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欲しい夜
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「ベリー?」
「はい、リリィベル様」
「今日も綺麗に整えて、下さいね‥」
鏡台に少し頬を染めて俯いた。
「はい、畏まりました。」
寝支度をする、鏡に映る自分を見ていた。
テオ様に映る私は、いつも綺麗に映ってほしい‥
その目を逸らされぬ様に‥‥。
続き扉から、テオドールが顔を出した。
「リリィ?もう終わるか?」
「あっ‥はい‥あのっ‥」
慌てたリリィベルだったが、ベリーは笑ってテオドールを見た。
「殿下、気持ちはお察ししますが、レディの支度で御座います。どうぞ、お戻りください?こちらからお声をかけますので」
「あっ‥すまない‥‥悪かった。待ってるよ、リリィ」
そう言ってテオドールは扉を閉めた。
「殿下ったら、リリィベル様が恋しくて仕方がないのですね。殿下は元々少々せっかちな所は御座いますが、女には女の都合がある事を理解して頂かなければ。」
そう言いながら、ベリーは、丁寧に髪を梳かしてくれた。
「でも、嬉しいです‥‥テオ様が戻ってきてくれて‥」
「数日ゆっくりと眠れなかったのです‥。殿下と一緒に、ゆっくりお過ごしくださいね。」
「ありがとう、ベリー」
リリィベルは優しいベリーの笑みに、ほっとしていた。
支度を終えて、リリィベルはテオドールの部屋に招かれた。
そっと手を引かれ、ベッドの端に座り、リリィベルの髪を撫でる。
「勉強は大変か?」
「いいえ、皆さん優しく教えてくださいます。大変ではありません。」
「そうか・・・お前は賢いな・・・」
「テオ様こそ、お義母様から聞きました。城に上がってから勉強を始めて、すぐに覚えていたと。
そして、とても優しい子だったと・・・。今も変わらないですね。」
「母上・・・なんてことを・・・」
テオドールはバツの悪い顔をしていた。
「お勉強は苦になりません。いつかテオ様の隣でお役に立つためのもの・・・
ちっとも苦じゃありませんよ?」
「・・・そうか・・・居てくれるだけでいいんだけどな・・・・」
「そんな事ではいけません。私は堂々と、テオ様の隣に立ちたいのですから・・・・。」
その言葉にふっと笑ったテオドールだった。
そして、リリィベルの身体をそのままベッドに押し倒した。
上からリリィベルを見下ろす。
「お前は逞しくて、勇敢な女だな・・・。」
「テオ様・・・・。」
「愚かな俺に愛を囁くお前は、本当に俺の為に産まれてきてくれたんだな・・・。」
「っ・・・・そ・・・その・・つもりで、おります・・・・・。」
見下ろされてリリィベルは頬を染めた。
「ん?どうした?顔が赤いぞ?」
「そっれは…その…。」
「いつも、俺を抱きしめて寝てるじゃないか。今更赤くなるのか?」
リリィベルの胸は高鳴っていた。こんな風にされるのは、はじめてだった。
「一年後が、待ち遠しいな・・・・」
「・・・・それは・・・・」
リリィベルの額にテオドールは自分の額を寄せ瞳を閉じた。
「夫婦となってお前を抱いて眠るのを・・・心待ちにしているんだ。」
「っ・・・・テオ様っ・・・」
リリィベルは恥じらいその身を捩った。
「だが、お前が身も心も離れる事がないように、お前にも同じ思いを抱いてもらうぞ?」
「そっれは・・・・?」
テオドールはリリィベルの唇に噛みつくように口づけた。
「んっ・・・・」
少しだけ声を漏らし、身体を震わせた。
息苦しくて、口を開くリリィベルを激しく舌先で愛でた。
前にも、中庭で・・・こんな口づけを交わした。
蕩けそうな程、胸が熱く、甘く、すべてを持っていかれそうな気持ちになったあの日・・・。
あれからずっと、この口づけを待っていた私は・・・欲深いわ・・・・。
皆が、この方を欲している・・・・。
私は皆に憎まれ、疎まれて、殺したい程な思いを向けられて・・・・。
「はぁっ・・・テオっ様・・・・・」
