子爵は切実に頭を下げた。
その頭を見下ろす皇太子の目は変わらなかった。
「いや、ここで最後だからこそ2人でこの地を見回る。
西部は王都へ武器や鎧を献上していたから、工房に足を運ぶ予定でいる。行くべき所は分かっているから心配ない。
そなたは、これまで通りにいてくれ。では。」
そういう時リリィベルを連れて歩き始める。
「あぁっ‥殿下!お待ちをっ‥‥」
スタスタと屋敷を出ようとする2人を子爵は追いかけた。
「昨夜の事なら何度でもお詫びいたしますっ!娘は謹慎させております故っ‥何卒‥」
「その件はもう良い。私は2人でこの地を見てまわりたいだけだ。察してくれ。」
「しかしっ‥‥」
皇太子の言葉が本心ではないと思い込んでいる。
今からでも挽回したい。その一心で子爵は後を追いかけた。
馬車の側まで追いかけて、皇太子はリリィベルを馬車に乗せた。何を言っても返事など返ってこない。
「‥‥‥‥」
皇太子は、やっとのことで子爵に振り返った。
「私が良いと言っている。そなたの娘の不敬を受けてもな。」
「どうかお怒りを‥‥」
「そうではない。怒りは水に流していると言っている。
私の真の言葉も信じられぬから、そなたの同行も要らぬのだ。そなたの謝罪を受け入れたと言ったはずだ。
だから、爵位の事など気にする必要はない‥‥」
「っ‥‥‥」
またしても図星を突かれた。
放心した子爵に皇太子は、告げる。
「そなたは今まで通りに、一貴族として皇室に忠誠を誓ってくれればそれで良い。では、失礼する。」
それだけ言うと皇太子は馬車に乗り込んだ。
閉められたカーテンが、その一線を引いたようだ。
地面にへたり込む子爵を置いて、馬車は走り出した。
「あぁ‥‥皇太子の言葉は‥すべて‥‥」
子爵がポツリと呟いた。
そう、皇太子には裏表がない。言った言葉がすべて本心なのだ。駆け引きをされている訳でもなく。その言葉通り慎ましくして居れば良かったのだ。
黙って謝罪し、見送るのが賢明だった。
これがこの帝国の皇太子。
裏表のない彼が望むのは、裏表のない真の姿だった。
この場合、子爵の落ち度は、爵位と娘に期待を抱き媚を売った時点で決まっていたのだ。
「9時に出発する、荷を運んでくれ。」
テオドールはイーノク達にそう伝えた。
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袖口のボタンを留めながら、テオドールはリリィベルを待っていた。リリィベルはパウダールームで着替え中だ。
昨日のうちからカタリナとフランクに今日の日程を知らせておいた。後は此処を離れるだけだ。
「‥リリィがヤキモチ妬くのは嬉しいが、まったく‥」
昨日の訪問は実に不愉快だ。
食事中にこちらを見ているだけなら、ここまで事は深刻ではない。目を瞑れた。だが、部屋にまでやってこられてはたまったもんじゃない。
出来るだけ姿を見ずに此処を立ち去りたいのが本音だ。
子爵がその後謝りに来たが、テオドールはその手の目には鋭い。欲を持つ者の目、純粋な心ではないもの。
8歳の頃から何度見られていた事か‥
この家が暗殺事件に関わっていないのは奇跡だった。
爵位はそこままだとしても、不正はなさそうなのが幸いだ。それ以上でもそれ以下にもならない貴族。
ユリアは18歳。
行き遅れになる前に落ち着けばいいのだ。
皇太子などに夢を見ている場合ではないだろう。
「はぁ‥大体、どんな自信あったらあんな格好で来るってんだ。リリィの美しさがわからないのか?目が悪いんだな‥
リリィを見てよく心が折れなかったもんだ。」
そう、大体の女達は、俺に目を向けたとしても、
リリィベルを見て多少の心をへし折られる。
それでもと思って近づこうとする者もいたが、
リリィベルがちゃんと牽制した。
俺の腕に絡みついたり、時には人前で俺の頬に手を当てたり、愛しく美しい視線をくれるのだ。
あれに抗う事など無理だ。
人目憚らず口付けしたくなる。
しかし教訓は守っている。唇に口付けるのは極力人目を避ける事。
だが、ユリアのあれはなしだ。明らかに度が過ぎていた。
思い出しても不愉快なため息が出るほどだ。
パウダールームからリリィベルとカタリナが出てきた。
「お待たせしました。」
「リリィ‥今日も綺麗だ。」
そばに来たリリィベルのこめかみに口付けて、テオドールは微笑んだ。
テオドールのこの世で1番美しく愛しい人。
化粧などしなくても、朝から晩まで美しい。
「ふふっ、テオも今日も格好いいです‥」
背伸びをしてテオドールの頬に口付けた。
それを微笑んで受ける。
「さぁ、今日はマッケランの街を見てホテルで最後の夜だ。」
「はい。あっという間でした‥。」
「帰ったら爵位授与式と、建国祭の準備だな。」
「私はまた妃教育が始まります。」
「そうだ。つらかったらゆっくりやるんだぞ?」
