ハッピーエンドを待っている 〜転生したけど前世の記憶を思い出したい〜

真田音夢李

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二人の反撃

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 3週間あった視察は、とうとう終わりが近づいている。

 最後の土地、西部にある元マッケラン伯爵家が治めていた領地にやってきた。
 これまでいくつもの領地を周り、没落した貴族の領地、伯爵家、子爵家、男爵家を訪問した。
 皆が皆信頼できる者ばかりではなかった。そのため、領地を拡大し治める領主を決める事が多くなった。
 それには皇帝陛下も承諾しており、今後の領主たちに責任が伴う。
 それらを任せられる者を探し当ててきた。これからの未来を担うに適任の者達を。

 宿泊した屋敷で、皇太子に不必要に媚びを売る者、皇太子にリリィベルに向かって色目を使う者。
 屋敷で働くメイドや使用人達の管理。疑わしきは優れた頭脳と魔術で搔い潜った。

 世の中善人だけではない事をよく知る道となったのは間違いない。
 だがそれと同時に、信頼できる者をこの目で確認する事が出来た。

 最後のマッケラン領地の子爵家、ヒューストン子爵家。
 いつものように、その屋敷に泊る事となった一行は、ゲストルームに通された。

「・・・・・リリィ、大丈夫か?」
「あぁ・・・・えぇ・・・・・。」

 リリィベルはテオドールの問いかけに少し不機嫌な顔をしていた。

 門で出迎えられた一行。すでに皇太子たちが視察で貴族の家に泊っている事は日が進むにつれて、
 知れ渡っていた。

 今回訪れたヒューストン子爵家。暗殺依頼には関わっていないから存在している。
 けれど、皇太子を見てヒューストン家の長女、ユリアはうっとりと頬を染めた。

 それを見て、不機嫌になったのはリリィベルだ。
 もうこれで何度目か。もちろん。その逆もあった。

 リリィベルを見て、貴族の息子たちがうっとりと頬を染める。
 それが、皇太子の機嫌を損ねる事も多かった。

 婚約者が居てもそうなる男女はたくさんいた。

 今回も、その長女ユリアがそうだった。ユリアは18歳で2人より年上だ。
 けれど、年齢など関係ない。皇太子のその容姿と地位に目が眩む。
 そして、リリィベルへ向けられる愛に、期待するのだ。

 気に入られて、リリィベルの様に愛されたいと。正妻ではなくても、側室にでも収まりたいと。

 夕食時には、胸元が強調されるドレスで現れ、しきりに皇太子に視線を送る。
 当主と夫人は皇太子に媚びを売り、娘を側室でもいいから収めたいと欲を抱いた。

 やっと終わった夕食の後、ゲストルームで、テオドールはリリィベルをいつもの様にソファーに座り後ろから抱きしめていたところだった。

「リリィ」
「・・・はい・・・。」
「俺の意見を聞いてくれるか?」
「はい・・・・。」

 リリィベルの髪を撫でてテオドールはその小さな頭に顎を乗せた。

「ヒューストン子爵家のほかに、ここには男爵家がある。」
「・・・では、明日は男爵家へ?」
「会う必要はある。情報だけで決めつけるのは良くないしな。だが・・男爵家も兄と妹、私達と同世代の者だ。もうそろそろうんざりしてるだろう?」
「まぁ・・・これだけ続けば・・・そう思います・・・。」
「そうだろう・・・。明日は我々だけで領地を見回り、領地のホテルに泊まるのはどうだ?確か、あるはずだったが。」
「本当ですかっ!?」

 テオドールの言葉にリリィベルは顔をぱぁっと明るくして振り向いた。

「あぁ、ここまで我慢していたが、もうここで最後だ。我々だけで領地を周ってみよう。」
「テオ、嬉しい・・・。」

 リリィベルは今日の夕食の席は終始怒りが込み上げていた。
 常に笑顔を絶やさぬように心がけていたが、我慢も限界がある。

「テオが・・・」
「俺が・・・?」

 リリィベルはぷくっと頬を膨らませた。
「テオが素敵すぎるのです・・・。みんな女性たちは虜になってしまいます・・・。」
「それは俺もそっくり返したい。お前を見る男たち全員斬ってしまうところだった・・・。」

 お互いにぷくっと頬を膨らませて顔を突き合わせた。

「ぷっ・・ふふっ・・・。」
 リリィベルは先に笑いだしてしまった。それにつられてテオドールも笑う。

「はぁ・・・これが終われば城に帰れる。ここからだと丸一日くらいだろうな。」
「早くお義母様とお義父様に会いたいです・・・。」
「きっと首を長くして待っているぞ?俺よりもお前をな?」
「まぁ、そんな事ありません。ふふっ私達を待っていて下さっていますよ?」
「ふっ・・・・そうか。そうだな。」
「でも・・・私はテオが側に居ればそれでいいです・・・。」
「俺もだ・・・。」