「リリィ・・・・離れたくない・・・口を逸らすな。俺をもっと欲しがれ・・・。」
「っ・・・・ふぅっ・・・・・」
あぁ・・・私は、なんて嫌な女だろうか・・・・。
私を求めるこの甘い声が・・・
この唇と、その舌先が・・・・
私のものだと・・・・頭を支配している・・・・・。
誰にも・・・あげない・・・・。
誰にも・・・・見せない・・・・・。
離れた唇から、私の欲は、溢れ出る。
誰もが欲しがるその存在に、手を回し、その綺麗な髪を優しくつかむ・・。
そう、あなたを掴んだ私は・・・誰に恨まれても、構わない‥‥‥
「テオ様・・・っ・・・私を、永遠に・・・・欲してくださいっ・・・・」
「リリィ・・・・愛してる・・・・」
その、暁色の瞳が好きです・・・。私を見つめるその瞳が・・・・。
囁く声が、身体が震えるほど・・・愛しいです・・・・。
あなたを、独り占めして、あなたに愛される私は・・・・・。
どんなに命を狙われようと・・・あなたを失う事に比べたら、気にもなりません・・・・。
どうか、永遠に愛してください・・・・。
もっと、深く、愛してください・・・・。
一年後、あなたの妃になった時、あなたにすべてを奪われるのを、心待ちにしています。
身も心も、離れないようにしたいのは、私もそうです・・・・。
あなたが離れぬ様に・・・・鎖で繋いでしまいたい・・・・。
「テオ様・・・・っ」
「リリィっ・・・・」
苦し気に吐く、あなたの息遣いを、私はずっと欲しがります。
どうか・・・私を見て・・・身体を、熱くしてください・・・・。
「愛しています…テオ様・・・・」
「っ‥お前が欲しくて・・・気が狂いそうだ・・・・」
「どうか気が狂う程、愛してください。
それ以上に、私もあなたを愛しています・・・・。」
互いの頬を引き寄せて、シタを濡らして。
今は唇で・・・激しくあなたと愛し合いたい・・・・。
それが出来るだけで、私はこの命さえ、惜しくない・・・・。
星と月が輝く夜。眠りにつくまで…愛し合う。
星は永遠に月を見ている。
同じ夜空にいる事を深く望んでいる。
「はい、リリィベル様」
「今日も綺麗に整えて、下さいね‥」
鏡台に少し頬を染めて俯いた。
「はい、畏まりました。」
寝支度をする、鏡に映る自分を見ていた。
テオ様に映る私は、いつも綺麗に映ってほしい‥
その目を逸らされぬ様に‥‥。
続き扉から、テオドールが顔を出した。
「リリィ?もう終わるか?」
「あっ‥はい‥あのっ‥」
慌てたリリィベルだったが、ベリーは笑ってテオドールを見た。
「殿下、気持ちはお察ししますが、レディの支度で御座います。どうぞ、お戻りください?こちらからお声をかけますので」
「あっ‥すまない‥‥悪かった。待ってるよ、リリィ」
そう言ってテオドールは扉を閉めた。
「殿下ったら、リリィベル様が恋しくて仕方がないのですね。殿下は元々少々せっかちな所は御座いますが、女には女の都合がある事を理解して頂かなければ。」
そう言いながら、ベリーは、丁寧に髪を梳かしてくれた。
「でも、嬉しいです‥‥テオ様が戻ってきてくれて‥」
「数日ゆっくりと眠れなかったのです‥。殿下と一緒に、ゆっくりお過ごしくださいね。」
「ありがとう、ベリー」
リリィベルは優しいベリーの笑みに、ほっとしていた。
支度を終えて、リリィベルはテオドールの部屋に招かれた。
そっと手を引かれ、ベッドの端に座り、リリィベルの髪を撫でる。
「勉強は大変か?」
「いいえ、皆さん優しく教えてくださいます。大変ではありません。」
「そうか・・・お前は賢いな・・・」
「テオ様こそ、お義母様から聞きました。城に上がってから勉強を始めて、すぐに覚えていたと。
そして、とても優しい子だったと・・・。今も変わらないですね。」
「母上・・・なんてことを・・・」
テオドールはバツの悪い顔をしていた。
「お勉強は苦になりません。いつかテオ様の隣でお役に立つためのもの・・・
ちっとも苦じゃありませんよ?」
「・・・そうか・・・居てくれるだけでいいんだけどな・・・・」
