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星と月が出会う夜 第8夜
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音楽が止まり、2人は見つめ合っていた。
「リリィ…まだ、居られるか?」
「あ…お父様に…」
「そうだな。一度父君のところまで送ろう…。」
そう言ってテオドールはリリィベルの手を取りエスコートしてダニエルの所までやってきた。
「・・・・リリィ・・・・・」
複雑そうな顔をしてダニエルは娘を迎えた。
「お父様…お待たせしました。」
えへへっと嬉しそうに笑う娘が居た。
「皇太子殿下。娘をダンスに誘ってくださり有難う御座いました。」
そう言って、ダニエルは礼をした。
「いや、そなたの大切な娘のファーストダンスのパートナーをさせてもらった。感謝している。
とても楽しい時間をありがとう。」
「とんでもございません。尊い皇太子殿下がパートナーになって下さっただけで、身に余る光栄で御座います。」
「ブラックウォール伯爵、そなたらはいつまで王都に居られる?」
単刀直入にテオドールは言った。
「・・・・殿下、私は北部の領土を守る使命が御座います故、長い滞在は難しいかと・・・」
「左様か・・・その家名の通り、帝国の黒き壁だ。帝国の為尽力してくれているそなたには感謝している。」
「有難う御座います。これからも帝国の為尽力致します。」
「あぁ、期待している。」
ダニエルと一通り話したのち、テオドールはリリィベルと向き合った。
「ブラックウォール伯爵、しばし令嬢との時間をくれ・・・」
そう言ってダニエルから少し距離をとった。
「リリィベル嬢…今宵はとても楽しかった。」
「はい・・・皇太子殿下、私の方こそ、この上ない楽しい時間をいただきました。」
「・・・・・・・では・・・・・・・」
「・・・・・・・はい・・・・・・・」
目を離せないのは、テオドールだけではなかった。リリィベルも同じ思いを抱いていた。
離れたくない・・・・。
この腕の中に閉じ込めてしまいたい・・・・。
だが、今は、出会えただけでも・・・・・・。
「ではまた会おう。必ず・・・・。」
そう言ったテオドールだったが、リリィベルの手を引き、壁にその身体を付けて自身の身体で彼女を隠すように…。そして、テオドールはそっとリリィベルの耳に唇を寄せた。
〝さっきの言葉本心だ。近いうち、必ず会いに行く・・・〟
「・・・・っ・・・・・」
リリィベルの頬が染まった。
「時間が許すならば…もう少し楽しんでいくが良い…だが、他の男の誘いを受けるのは
見たくない…。許してくれ…。お前が悪目立ちせぬよう、私は何人かと踊ってくる。」
テオドールは、そっとリリィベルの頬を撫でた。
「嫉妬・・・してくれるか?」
すると、リリィベルはつま先を伸ばし背伸びをして、背の高いテオドールを少し引き寄せ囁いた。
「…嫉妬…して、しまうかもしれません…なので、その笑顔を…あまり見せないでくださいね…」
「……あぁ…お前以外に見せることは…あり得ない…。」
テオドールは嬉しそうにほほ笑んだ。
そのやり取りは壁の隅で交わされた。
そして、名残惜しく離れた2人だった。
テオドールは、リリィベルだけに注目が向くことがないように、適当な相手と踊った。
だが、リリィベルと踊った時のようなダンスは見ることはできなかった。
そうして何人か踊った後、皇族の席に戻ってきた。
「ふぅ…結構疲れるんだな…ダンスも…」
タイを少し緩めて席に座ったテオドール。
そんなテオドールを笑顔で迎えた皇帝と皇后だった。
「テオっ…お前、今日は踊ったな…」
「え?」
「そうよ、5人踊ったわよ?」
驚いている皇帝と皇后に、テオドールは疲れた笑みを浮かべた。
「えぇ、おかげで不本意なファーストダンスの記憶を消しました。けれど、意外と悪くなかったです。お陰で素晴らしい相手を見つける事が出来たので‥」
そういう顔には疲れも吹き飛ぶような笑みがこぼれていた。
「テオドール…あなたブラックウォールの令嬢が気に入ったの?」
「・・・・・・」
鋭い母の意見。だが、きっと見れば一目瞭然だっただろう。
「はい…皇后陛下、私はリリィベル嬢がとても気に入りました。」
ニヤッと微笑みそう言った。両親に隠すことはないだろう。むしろ言っておいたほうがいいとすら思えた。
「まぁそうなのね!とても綺麗な子だものっ」
「えぇ…とても…」
そう言って、ホールの中にいるリリィベルを見つめた。
まだ居てくれている。
父親に守られ、ダンスの誘いを、必死に断っている。
ふっ…あの頃と変わらないな…
前世でも、俺だけだと、散々言い寄られたのに、俺を選んでくれた。当然のように・・・・。
この世でも、俺を選んでくれるか・・・?