 2人はいつもの様に愛を伝えあった。

 そこへ、扉を叩く音が響いた。
 せっかくの安らげる時間に、テオドールは顔を顰める。

「なんだ。」
 扉の向こうに返事をした。

【殿下・・・その・・・お休みの所大変申し訳ありません。】
 声の主はフランクだ。申し訳なさそうにフランクの声が聞こえる。

「だからどうした。」
【ユリア嬢がお見えでして・・・。】

 その言葉にリリィベルは頬を膨らませた。
 その顔を見下ろしたテオドールは、ニヤリと笑った。

 婚約者と同室の部屋にわざわざ訪ねてくるとは、見上げた根性だ。


「開けれるものなら開けてみろ。」
 テオドールはそう返すと、リリィベルを膝に抱えた。


 ガチャっと扉が開く。美しいドレスを纏ったユリアがフランクに続いて部屋に入ってきた。

「わぁっ!殿下っ!ダメならダメって言って下さいよ!」
 フランクは慌てて顔を両手で覆った。
「っ・・・・」
 フランクと共に、屈辱的な顔で頬を真っ赤にしたユリアがそこにいる。


 テオドールはリリィベルの首筋に唇を当てて訪問を受け入れた。
 ここはゲストルームとは言え、私的な空間だ。
 艶めくリリィベルがテオドールの膝に乗せられたまま扉の方を向いた。

 扉が開かれるまでの間に、テオドールの行動に驚いたリリィベルだったが、
 これは独占欲だった。テオドールが首筋に唇を当てて口づける。その行為を受け入れた。

 テオドールは、リリィベルの首筋に何度も唇を当てた。
「何の用だ?今が何時か分かっているのか?」
 ユリアには目もくれず、あちこちに唇を当てた。

「っっ・・・あっ・・・・明日のっ・・・・。」

 テオドールが見もしてくれない。ユリアは顔を真っ赤にして悔し気に口を曲げた。



「明日?明日がなんだ・・・・。」

「明日の視察にはっ・・・父と私が・・・・殿下をご案内するとっ・・・。」

「へぇ・・・俺は今そんな話を聞く暇はないのだがな・・・・・。」


 ユリアはぎゅっと手を握りしめた。
 リリィベルのメイド、カタリナが慌ただしく入浴の用意をしていると、屋敷のメイドから聞いていた。

 だから同室ではあっても、リリィベルはバスルームにいると思っていた。

 その間に、皇太子と二人きりになる計画だった。


 ユリアには自分の容姿に自信があった。言い寄ってくる男は数多くいた。
 婚約者の居る男が、自分を好きだと言う事もあった。

 皇太子にも、通用すると思っていた。リリィベルよりももしかしたら気に入って貰えるかもしれないと。


 だが、現実は違った。

「っ・・・・テオ・・・・っ・・・。」
「リリィ・・・・。」

 目の前に広がるこの艶めかしい光景に、悔しさしか浮かばない。
 けれど、確かにリリィベルは皇太子に包まれて艶めき美しかった。

テオドールはリリィベルの肩に口付けた。

「明日の視察は、婚約者と騎士団で周るから問題ない。子爵にもそう伝えてくれ。

 そしてユリア嬢。今回は、急な訪問によりそなたのこの時間の訪問を受け入れたが、

 私と婚約者の部屋に訪れる等、本来許されない。


 私の唯一の愛しい時間の邪魔をした罪は重いんだ。

 今すぐここを出れば、今回だけは見逃してやる。


 行け・・・・・。」


 リリィベルの肩越しでやっとこちらを向いた目は、鋭く甘さとは無縁のものだった。

「っ・・・申し訳・・・・っございません・・・でした・・・・。」

 悔し気に頭を下げたユリアに、リリィベルもその鬱憤を晴らすように後ろにいるテオドールの頬に手を伸ばした。

「テオ・・・。」
「あぁ、すまない。待たせてしまったな・・・。」


 リリィベルの髪を口で弄りまた首筋に口付けた

「フランク、下がらせろ。」
「はいっ殿下っ・・・。」

 顔を真っ赤にしたフランクがユリアに触れずに2人から離すように手で線を引く。

「お下がりください。」
「っ・・・失礼いたしました・・・。」

 ぎゅっとドレスを掴んで雑なカーテシーをして下がった。
 扉が閉まるとフランクがあさっての方を向いて口を開いた。

「でっ殿下っ・・陛下との約束を破ってませんよねっ?」

「バーカ・・・こっちを見ろ。」
 テオドールの声に、薄めで二人の方を見る。

 ソファーに座りなおしている2人がそこに居た。

「っ・・あぁ良かったっ!」
 フランクは深く息を吐いた。

 テオドールは肩眉を吊り上げて不満そうにしていた。

「こんな時間にやってくるあのバカ女に見せつけてやっただけだ。これ以上いらぬ期待を持たせぬようにな。俺たちの時間を邪魔したんだ。本来なら罰を与えたいくらいだ。」

「だっ・・だからってあそこまでしなくても・・・・。」
「ふんっ・・・いい加減うんざりだ。思い知らせてやっただけだ。」

「・・・・・・。」

 リリィベルに関しては口を閉ざしたままだ。その場の流れに乗ったものの言葉に出来ない。
 けれど、ここまでの道中どれだけ我慢をした事か。
 そして部屋にまで来られたのは初めてだった。普段なら入浴する時間だ。
 けれど、今日は近く城に帰る事もあり2人の時間を噛みしめていたところだ。

 恥ずかしいものの、少しは気が晴れた気分だ。

 我慢に我慢を重ねた二人の反撃劇だった。
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