「そんな事ではいけません。私は堂々と、テオ様の隣に立ちたいのですから・・・・。」
その言葉にふっと笑ったテオドールだった。
そして、リリィベルの身体をそのままベッドに押し倒した。
上からリリィベルを見下ろす。
「お前は逞しくて、勇敢な女だな・・・。」
「テオ様・・・・。」
「愚かな俺に愛を囁くお前は、本当に俺の為に産まれてきてくれたんだな・・・。」
「っ・・・・そ・・・その・・つもりで、おります・・・・・。」
見下ろされてリリィベルは頬を染めた。
「ん?どうした?顔が赤いぞ?」
「そっれは…その…。」
「いつも、俺を抱きしめて寝てるじゃないか。今更赤くなるのか?」
リリィベルの胸は高鳴っていた。こんな風にされるのは、はじめてだった。
「一年後が、待ち遠しいな・・・・」
「・・・・それは・・・・」
リリィベルの額にテオドールは自分の額を寄せ瞳を閉じた。
「夫婦となってお前を抱いて眠るのを・・・心待ちにしているんだ。」
「っ・・・・テオ様っ・・・」
リリィベルは恥じらいその身を捩った。
「だが、お前が身も心も離れる事がないように、お前にも同じ思いを抱いてもらうぞ?」
「そっれは・・・・?」
テオドールはリリィベルの唇に噛みつくように口づけた。
「んっ・・・・」
少しだけ声を漏らし、身体を震わせた。
息苦しくて、口を開くリリィベルを激しく舌先で愛でた。
前にも、中庭で・・・こんな口づけを交わした。
蕩けそうな程、胸が熱く、甘く、すべてを持っていかれそうな気持ちになったあの日・・・。
あれからずっと、この口づけを待っていた私は・・・欲深いわ・・・・。
皆が、この方を欲している・・・・。
私は皆に憎まれ、疎まれて、殺したい程な思いを向けられて・・・・。
「はぁっ・・・テオっ様・・・・・」
「リリィ・・・・離れたくない・・・口を逸らすな。俺をもっと欲しがれ・・・。」
「っ・・・・ふぅっ・・・・・」
あぁ・・・私は、なんて嫌な女だろうか・・・・。
私を求めるこの甘い声が・・・
この唇と、その舌先が・・・・
私のものだと・・・・頭を支配している・・・・・。
誰にも・・・あげない・・・・。
誰にも・・・・見せない・・・・・。
離れた唇から、私の欲は、溢れ出る。
誰もが欲しがるその存在に、手を回し、その綺麗な髪を優しくつかむ・・。
そう、あなたを掴んだ私は・・・誰に恨まれても、構わない‥‥‥
「テオ様・・・っ・・・私を、永遠に・・・・欲してくださいっ・・・・」
「リリィ・・・・愛してる・・・・」
その、暁色の瞳が好きです・・・。私を見つめるその瞳が・・・・。
囁く声が、身体が震えるほど・・・愛しいです・・・・。
あなたを、独り占めして、あなたに愛される私は・・・・・。
どんなに命を狙われようと・・・あなたを失う事に比べたら、気にもなりません・・・・。
どうか、永遠に愛してください・・・・。
もっと、深く、愛してください・・・・。
一年後、あなたの妃になった時、あなたにすべてを奪われるのを、心待ちにしています。
身も心も、離れないようにしたいのは、私もそうです・・・・。
あなたが離れぬ様に・・・・鎖で繋いでしまいたい・・・・。
「テオ様・・・・っ」
「リリィっ・・・・」
苦し気に吐く、あなたの息遣いを、私はずっと欲しがります。
どうか・・・私を見て・・・身体を、熱くしてください・・・・。
「愛しています…テオ様・・・・」
「っ‥お前が欲しくて・・・気が狂いそうだ・・・・」
「どうか気が狂う程、愛してください。
それ以上に、私もあなたを愛しています・・・・。」
互いの頬を引き寄せて、シタを濡らして。
今は唇で・・・激しくあなたと愛し合いたい・・・・。
それが出来るだけで、私はこの命さえ、惜しくない・・・・。
星と月が輝く夜。眠りにつくまで…愛し合う。
星は永遠に月を見ている。
同じ夜空にいる事を深く望んでいる。
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