さっきの言葉・・・期待してもいいか?
うっとりとリリィベルを見ていた。
「テオドール、大丈夫なのか?」
皇帝陛下は真剣な顔で聞いてきた。
「・・・王女の機嫌を損ねたことでしょうか・・・?」
「わかっているじゃないか。どうするのだ。抗議してくるやもしれんぞ。
それに、リリィベル嬢とお前が踊っている時の王女の顔…あれは…」
とてつもなく、嫉妬した顔をしていた。
自分とは一度も目も合わせず、人形相手に踊ってるも同然な振舞いだった。
それがどうだ。リリィベルとは身を寄せ合い、囁きあい、大胆にも抱き上げて楽しそうに踊っていた。
どんなに屈辱に思っただろう…。あの小さな頭でどんな残酷なことを考えているか。
そしてブルックス公爵…。王女が侮辱されているのをあの場では黙ってみていた。
使節団はまだ滞在日数が残っている。
「あー…早く帰んねぇかな…。」
テオドールは、椅子にもたれ掛かり、うっかり本心をもらしていたのだった。
踊りすぎて、皇太子の仮面は取れ掛けだった。
そろそろ誕生祭が終わる頃。
リリィベルとダニエルが帰ろうとしているのが見えた。
「・・・・・・リリィ・・・・・・」
そっとその名を呟いた。
だが、居ても立っても居られず、人知れずホールを抜け出した。
そしてブラックウォール家の馬車にそっと近づいた。
リリィベルがダニエルの手を取り、馬車に乗り込むところだった。
リリィベルが乗り込んだ馬車に滑り込み、バンッと扉を閉めた。
「でっ・・・殿下っ?」
リリィベルは驚いて身を引いていた。
「ハァっ…すまない…」
息を切らしてリリィベルを見つめた。
そして、ドアの窓からダニエルに声をかけた。
「すまない伯爵、すぐ終わる。」
そう言って、内側のカーテンを閉めた。
「でっ殿下!?」
ダニエルは混乱し、また立ち尽くした。皇太子が乗った馬車を、いくら自分の馬車とはいえ、
勝手に開けるわけにもいかなかった。
「リリィ…もう忘れたのか?」
微笑んで、リリィベルの手を握った。
「っ・・・・テオ・・・・様・・・・・」
「ははっ・・様はいらねぇんだけどな・・・。まぁ今はいい・・・。」
俯きがちにリリィベルはテオドールを見つめた。
「その上目遣いは・・・・俺以外の前ではしちゃだめだからな?」
「っ・・・そっ・・・・そんなつもりは・・・・・。」
頬が染まるリリィベルがオロオロと視線を泳がせた。
「・・・すまない、どうしても、見送りたくて。結局来てしまった・・・・。」
情けないなと呆れた笑顔を浮かべた。
「・・・テオ様・・・」
「リリィ・・・俺はお前にもう一度会いたい。だから、手紙を送るから・・・・」
「はい・・・。嬉しいです。テオ様・・・・。」
リリィベルは、はにかんで嬉しそうに笑った。
「っ・・・・リリィ、その顔は反則だ・・・・・。」
「えっ・・・・?」
顔を上げたリリィベルの唇に、テオドールの唇が近づいた。
「許せよ・・・・・。」
リリィベルの頬に手を添え、優しく触れるだけの口づけをした。
少し触れただけで、唇は離れていった。
「・・・・・殿下・・・・・」
驚いて、目をぱちくりさせたリリィベルだった。名前を呼ぶことも忘れて。
「・・・・。おやすみ・・・リリィ・・・・。」
また頬を一撫でして、立ち上がるとテオドールは馬車から降りた。
「時間を取らせて申し訳ない。では道中気を付けてくれ。」
ダニエルそう告げ、テオドールはその場から離れていった。
「・・・・・・・」
ダニエルは黙ってテオドールの後ろ姿を見送るしかなかった。
少し時間が経った頃、馬車に入ると、リリィベルは固まっていた。
だがその頬は少し桜色に染まっていた。
「・・噂では聞いていたが・・・殿下は、自由なお人だな・・・・。」
諦めた様にダニエルは笑った。
「リリィ…まだ、居られるか?」
「あ…お父様に…」
「そうだな。一度父君のところまで送ろう…。」
そう言ってテオドールはリリィベルの手を取りエスコートしてダニエルの所までやってきた。
「・・・・リリィ・・・・・」
複雑そうな顔をしてダニエルは娘を迎えた。
「お父様…お待たせしました。」
えへへっと嬉しそうに笑う娘が居た。