「早くあなたの妃になりたいのです。休みませんよ?」
「結婚式までに終われば良いんだから。それにもう妃も同然だ。結婚式が待ち遠しいな‥」
「はい、私もです‥。」
2人は笑みを交わして手を取り合った。
玄関ホールでは子爵がオロオロと皇太子を待っていた。
騎士団の者達が荷物を淡々と運んでいる。
これまでの噂では、皇太子はほとんどが訪れた家の貴族の者と視察に出ていた。だが、昨夜の件もあり同行する事が叶わなくなった。ヒューストン子爵は娘に怒りを隠せなかった。夕食時こそ、ユリアの品のないドレスに驚かされた。この歳にもなって縁談が纏まらずにイライラしていたと言うのに。
だが、皇太子の訪問に少なからず期待を持ってしまった。
皇太子の婚約者への寵愛は聞いていたが、いつか色褪せる愛。領主が不在になった今、爵位が上がっても不思議じゃなかった。だからいつかは娘が皇太子の側室にと、欲が出た。
娘は縁談こそ決まらなかったが、美しい娘だと思っていた。
けれど、何故縁談が決まらないかは昨日の出来事で分かった。その立ち振る舞い。色気にものを言わせるようなやり口。尻の軽い振る舞い。そんな事で子爵家の娘など、縁談が舞い込むはずもない‥。知らず知らずのうちに甘やかして育ててしまっていたことを悔いた。
皇太子に昨夜の不敬を許されただけ幸運だった。
たった一夜の出会いで、皇太子の目に留まったリリィベルを見れば、なるほど納得するしかない。
パーティーで見かけた事もあるが、目の前に現れたリリィベルは真実、正に皇太子が自ら女神と口にするのも頷ける美しさだった。
美の全てを持った彼女は、娘が敵う相手ではなかったのに‥。
今更後悔した所で、なす術はない。
妻に至っては、そんな娘を咎めもせずに、むしろリリィベルに対抗心を燃やしていた。
リリィベルの事で、皇太子と皇帝がどれだけ動くかなど、ついこの間あったばかりの事件を考えれば分かるはずなのに。
女は女に嫉妬をする。
「あっ‥殿下っ‥‥」
階段から降りてきた皇太子と、エスコートされるリリィベルを見てヒューストン子爵は両手をきつく結んで縋る思いだった。
「‥‥あぁ、子爵。世話になった。」
「‥‥この度はお世話になりました。」
冷ややかな皇太子と、作り笑いが見て取れるリリィベルの言葉がぐさりと胸に突き刺さる。
「急な訪問で、さぞ大変だっただろう。私達は街を見回って城へ戻る。同行は昨夜申した通り不要だ。世話になった。」
「そっ‥そんな‥とんでもございません!領主が不在のこの地ですっ‥どうか視察のお手伝いをさせて下さいっ!!」
子爵は切実に頭を下げた。
その頭を見下ろす皇太子の目は変わらなかった。
「いや、ここで最後だからこそ2人でこの地を見回る。
西部は王都へ武器や鎧を献上していたから、工房に足を運ぶ予定でいる。行くべき所は分かっているから心配ない。
そなたは、これまで通りにいてくれ。では。」
そういう時リリィベルを連れて歩き始める。
「あぁっ‥殿下!お待ちをっ‥‥」
スタスタと屋敷を出ようとする2人を子爵は追いかけた。
「昨夜の事なら何度でもお詫びいたしますっ!娘は謹慎させております故っ‥何卒‥」
「その件はもう良い。私は2人でこの地を見てまわりたいだけだ。察してくれ。」
「しかしっ‥‥」
皇太子の言葉が本心ではないと思い込んでいる。
今からでも挽回したい。その一心で子爵は後を追いかけた。
馬車の側まで追いかけて、皇太子はリリィベルを馬車に乗せた。何を言っても返事など返ってこない。
「‥‥‥‥」
皇太子は、やっとのことで子爵に振り返った。
「私が良いと言っている。そなたの娘の不敬を受けてもな。」
「どうかお怒りを‥‥」
「そうではない。怒りは水に流していると言っている。
私の真の言葉も信じられぬから、そなたの同行も要らぬのだ。そなたの謝罪を受け入れたと言ったはずだ。
だから、爵位の事など気にする必要はない‥‥」
「っ‥‥‥」
またしても図星を突かれた。
放心した子爵に皇太子は、告げる。
「そなたは今まで通りに、一貴族として皇室に忠誠を誓ってくれればそれで良い。では、失礼する。」
それだけ言うと皇太子は馬車に乗り込んだ。
閉められたカーテンが、その一線を引いたようだ。
地面にへたり込む子爵を置いて、馬車は走り出した。
「あぁ‥‥皇太子の言葉は‥すべて‥‥」
子爵がポツリと呟いた。
そう、皇太子には裏表がない。言った言葉がすべて本心なのだ。駆け引きをされている訳でもなく。その言葉通り慎ましくして居れば良かったのだ。
黙って謝罪し、見送るのが賢明だった。
これがこの帝国の皇太子。
裏表のない彼が望むのは、裏表のない真の姿だった。
この場合、子爵の落ち度は、爵位と娘に期待を抱き媚を売った時点で決まっていたのだ。
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