「皇太子殿下。娘をダンスに誘ってくださり有難う御座いました。」
そう言って、ダニエルは礼をした。
「いや、そなたの大切な娘のファーストダンスのパートナーをさせてもらった。感謝している。
とても楽しい時間をありがとう。」
「とんでもございません。尊い皇太子殿下がパートナーになって下さっただけで、身に余る光栄で御座います。」
「ブラックウォール伯爵、そなたらはいつまで王都に居られる?」
単刀直入にテオドールは言った。
「・・・・殿下、私は北部の領土を守る使命が御座います故、長い滞在は難しいかと・・・」
「左様か・・・その家名の通り、帝国の黒き壁だ。帝国の為尽力してくれているそなたには感謝している。」
「有難う御座います。これからも帝国の為尽力致します。」
「あぁ、期待している。」
ダニエルと一通り話したのち、テオドールはリリィベルと向き合った。
「ブラックウォール伯爵、しばし令嬢との時間をくれ・・・」
そう言ってダニエルから少し距離をとった。
「リリィベル嬢…今宵はとても楽しかった。」
「はい・・・皇太子殿下、私の方こそ、この上ない楽しい時間をいただきました。」
「・・・・・・・では・・・・・・・」
「・・・・・・・はい・・・・・・・」
目を離せないのは、テオドールだけではなかった。リリィベルも同じ思いを抱いていた。
離れたくない・・・・。
この腕の中に閉じ込めてしまいたい・・・・。
だが、今は、出会えただけでも・・・・・・。
「ではまた会おう。必ず・・・・。」
そう言ったテオドールだったが、リリィベルの手を引き、壁にその身体を付けて自身の身体で彼女を隠すように…。そして、テオドールはそっとリリィベルの耳に唇を寄せた。
〝さっきの言葉本心だ。近いうち、必ず会いに行く・・・〟
「・・・・っ・・・・・」
リリィベルの頬が染まった。
「時間が許すならば…もう少し楽しんでいくが良い…だが、他の男の誘いを受けるのは
見たくない…。許してくれ…。お前が悪目立ちせぬよう、私は何人かと踊ってくる。」
テオドールは、そっとリリィベルの頬を撫でた。
「嫉妬・・・してくれるか?」
すると、リリィベルはつま先を伸ばし背伸びをして、背の高いテオドールを少し引き寄せ囁いた。
「…嫉妬…して、しまうかもしれません…なので、その笑顔を…あまり見せないでくださいね…」
「……あぁ…お前以外に見せることは…あり得ない…。」
テオドールは嬉しそうにほほ笑んだ。
そのやり取りは壁の隅で交わされた。
そして、名残惜しく離れた2人だった。
テオドールは、リリィベルだけに注目が向くことがないように、適当な相手と踊った。
だが、リリィベルと踊った時のようなダンスは見ることはできなかった。
そうして何人か踊った後、皇族の席に戻ってきた。
「ふぅ…結構疲れるんだな…ダンスも…」
タイを少し緩めて席に座ったテオドール。
そんなテオドールを笑顔で迎えた皇帝と皇后だった。
「テオっ…お前、今日は踊ったな…」
「え?」
「そうよ、5人踊ったわよ?」
驚いている皇帝と皇后に、テオドールは疲れた笑みを浮かべた。
「えぇ、おかげで不本意なファーストダンスの記憶を消しました。けれど、意外と悪くなかったです。お陰で素晴らしい相手を見つける事が出来たので‥」
そういう顔には疲れも吹き飛ぶような笑みがこぼれていた。
「テオドール…あなたブラックウォールの令嬢が気に入ったの?」
「・・・・・・」
鋭い母の意見。だが、きっと見れば一目瞭然だっただろう。
「はい…皇后陛下、私はリリィベル嬢がとても気に入りました。」
ニヤッと微笑みそう言った。両親に隠すことはないだろう。むしろ言っておいたほうがいいとすら思えた。
「まぁそうなのね!とても綺麗な子だものっ」
「えぇ…とても…」
そう言って、ホールの中にいるリリィベルを見つめた。
まだ居てくれている。
父親に守られ、ダンスの誘いを、必死に断っている。
ふっ…あの頃と変わらないな…
前世でも、俺だけだと、散々言い寄られたのに、俺を選んでくれた。当然のように・・・・。
この世でも、俺を選んでくれるか・・・?
さっきの言葉・・・期待してもいいか?
うっとりとリリィベルを見ていた。
「テオドール、大丈夫なのか?」
皇帝陛下は真剣な顔で聞いてきた。
「・・・王女の機嫌を損ねたことでしょうか・・・?」
「わかっているじゃないか。どうするのだ。抗議してくるやもしれんぞ。
それに、リリィベル嬢とお前が踊っている時の王女の顔…あれは…」
とてつもなく、嫉妬した顔をしていた。
自分とは一度も目も合わせず、人形相手に踊ってるも同然な振舞いだった。
それがどうだ。リリィベルとは身を寄せ合い、囁きあい、大胆にも抱き上げて楽しそうに踊っていた。
どんなに屈辱に思っただろう…。あの小さな頭でどんな残酷なことを考えているか。
そしてブルックス公爵…。王女が侮辱されているのをあの場では黙ってみていた。
使節団はまだ滞在日数が残っている。
「あー…早く帰んねぇかな…。」
テオドールは、椅子にもたれ掛かり、うっかり本心をもらしていたのだった。
踊りすぎて、皇太子の仮面は取れ掛けだった。
そろそろ誕生祭が終わる頃。
リリィベルとダニエルが帰ろうとしているのが見えた。
「・・・・・・リリィ・・・・・・」
そっとその名を呟いた。
だが、居ても立っても居られず、人知れずホールを抜け出した。
そしてブラックウォール家の馬車にそっと近づいた。
リリィベルがダニエルの手を取り、馬車に乗り込むところだった。
リリィベルが乗り込んだ馬車に滑り込み、バンッと扉を閉めた。
「でっ・・・殿下っ?」
リリィベルは驚いて身を引いていた。
「ハァっ…すまない…」
息を切らしてリリィベルを見つめた。
そして、ドアの窓からダニエルに声をかけた。
「すまない伯爵、すぐ終わる。」
そう言って、内側のカーテンを閉めた。
「でっ殿下!?」
ダニエルは混乱し、また立ち尽くした。皇太子が乗った馬車を、いくら自分の馬車とはいえ、
勝手に開けるわけにもいかなかった。
「リリィ…もう忘れたのか?」
微笑んで、リリィベルの手を握った。
「っ・・・・テオ・・・・様・・・・・」
「ははっ・・様はいらねぇんだけどな・・・。まぁ今はいい・・・。」
俯きがちにリリィベルはテオドールを見つめた。
「その上目遣いは・・・・俺以外の前ではしちゃだめだからな?」
「っ・・・そっ・・・・そんなつもりは・・・・・。」
頬が染まるリリィベルがオロオロと視線を泳がせた。
「・・・すまない、どうしても、見送りたくて。結局来てしまった・・・・。」
情けないなと呆れた笑顔を浮かべた。
「・・・テオ様・・・」
「リリィ・・・俺はお前にもう一度会いたい。だから、手紙を送るから・・・・」
「はい・・・。嬉しいです。テオ様・・・・。」
リリィベルは、はにかんで嬉しそうに笑った。
「っ・・・・リリィ、その顔は反則だ・・・・・。」
「えっ・・・・?」
顔を上げたリリィベルの唇に、テオドールの唇が近づいた。
「許せよ・・・・・。」
リリィベルの頬に手を添え、優しく触れるだけの口づけをした。
少し触れただけで、唇は離れていった。
「・・・・・殿下・・・・・」
驚いて、目をぱちくりさせたリリィベルだった。名前を呼ぶことも忘れて。
「・・・・。おやすみ・・・リリィ・・・・。」
また頬を一撫でして、立ち上がるとテオドールは馬車から降りた。
「時間を取らせて申し訳ない。では道中気を付けてくれ。」
ダニエルそう告げ、テオドールはその場から離れていった。
「・・・・・・・」
ダニエルは黙ってテオドールの後ろ姿を見送るしかなかった。
少し時間が経った頃、馬車に入ると、リリィベルは固まっていた。
だがその頬は少し桜色に染まっていた。
「・・噂では聞いていたが・・・殿下は、自由なお人だな・・・・。」
諦めた様にダニエルは笑った。
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